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E−1持って指宿半日観光編(2003/12/13)

 

 そうこうしていると、左に砂風呂らしき掘っ建て小屋があります。浜へ降りる木の階段から向かい側にある建物に、浴衣を来た人が行き来しているので、間違い無いと思います。入口は、遊歩道側ではなく、道路側。道路側から眺めると、ここも妙に綺麗な感じの建物です。入口が2階にあるというのが、ちょっと不思議な感じです。というのも、道路から更衣室の入口が見えるんですよね。すぐ、そこなに、何故・・・?と思ってしまいます。2階にあがると、受付でチケットを見せ、浴衣をいただきます。この際、「下着も全て脱いで、浴衣だけで砂むし風呂に行ってください」と注意をいただきます。なるほど、確かにこれをいわれないと、戸惑ってしまう可能性がありますもんね。
 1階の更衣室で、浴衣に着替えます。帰りは、大浴場経由となるため、必ずタオルを持参する様に説明書きがあります。更衣室から出ると、先程の遊歩道をまたいで、階段を降りたところに砂風呂があります。900円の入浴料って高いなぁと思ったのですが、実際に砂風呂に入ってみると、砂を掛けてくださっている人の労力がなかなか大変な様で、逆に安いと思いました。私の場合、値引きになっているわけですから、更に安いってことになります。

指宿から見た錦江湾     砂蒸温泉会館 砂楽

 10人程度で1区画といった感じで、全部で10区画程度になっている様です。順番に区画を写していき、人がいなくなった区画は、お湯を入れて、しばらく寝かすといったことをする様です。寝かした後は、お湯を抜いて、また砂風呂として利用するといった具合で、つまり、温泉のお湯に漬けた砂に入り込むといった表現が合っている様な気がします。
 先程のタオルを頭の部分にしいて、くぼみに寝ると、ざっくざっくと砂をどんどんと掛けてくださいます。手慣れたもので、瞬く間に砂に埋もれていきます。ちなみに、砂風呂には、あまり長く入っていると、のぼせる可能性があるという旨と、出る時間は個人の責任で決める様に促している貼り紙があります。目安は10分とのことで、時計も付けられているのですが、私が寝た場所からは、その時計が見えないんですよね。目安10分と言われても・・・どれぐらいが10分なのかわからないんですよね。腕時計は外していたのですが、もし腕時計をしていたとしても、全く腕が動かない状態ですから、全然意味がありません。お湯に使っているのとは、また違った感覚で、どっしりとした重みが心地よかったりします。時間があれば、寝てしまいそうな感じですが、空港バスの時間まで1時間を切っていますので、あまりぼやぼやとしていられません。どちらかというと、目安の10分がかなり気になるといった感じです。しかし、推定10分程度立つと、腕や背中のあたりの砂が熱いと感じる様になります。特に私の場合、左の二の腕あたりの砂の温度が高い感じです。逆に、海風にさらされる、お腹側は寒くは無いけれども、暖かくは無いといった感じで、途中で寝返りを打ちたい気分になりますが、砂の重みで、そんなわけにもいきません。というか、それで砂から出てしまったら、お終いですから、それもまた勿体ないって思ったりもします。

 

砂蒸し風呂 で、結局のところ、周りの人が出るぐらいまでを一つの目安にして、砂むし風呂から出ることにしました。大体15〜20分程度で、それほど長いわけでも無く、かつ短いわけでもなく、なかなかいい具合だったと思います。ただ、砂の重みが結構大変で、出るのにちょっとばかり苦労したりします。結構、友人に出るのを助けてもらったりしている姿を見かけました。砂風呂から出ると、ポカポカしていて・・・と思ったのですが、そんなことはなく、いきなり「わっ、寒!」といった感じになってしまいます。慌てて、大浴場に戻ることにします。余談になりますが、なんというか浴衣の下は裸なわけで、たかだか下着を付けているかどうかの差だけなんですが、不思議なものです。

 大浴場に入る手前に浴衣の脱衣所があります。ここで、まず浴衣を脱いで、シャワーで砂を流してから、お風呂に入ります。シャワーの勢いが今一つだったので、ざっと砂を流したといった感じですので、もう一度、中の洗い場で体を洗います。これが、結構重要で、私も気づかなかったのですが、タオルの砂をあまり落としていなかったんですよね。先に洗い場に行く関係からタオルも洗うわけで、故に砂が落ちるといったことになります。それはともかく、こちらの温泉、塩分まじりなんですが、源泉100%なのか、掛け流しになっています。露天が無いところが、おしいところではありますが、お湯はあまり熱くなく、心地良く入ることが出来ます。ジャグジーやジェット水流、サウナといったものも用意されています。お風呂の大きなガラス窓から海を眺めることが出来ます。

 

危険な砂浜 お風呂から上がり、時間があれば食事でもと思っていたのですが、残念ながら時間は無く、食事は全く出来ないまま、砂楽を後にします。バスの時間まで、10分程度あったので、砂浜に降りてみる事にしました。つまり、砂湯の横ということになります。綺麗な砂浜で、夏には、海水浴客が来られるのかと思ったのですが、立て看板を見てびっくり。
 「この海岸は、干潮になると、波うちぎわから85度の温泉が湧き出ます。ご注意ください。」とあるでは無いですか。85度の温泉・・・。初めは、満潮時では無いのか?と思ったのですが、満潮時は海水が温泉と混ざり合って、心地よい温度になるということなんでしょう。つまり、温泉が湧出している場所は、波打ち際ってことなんですよね。ということを考えると、この海岸、やっぱり危険ですよね。海水浴を楽しむなんてことは、全く出来そうにありません。海水浴に行って、日焼けによる火傷なら聞いたことありますが、熱湯による火傷は、ちょっと嫌ですよね。

 そんなこんなで、16時6分の空港連絡バスに乗車し、鹿児島空港へ向かいます。時間にして、約1時間40分。往路のバスと電車の組み合わせに比べると、随分速いと言えますが、それでも遠いですよね。温泉会館前から乗車した時は、私だけしか乗客はいませんでしたが、その後、細かく乗客を集め、最終的には10名弱の乗車とでした。片道2100円。決して、安くはありませんが、このバスが指宿と全国を結ぶ重要な交通機関なのだと考えると、頑張って存続して欲しいと思います。
 西の方とはいうものの、冬至を9日後に控えた12月ということで、17時過ぎには暗くなりはじめ、空港に付いた時には、すっかり真っ暗でした。帰りの飛行機に乗ってしまえば、「駆け足だったなぁ」と思う次第ですが、充実した冬の一日を過ごせました。

 しかし、その翌週、大阪では吹雪になるとは、この時、思いもしませんでした。

   

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