湿潤な土地であるのを証明するかの様に、山道を赤い物体が横切ります。いったい何かと暗がりの中、目を凝らしてみると、サワガニがところどころで歩いていました。周囲に川らしいものは無いと思うので、いったいどこで住んでいるのかと思うのですが、それだけ素晴らしい自然という証明なのかもしれません。にしても、駅の真裏なんですけどね。ちょっとすごいかも・・・。
山道を歩いていると、どこかで阿波踊りらしい音が聞こえます。駅付近で観光阿波踊りでもやっているのかなぁなどと思いながら、黙々と階段を上がっていきます。頂上にあたる部分まで上がりきると、そこが護国神社だったらしく、見事に柵でかこまれています。今は工事が行われているらしく立ち入りが厳禁、いったいこの護国神社はどこに行ったのかと不思議に思いました。ちなみに、参道から続く鳥居に関しては、まだ撤去の処置が行われていない様で、鳥居越しにみる工事中の境内というのは、なんとも異空間を見ている様に思えました。
参道を降りていくと、慰霊碑の広場があるのですが、ここからは徳島市街地が見え、夜景としてなかなかいいスポットだと思うのですが、ここも木々が良く育っており、撮影できる方向があまりに限定されすぎてしまい、さらに気をつけないと、石垣から落下というかなり危険な雰囲気。早々に退散しました。
完全に下ってみると、先程見たものと同じ看板がかかってあり、護国神社移転のお知らせがありました。よくよく読んでみると、場所は労働会館の隣に移転とのことで、その工事に伴い、公園の一部を収用するということだった様です。労働会館がどこにあるのか判らないので、護国神社へ訪れるのは中止し、阿波踊りの音に釣られて西側に歩いていきました。初めは、公園内のスピーカーから聞こえてくるのかと思ったのですが、スピーカーらしいものは無く、ズンズンと進んでいくと、グランドの様なところで、10名前後の団体で、阿波踊りの練習をしているのでした。阿波踊りの音楽については、楽器を持ってきての生演奏。それに合わせて、踊る人々。腰を落として、踊っているのですが、本番の阿波踊りって確か夜通し踊るんですよね?これって、目茶苦茶大変なんじゃないかと思いました。
いや、でも阿波踊りがお祭りの踊りなのかどうかはわからないのですが、このお祭りムードの前って、気分がどんどんと高揚していく時期で、なんとなく楽しい気分にさせてくれます。阿波踊りの踊り自信もコミカルに受け止められるので、余計にそう思ったのかもしれません。なんだか、この踊りを見ていると、徳島にやってきたんだなぁと実感しました。
ちなみに、駅前でもらった観光マップによると、平日3回、土曜・日曜は4回、阿波踊りの実演を行っているところがあるそうです。徳島気分を味わう為に、それを見るのもいいのでしょうが、草の根的に行われている阿波踊りを見るというのは、また一味違うといった感じになります。
と、阿波踊りを見て、徳島駅の表側に戻ることにします。この公園、本当に駅の真裏にあるのですが、こちら側に来るには、ぐるっと回る必要があり、どうもいま一つ便が良く無いといった印象です。まぁ、駅から直接公園に行きたいって思う人は一部の観光客程度ですから、これで不便していないのかもしれませんが・・・。
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