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〜関西で最後の桜を求めて'03〜奈良吉野山編(2003/4/27)

 

 30分ほど山道を歩くと、如意輪寺というお寺がありました。楠木正成の子、楠木正行が出陣の際に門扉に「やじり」で辞世の句を書いたことで有名なお寺だそうです。宝物殿にその門扉が保管されているそうですが、6時頃ではさすがに閉まっています。また、こちらのお寺の境内を少し登ったところに、後醍醐天皇の陵墓があり、境内に宮内庁の文字が見られました。案内によると、足利尊氏に京を追われた後醍醐天皇は、都に思いをはせつつ病死されたとのことで、天皇の意志により、京都を望んで葬られたので、唯一の北面の墓陵だそうです。ちょうど、南北朝の時代の話なんですよね。

 階段を上がって、一応、墓陵にお参りをしたわけですが、あくまで、お墓ですから、これといって何があるわけではありません。すぐに、寺の境内に戻り、こちらでもお参り。なんだか、京はかなりの数の社寺を参拝させていただいているなぁと思います。寺の本堂とはいうものの、何だか雰囲気は、神社の様な感じ。いや、お参りするところの大きな鈴もなければ、線香があるわけでして、れっきとしたお寺なんですけど、記憶では神社みたい・・・と思える、不思議な本堂でした。ただの勘違いなんでしょうけどね。
 ちなみに、本堂に向かって右側に『日本最大の石の不動尊』があります。とはいっても、建物の中に不動尊かあり、一応、中は見える様になっているのですが、真っ暗でよく分かりません。ただ、なんとなくですが、大きな石の仏様であることがわかりました。

 

 お寺の階段を下って、また、山道を歩きはじめます。ちなみに、私が入ったのは、裏門の方らしく、表門はこちら。逆順路で歩いている事になります。とはいっても、私が手にしている、近鉄が作成された「てくてくマップ」の順路に沿っているわけでして、まぁ、これはこれで、良い事にしておきましょう。

 山道を歩いていると、ここもなかなか桜の木が沢山あり、見事な景観を見せています。桜の季節だけ営業しているのか、この斜面に突き出す形で無人の茶屋がありました。メニューは最近付けられたものの様で、確かにここから見る桜の斜面は絶景の様です。こちらにも、2〜3本花を付けている桜が残っていました。

 いよいよ舗装道路に変わってしまったのですが、今までがやわらかい土の道だった故に、なんだか、硬くてしんどいと思う様になってしまいました。横にある川のせせらぎが心地よいのですが、同時に山深く、いよいよ、山向こうに太陽が落ちてしまいました。ちょうど谷間を歩いている様な格好になる為、まだまだ、空は明るいのですが、こちらの道は薄暗くなってきた感じがします。左手に吉野温泉元湯館があり、日帰り入浴可能ならば、立ち寄ろうと思ったのですが、それらしい看板も上がっていないので、あきらめることにしました。

 

 吉野温泉元湯までくると、随分と開けてきた感じがします。何の工事をしているのか、大きな工事現場を右手にみながら、ここでも青々とした桜並木がありました。地図によると、こちらは裏道らしく、ひっそりとした佇まいをみせるそうです。今は、シーズンオフになってしまったこともあって、余計に静かな雰囲気が漂っています。夕暮れ時ということも関係しているのでしょう。そこを少し進むと、ちょっとした広場があり、そこには、桜の大木と杉の木が隣り合わせで生えていました。この桜の大木は、まさに散りはじめの状態で、見事な花を付けています。そして、奥の杉の木とよりそう様に生えている為、杉の枝と桜の枝が混じり合って、緑と桜色の見事な調和を見る事ができました。
 これだけでも、満足。日が沈んだ後だったのが、唯一の後悔だったんですが、いや、この桜の木は一見の価値ありだと思いました。

 団地が見えてくると、いよいよ吉野駅に到着。時刻は18時40分。ちょうど、急行のあべの橋行き列車が発車していきました。活気のあった、お土産屋さんも、ほとんど閉店されており、2件ほどがまだ、営業されていました。そのうちの1件に飼い犬と遊んでいる小学生ぐらいの男の子がいたんですが、なんとも懐かしい気持ちにさせられました。いや、なんとなくなんですが、小学生ぐらいの男の子と、犬ってなんだか、すごくいい雰囲気じゃないですか?特に、犬が元気だったりしたら、ちょうどいい遊び相手になると思うんですよね。私も、小学校3年生頃まで犬を飼っていたので、余計にそう思うのかもしれません。ただ、うちの場合は、相次ぐ不幸でそれ以来、犬を飼うのはやめてしまいましたが・・・。

 

 とまぁ、そういうことで、ちょっとした小旅行をしてきたわけですが、なかなか良かったです。これだったら、秋の紅葉の季節は、是非もう一度、訪れたいと思いました。そして、来年こそ桜の季節に・・・って、何だか、今年はそう思うところが多くあるんですが、それでも、やはりこちらの桜が満開の季節は一度は見ておきたいですね。でも、出来れば、桜は独り占めしたいんですけど・・・。
 ただ、なんというか、歩きすぎまして、その後2日間は、太股から下が結構痛く、階段を降りるときが結構しんどかったです。前なら、こんなことなかったのに・・・と思うんですけど、やっぱり毎日のウォーキングをさぼっているのが原因なんでしょうか?

 後、桜なんですけど、関西で最後の桜を見に行ったつもりだったんですが、29日に茨木市のお隣の豊能郡豊能町に訪れたら、道路の両脇に4本ばかりの桜が散りはじめだったのが、見受けられました。ただ、これを見たのが、バスの中だったので、立ち寄れなかったのが残念なんですが。後、奈良県内では、鹿で有名な奈良公園も、まだ散りはじめとのことで、吉野山が最後の桜だろうと思っていたのは、単に私の思い込みにすぎなかった様です。
 まぁ、それでも、何本かの桜は見れましたし、最後の杉と桜のコントラストがすごく印象的でした。更に、意外にいろんな観光もさせてもらったので、言う事無しですね。まだまだ、関西にも知らないところが、一杯あるんだと改めて実感した次第です。

 帰りは、疲れていたので、近鉄特急であべの橋経由で行ったんですが、これが、また速くて、2時間で自宅に到着しました。往路が4時間弱かかっていたことを考えると、京都周りは失敗だったと言わざるを得ないかもしれません(^^ゞ

 

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