田沢湖駅近くで国道341号に入ると、左手に何も見えない雪原が広がりました。「うわっ」と思ったのですが、車を停車させることは出来ず、そのまま田沢湖へ向かいます。今度は右手。夏は確か田畑だったと思うのですが、夏の緑色の姿も見事ですが、純白の白というのも素晴らしいものです。晴れている時は、目が痛くなりますが、平原で白いというのは、なかなか見ることが出来ない気がして、これを見ただけでも特した気分です。
どういうわけか、カーナビは、国道から市道の町中を入ります。今まで、除雪の行き届いた道路だったのですが、市道に入ると途端に除雪もままならない厚い雪に覆われた道路です。道幅もせまく、対向車がやってくると、すれ違うのがやっとといった感じで、田沢湖に行くのに、こんな道路だったかなぁとちょっと不安に思います。すると、すぐに県道に出ました。どうやら、カーナビはこの方が距離的に近いからということで選んだ様なんですが、県道の方が除雪も行き届いており、道幅も広いので、時間的にも精神的にもこちらの方が近いのですが、カーナビはなかなかそこまではわかってくれそうにありません。なんでも、カーナビまかせにすると、失敗するという例ですね。
いよいよ田沢湖です。今回は右回りとしました。前回は北側半分だけ回った状態でしたので、今回は南側から一周するつもりです。湖を見るには、右回りよりも、左回りの方が良かったということに気づいたのは、ちょっと立ってからですが、それでも田沢湖は深い青色を見せてくれました。
まずは、県民の森の駐車場で停車。といっても、駐車場は完全に雪に埋まっており、除雪車の回転状なのかちょうど車が2台ほどおけるスペースがあったので、車をそこに停めました。湖に近づけるかと思ったのですが、雪がすごいので、なかなかそうも行きません。木々越しに見える田沢湖を見て我慢といった具合です。
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次に、5分程度車を走らせると、田沢湖が一望できる場所に出ました。カッパの淵と言うそうで、ちょうど田沢湖の南端近くに位置します。夏場はこのあたりも大きな駐車場がある様で、奥の方に除雪作業を行っているお茶屋さんが見えます。今は、あそこに行くにはどうしたらいいのか、ちょっと不思議なんですが・・・。
湖の青さは際立って見え、烏帽子岳が望めます。この調子だと、乳頭温泉の方はさぞかしすごい雪深さなんだろうと簡単に想像ができます。静けさ広がる田沢湖は、はやり神秘的で、冬の方が更に神秘的に見えます。対岸の山々が湖に反射するのですが、そのくっきりと映る様は形容しがたいものがあります。
そして、田沢湖で一番有名な「辰子姫像」に到着。夏場は「田沢湖プリンスホテル」前に広がる駐車場が使えるのですが、冬場は、ここも大きな雪原になっていました。あれれ?それでは、プリンスホテルの宿泊客はどうするのか?と思ったら、プリンスホテルの玄関すらも雪に閉ざされている様で、どうやら季節営業だった様です。となると、冬場に辰子姫像のところまでやってくると、駐車スペースが心配ということになってきます。逆を返せば、観光客が少ないので、それほど気にする必要も無いとも言えるのですが、今回は酒屋さん前の駐車場に車を停めさせていただきました。一応、申し訳程度に、缶ジュースを買いましたが・・・。
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田沢湖には、浮木神社があり、こちらの本殿をぐるりと回ると、目前に田沢湖が広がります。冬の間、湖岸は雪で閉ざされているので、浮木神社から見る田沢湖が一番近いということになります。湖岸近くの水辺が凍っているという状態では無いのですが、雪の白さと田沢湖の青さが、寒さを物語っている様に思います。昨年の十和田湖を見ていると、あちらは、周囲が凍りついている状態なので、寒さを感じるという意味での感動は少ないですが、湖の色や風景の神秘的な情景への感動を強く感じます。
ところで、ふと気づいたのですが、冬に北海道に行くのですが、完全に凍った湖って見た記憶が、無いんですよね。恐らく、道路が閉鎖されており、観光客がパッと行って見られる様なものでは無いのかもしれませんけど・・・。
冬場の辰子姫像は、周囲が雪化粧をしている為か、金色の光りが強く感じる気がします。湖が濃い青さですので、余計に浮き立って見え、写真に撮ると、「合成か?」と思ってしまう程だったりします。それだけ、更に「神秘的」に思えると考えれば、納得かもしれません。
気温は低い様ですが、風が無く特に目茶苦茶寒いという感じはありません。風が吹くと大寒気温は見事に下がりますけどね。
辰子姫像の後は、田沢湖の展望台へ向かおうとしたところ、冬季は閉鎖されている様で断念。そこで販売されていたお蕎麦が好評だったので、買って帰ろうと思っていたのですが、行けない状態ですから、無理なんでしょう。その展望台の少し下に山の幸資料館というのがあるのですが、こちらも冬季は休館ということで、冬の田沢湖は観光という面で考えると、色んな意味で損をする感じです。しかし、観光客が少ないからこそ、さらに神秘的に見え、田沢湖を独り占めしている感じにも思えてきます。冬には冬の良さがあるというところでしょうか。十和田湖や奥入瀬の様に冬の雪深さを逆手にとった、観光キャンペーンをするというのも一つの手段かもしれませんが、素であるということが、逆に心地よく感じたりします。夏場はかなり観光地化されているんですけど、その落差の激しさを見た気がします(夏の田沢湖は、こちらを参照)。
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ここからは、前回と同じコースです。ただし、緑はことごとく白くなっています。道路の除雪も不十分なところがあり、道幅が急に狭まっていたりします。夏の観光シーズンに向けて冬の間に護岸工事なども行っている様で、本当に夏の観光地を維持する為に冬があるといった様に見えてきたりもします。
御座石神社の駐車場に車を停めます。他の駐車場は、見事に雪に埋まり、ほとんど駐車できない状態だったのですが、こちらだけは、少し多めに除雪されている様です。もしかすると、初詣の関係で大きくとっていたのかなぁとも思ったのですが、正月からは17日も立っていますから、的外れな考えですよね。夏場は営業しているお土産屋さんも、今の時期は閉ざされています。何もかもが、雪に閉ざされている感じに思えます。その分、夏場にはじけているということなのかもしれません。
御座石神社周辺というと、辰子姫像周辺と同じく、大きな観光スポットで、田沢湖の遊覧船がここから出ていたり、湖から続く参道が特徴的で、大勢の人が集まる場所ですが、ここもまたひっそりとしています。湖に近い鳥居に行くには、新雪を踏みしめなければいけません。ましてや、湖岸へは、かなり無理があるといった具合です。
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