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神話の世界!?はじめての熊本その6(2002年9月21日〜23日)

 ほぼ、定時に列車が到着、3段式スイッチバックを下って、ゆっくりと熊本方面へ向かいます。終点の肥後大津まで3駅しかないものの、30分近い時間がかかっているのは、恐らく、スイッチバックと立野での行き違い待ち合わせなどが原因なのでしょう。ところで、この列車、整理券を取らないと駄目な列車だったんですが、整理券をすっかり取り忘れてしまい、あわてて取りにいったら、扉がしまって整理券が取れない状態になっていました。で、車内では「整理券を取り忘れられますと、始発駅からの運賃をいただきます」としきりに放送しており、不安を覚えさせます。まぁ、立野駅で運転手さんに話をすると、普通に、「熊本駅で赤水から乗ったと言ってもらえればいいですから」と言われました。
 案内放送は不安にさせますが、対応はいたって普通でした。というか、話し方なんかを聞いていると、安心感を覚えますし、好印象でした。
 肥後大津で5分ほどの待ち合わせで乗り継ぎの熊本行き列車に乗車します。みるみるうちに夕日が沈み、すっかり暗くなってしまいました。肥後大津駅というと、たしか熊本空港の最寄り駅のはずです。とはいえ、空港との関わりはあまり感じられない田舎の駅といった感じです。
 肥後大津からの列車は通勤対策なのか、ロングシート車でした。しかし、JR九州らしい近未来的なスマートなデザインに変わりはありません。座席の座り心地はクロスシート車にはおとりますが・・・。

 大きなホームの熊本駅に19時すぎに到着。今年のゴールデンウィークに寝台列車でおにぎりを購入した時以来だなぁと思ったんですけど、よく考えると、その帰りの夜行列車で長時間停車したのが、熊本駅でして、その時にホームに飲み物を買うために降りたのを思い出しました。
 すごく記憶違いをしていたのですが、熊本駅の駅舎はてっきり海側(西側)にあると思っていたのですが、本当は山側(東側)にあったんですよね。どこで、どういう風に考えて、間違えてしまったのかは謎なんですが、思い込んでいた事実と違ういうのは、事実の方が奇異に思えてしまうのが不思議なものです。

 

 駅舎を出て、熊本駅を見てみると、綺麗にライトアップされています。一部で有名なんですが、熊本駅は5階建ての様に見せている4階建ての駅舎なんですよね。昔から4階建てだったんですが、ちょっとした改装を行う際に、屋上に外観と同じデザインの板を取り付けたので、5階建てに見えるというものです。写真は夜なのでわかりにくいんですが、5階の窓がすべて真っ暗になっています。これは、電気が付いていないのではなく、夜空が見えているんですね。面白い仕掛けだと思います。

 駅前から市電に乗って辛島町へ向かいます。この電停が、今回の宿泊先、ワシントンホテルに近いというわけです。どうやら、この辛島町あたりが繁華街になっているらしく、かなり大勢のお客さんが下車されました。そこからアーケードを通り、そのままワシントン通りという名の道を3〜4分程度歩くと、突き当たりの角にあるのが、ワシントンホテルです。繁華街なだけあり、マクドナルドやケンタッキーといったファーストフード店、薬局、スーパー、電気店などが揃っています。ホテルにいく前に、カメラの電池をと思い、ベスト電気に立ち寄りました。
 電池の購入のついでに、軽量なデジカメを見ていると、「これは買うな!」と思ったのか、店員がやってきて、デジカメを勧めてきます。いや、そんなに勧められても・・・わざわざ熊本でデジカメ買うつもりはないんだけどなぁと思っていたら、店員さんも地元の人じゃないと初めて気づいた様で、「関西の方ですか?」とまぁそんな会話が。で、「出張ですか?」・・・う〜む、今まで学生さんだったのに、とうとう社会人に思われてしまったんだ・・・と少しばかりショック。まぁ、三十前ですから、そんな年になってもまだ、学生さんと言われるのもね。

 本日宿泊のワシントンホテルプラザ熊本に到着。チェックインを行おうとしたところ、予約が入っていない様な雰囲気になりました。あれ?おかしいなぁということで、予約確認書の印刷を提示してみたところ、よくよく見てみると、日付が一日ずれているではありませんか!私、よくやるんですよね。この間違い。そりゃ、予約がないわけだ・・・。その日は空室があった様で、その場で変更していただいたので、良かったのですが、予約確認ってあまり日付みないことが多いので、気をつけないといけません。
 そんなこんなで、この日は熊本泊。夜の街を少しぶらぶらと歩いたんですが、お酒が飲めない私には大してやることもないので、夜は早々に就寝につきました。

 翌朝は8時起きで朝食を取り、10時前にホテルを後にしました。チェックアウトの際に思ったよりも宿泊者の人数が多いことに驚き、フロントはてんてこ舞いの状態でした。熊本って人気があるんだなぁと思い、今日が3連休であることに気がつきました。とりあえず、目的地を熊本城に設定。天守閣を見るのもいいだろうと、朝の商店街をあるいて熊本城を目指しました。辛島町の次の電停が熊本城前なので、歩いて10分程度、熊本の朝の雰囲気(といっても随分遅いですが)を見物しながら熊本城を目指します。
 他県と変わらず、城の周辺には役所が集まっており、道路なども歩道が広く、特に休日なので憩いの場といった雰囲気が漂っています。加藤清正公の銅像を見て橋を渡ると、大きな石垣がありいよいよ熊本城に入ります。

