ちょっと歩いていくと、車道にでてしまいました。あれれ?と思ったわけですが、ここから眺める山並みもなかなかのもの。記念碑の広場があり、そこでは、この山並みを撮影されている方がいらっしゃいました。さすがに、同じところから撮影というのは、気が引けたので、他をうろうろとしていると、吉野古道イラストマップなるものがありました。大峰山の山上ヶ岳まで、約8時間と案内がありました。まぁ、さすがにそこまで行くつもりはありませんし、時間もありません。なんだか、先はまだまだあるんだなぁと感心しておりました。
どこからか、山歩きのパーティがあらわれ、何か話しをしているのが、聞こえました。なんでも、青根ヶ峰の山頂まで約5分とのこと。それほど近いんだったら、ちょっと登ってみようということで、青根ヶ峰の山頂と書いてある山道を歩きはじめました。今までの道も結構険しい感じ立ったの手すが、こちらは、更に道幅が狭く、急な坂道。突然、妙な小動物が逃げる音などが聞こえたりして、自然が残っていると実感します。山頂までは、本当に短く、道が狭い以外に特に問題になるとこはありません。3分程度で到着しました。といっても、山頂の印は、小さな木のベンチと誰かが残した、山頂のプレート。もしかすると、手作りの山頂を示す板なのかもしれません。858mの標高だそうです。思っていたよりも高い山だったんだなぁと思います。これほどまでに山並みを見てくると、段々と印象も薄れてくるのですが、それでもやっぱり、綺麗だと思います。
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今度は、そこから車道を通って、吉野駅に向かってくだることにしました。いったいどれぐらいの距離があるのかはわからないのですが、まぁ、なんとか歩いて歩けないことないだろうと思いつつ、歩きはじめました。車がほとんど通らないので、車道を独り占めしている感じになります。しかし、坂かきついので、歩いていると、膝に負担がかかっているのがなんとなくわかります。
ところどころで、桜が散っているのが確認できましたが、桜吹雪直後とかいうわけでは無い様で、やはりやってきたのが、随分と遅かった様です。歩くのは、必死なんですが、意外とぼーっとしているので、岩肌に雑草が生えている様子が、毛の様に見えたり、湧き水が滴り落ちる音に驚いてみたりなんぞしておりました。こういうことも、楽しいんですよね。
湧き水については、岩肌というよりも、土と岩の境界の様なところから、ポトンポトンと落ちていましたので、なんだか本当に純度が高そうな湧き水だなぁなんて思ってみていました。
やはり、桜よりも緑鮮やかなモミジに目が奪われ、桜は残念だったけれども、この青々としたモミジもまた一興だと思う様になりました。後悔するというよりも、逆に見事な新緑が見られて良かったと思います。金峯神社の鳥居まで降りてくると、一般的な観光コースになる為か、何人かの観光客が見られる様になりました。地図によると、このあたりの桜も見事らしいのですが、やはり青々とした桜の葉ばかりでした。
それでも、奥千本よりもこちらの方が、まだ花を咲かせている桜が多く、意外に不思議だなぁと思います。確かに、桜の名所という程ではありませんが、それでも、頑張って花を咲かせていると目を奪われます。
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坂は相変わらず下り坂ですが、途中で、高城山展望台なるものがありました。ツツジが城というの別名があるそうで、後醍醐天皇の皇子と北条幕府軍が激しい戦いを繰り広げた時の奥の詰城となったとも言われているそうで、かなり歴史の奥深いお城の様です。現在は、展望台になっているそうで、ついでにそちらに立ち寄ることにしました。それにしても、山城なわけでして、かなりきつい坂道を登っていく事になりました。なんだか、段々と歩き疲れてきていることもあって、坂を登る速度も大分落ちてきたという感じです。きつい坂道と階段だったら、階段を選んでしまいたくなるぐらいの坂道です。
展望台の周囲にはツツジが蕾を大きくしており、これが咲き乱れた時は、また綺麗なんだろうなぁと想像できます。茨木の方では、もうすっかりと咲いているツツジですが、こちらは標高が高い為に、まだの様です。私が訪れたのは、ちょうど、桜とツツジの谷間の頃で、これはまた残念な感じです。にしても、大きな広場に3本杉、木のベンチと机が用意されており、絶好のお弁当スポット。展望台からは、青々とした桜が数多く見渡せるので、ここもまた先週、いや先々週頃は見事に桜が咲き乱れていたことでしょう。
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展望台から下り、また元の道に戻るわけですが、すぐに牛頭天王社後とかかれた石碑と説明文がありました。牛頭天王とは、日本では素盞鳴尊のことを指すそうです。ただ、釈迦の説法道場がどうのとかかれていたので、神仏習合のものだった様ですが、明治初年の神仏分離により、廃絶されてしまったそうです。こうやって、神社やお寺を回っていると、たまに出てくる神仏分離なんですが、これって、本当はいったいどんな物だったんでしょう?分離するのは、わかるけれども、廃絶するほどのことがあったのかと思ったりするんですけどねぇ。ちょっと歴史を学びたくなってきます。
そうこうしながら、坂を降りていくと、吉野水分神社(よしのみくまりじんじゃ)なる神社がありました。説明によると、スズランの香りが漂うと書かれており、さらに社殿は、桃山時代の華麗な建築物だそうで、重要文化財にも指定されているとのこと。しかし、ちょうど閉門の時間に通りかかった様で、境内を見ることなく、門を閉める姿だけしっかりと見させていただいたということになりました。子守の神様だそうです。
そこから200mほど下ると、展望台の案内があり、そちらに立ち寄ったところ、ここはどうも売店の専用展望台だった様で、弁当の持ち込みは300円の席料がいるとか、駐車は売店利用の方のみだとかいう看板があちこにありました。さらに、飲み物もここだけ、『山価格』。他ではそんなことがなかっただけに、随分な気分にさせられました。購入するしないにかかわらず、なんだか、こういうのって意外に気になるんですよね。
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そこから少し下ると、花矢倉という歌舞伎「義経千本桜」で有名なところがあるそうですが、こちらは、「危険な為、通行禁止」とありました。さらに、少し下ると、吉野山の桜に関する看板があり、ここまで登ってきて、吉野山に来た甲斐があるといった旨のことが書かれてありました。なんでも、大多数の観光客は、中千本止まりだそうで、本当は上千本まで見てこそ価値があるもんなんたとのこと。まぁ、今回は、あまり桜は見られていないんですけどね・・・。
でも、この看板を見たすぐ下に、見事な花を付けている桜がありまして、山の斜面にたたずむ桜ということで、絶景でした。一週間前は、山がもう少し桜色だったのかもしれませんが、そさでも綺麗。うれしくなってきます。
ここからは、車道から外れ、山道を歩く事になります。桜はあまり見られませんが、何ていう名前の花かわからないんですが、薄紫と白色の花が山の斜面に綺麗に咲き乱れています。どうも、あまり日の照らない、杉木立の中がお好みの様なんですが、向かい側の斜面の杉の林の合間から見える花は見事としか言いようがありません。この道沿いも、どうやら桜の木が多い様で、嬉しい事にまだ花を付けている桜が残っていました。でも、これ、本当に最盛期は見事だったんだろうと思わせる残り方でした。 |