 熊本城の入り口で、熊本城と細川刑部邸の共通入場券を購入します。どうも、共通入場券があると、購入してしまう傾向にしります。その施設がどんなものかわかっていないのに・・・。敷地内に入ると、広い草原が広がり、リフレッシュするにはなんともいい場所です。ぼ〜っと雲の移ろいを眺めてみるのも一興かとおもうのですが、夕方には熊本を後にするので、あまりのんびりもしていられません。この広場から熊本城を眺めると、重なる石垣の向こうに天守閣があり、なんとも風光明媚な雰囲気です。この風景は、見学に十分値すると驚きました。後ろを見ると、一際目をひく巨木があり、その大きさにこれまた圧倒されてしまいます。敷地内に入っただけでこれだけ驚くわけですから、熊本城の見学は正解だったと確信します。

 

 あまり整備がされていない階段を登っていきます。歩幅とかが微妙な高さで歩きにくいのですが、それもこれも、恐らく敵がせめてきた時にあがりにくくする為なのだろうと考えると納得がいきます。階段を上がっていくと、ところどころで工事が行われており、立入禁止のところがあります。復元工事らしいのですが、かなり大がかりで驚きです。
 そうこうしていると、大きな広場まで到着。今まで寂しかった観光客数もここではかなりのたくさんの人が見学にこられている様子です。ところどころで観光ガイドさんも見受けられ、大きくはつらつとした声で案内されているガイドさんがいらっゃいました。そんなわけで、無料で案内を聞くことができたのですが、そのガイドさんがおっしゃるには、熊本城は加藤清正が築城された後1代で、細川家に変わり、以来細川家11代の居城となったそうです。かの細川元首相は、その細川家の子孫だそうで、世が世ならば、首相ではなく熊本城のお殿さんになられていたそうです。
 ま、そんな話を聞きながら、天守閣の周りの施設から見学していくことにしました。まず、最初に「数寄屋丸」の見学をすることにしました。1階が土間で2階が畳みという構造で、全国の城郭建築としては珍しいそうです。そのあたりはあまり詳しくないので、よくわからないんですが・・・(‥ ) ここ熊本城では、この数寄屋丸で茶会や能などが行われたそうで、文化的遊興施設として利用されていたそうです。とまぁ、説明文にはそう書かれてあったのですが、1階はほとんど見学できずというか、本当に土間があるだけで、倉庫として利用されている様です。2階へは靴を脱いであがることができたのですが、この数寄屋丸は近年、熊本城の事務所として利用されていたそうで、最近、新しく事務所棟を別に完成した為、この数寄屋丸を整備・公開したとのことでした。その為か、畳の間と思われるところは畳ではなく、むしろが敷かれている様で、畳み本来の柔らかさは味わえません。まぁ、見た目は畳みの部屋ですから、気にしない人は気にしないとは思いますが・・・。
 しかし、こうやって畳の間を見ていると、本当にこんな暗いところで電灯無しで過ごしていたのかと考えると、不思議に思えてしょうがありません。採光技術が長けていたと考えるべきなんでしょうが、窓ガラスなんてものもなかったでしょうから、明るくしようと思えば寒くなり、温かくしようと思えば暗くなる・・・照明器具って偉大だなぁと思えてきます。

 

 数寄屋丸を出て、100mばかり歩くと、今度は宇土櫓に向かいます。この櫓、名前こそ櫓ですが大層立派でして、戦国時代とかであれば、小さい城として通用するぐらい立派な大きさを持っています。確かに、天下の名城と言われる熊本城と比べると、全然小さく貧弱に見えますが、この櫓単体で見てみると、私の地元の茨木城なんかはこれより大きかったのかな?と考えてしまいます。
 この宇土櫓は、明治10年2月19日の熊本城の火災を守られた数少ない施設の一つだそうで、熊本城の櫓としては唯一の多層櫓だそうです。外観からは3層、内部は地上5階+地下の構造となっているわけでして、やっぱり豪壮な櫓だと思います。ちなみに、宇土櫓の名は、古くから小西行長の宇土城を移築したものだろうと伝えられてきたことからつけられた名だそうですが、解体修繕の際に調査で、熊本城で創建されたことが判明したそうです。小西行長ってどんな人なのか、また、どこにあるのか・・・それすらわからない私にとって、これらの説明は受け売り以外ありえません(^^ゞ
 中に入ると、木造建築の建物で、よくもまぁ、ここまで残っていたものだと関心するばかりです。最上階にあがると、熊本城が綺麗に見渡せ、何度もいいますが、熊本城がなければ、立派な天守閣だと思えます。それに、となりの熊本城は昭和35年に再建されたものだそうですから、古くからの城としては、こちらの方が由緒正しいというか、歴史的建造物に入ることができているわけで、お得な感じがします。眼下に見渡す熊本市街をここからでも十分に眺めることができます。

 

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