さて、釧路での約2時間をどうやってつぶそうかと思ったわけですが、まとまった時間を消費するには、博物館や科学館が一番。ということで、未だに訪れたことが無い、釧路市博物館にいけないかと駅前にある地図を見て、そこからバスターミナルに向かい、バスの時間を確認してみました。どうやら市民病院前で下車するのが、ベストらしいのですが、そちらへ向かうバスと時間がどうも合わないみたいでしたので、とりあえず幣舞橋まで歩いて、図書館にでも立ち寄ろうかと考えました。
釧路市内の循環バスくるりんも100円バスに変わっており、以前に訪れた時とは随分変わった感じがします。駅前の目抜き通りを歩いていても、閉店しているお店が増えている感じがしました。釧路にも、不況の波が押し寄せているということなんでしょうか?幣舞橋まで15分弱歩いたわけですが、川湯温泉をでた時の青空はどこへやら、曇り空に冷たい風が体に突き刺さる感じがします。幣舞橋とそのロータリーの写真を撮っていても、手がかじかんでくる感じで、なんだか網走からどんどん南に下ってきたはずなのに、気温もどんどん下がってきた感じがします。
網走で咲いていた桜も、釧路では全く見ない状態で、道行く人も、「寒いねぇ。これじゃぁ、桜はまだだよね。」といった会話を聞こえます。幣舞橋から急な坂、その名も出世坂を登ると、幣舞公園という小さな展望公園があり、そちらに登って幣舞橋の写真を撮ることにしました。この公園には、チューリップが植えられており、つぼみが膨らみ、その先端に赤い色が少し見える状態まできています。気温は6度程度ですが、やはり春がやってきているという証拠の様です。この公園の立ち木はまだ、新芽もでておらず、冬景色といった感じがします。
随分と体が冷えきったので、図書館にでも入ろうと、そちらへ向かうと、大きな円柱形の建物が目に入りました。なんでも、生涯学習センターという建物らしいのですが、その中の3階に釧路市立美術館が入っている様そうです。普段は、美術館に訪れることはほとんど無いのですが、今回はあんぱんの作者のやなせたかしさんの特別展が行われている様でしたので、見学してみることにしました。
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入館料は700円とちょと高いかな?と思ったのですが、美術館としては、これが当たり前なのかもしれません。受付で、カメラバックを預かってくれることになり、ちょっと身軽になった状態でゆったりと見学させていただきました。
「あんぱんまん」ということで、子ども向けの展示内容と思いきや、ここらはしっかりと美術館らしくなっており、やなせたかしさんの油絵や水彩画、過去に発表された童話の原画などが展示されています。ただ、ちょっと残念だなぁと思ったのは、あんぱんまんということで、幼稚園以下の子供さんを連れた家族連れが多く見受けられるのですが、あくまで美術館という体裁を保っている為か、ぬいぐるみなどにも触らせてもらえない状態でした。
実際、入り口から展示スペースに入った正面に、大きなあんぱんまんのぬいぐるみが座っているのですが、このぬいぐるみにも、「さわらないでください」と注意書きがあり、係員の方が近くで監視しています。字の読めない1〜2歳ぐらいの子が、わーとやってきて、あんぱんまんのぬいぐるみの手を触ろうとすると、係員の方が「さわっちゃダメよ」と声をかける姿を見かけました。規則なんでしょうけど、いくらなんでも、こうなることぐらいは予測出来たわけで、これを最初から禁止しているのは主催者側の配慮の無さが出ている様な気がします。なんだか、かわいそうだなぁと思ってみていました。そんな状態なので、結局小さいお子さんには退屈な展示であったんでしょう、子供たちは、すーっといなくなるといった状態でした、最後に少しだけ、クラフトコーナーという子ども向けの工作が出来る場所を作っていたのですが、子供もまばらしかいなかったことから、大したものでは無かったのでしょう。
どちらかというと、厳しい意見を書いてますが、子供向けに作っているんだったら、もっと子供のことを考えて作るべきだといいたいだけなんですよね。この展示内容、やなせさんのコメントがあちこちに書かれていて、読み物、資料としてはとても面白く感じたのも事実です。故に、1時間ちょっとの滞在だったのですが、退屈することなく、どちらかというと、時間が足りないぐらいでした。つまり、広告を大人向けにする、子ども向けでは無いということを全面的に押し出すと、これは素晴らしい展示だったと思います。ところが、やっぱり子ども向けになっているんですよね。子供から大人まで楽しめる展示内容となっていたのですが、この展示だとやはり大人しか楽しめない感じがします。
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各キャラクターが生まれた経緯なんかが書かれてあったのですが、特に印象深かったのが、メロンパンナちゃんの誕生秘話。これ、読者からの要望で生まれたキャラクターだったそうですが、当時やなせさんは、メロンパンを食べた事が無かったそうで、このキャラクターを書くに当たって、3日間ほどメロンパンを食べ続けたそうです。で、この甘い菓子パンの味は女の子のキャラクターにしたいと思った荘なんてすが、編み目模様に困ったそうです。ちなみに、メロンパーンチが、あの甘さからめろめろぱーんちになったそうで、このあたりの発送もなかなか面白いもんですよね。
後は、あんぱんまんの主題歌の話もなかなか興味深かったです。あれ、最初が「何の為に生まれて、何の為に生きるのか」というところから始まるのですが、それはまさにやなせさん自信の自問自答だったそうです。今は、あんぱんまんと編集長を進めている雑誌の為とはっきり言えるそうですが、それまでは、生き甲斐について常に考えていたそうです。そうやって聞くと、なんだか、ものすごく奥深い歌だったんだと、思うんですよね。何気なく聞いていた歌の歌詞をあまり真剣に考えていなかったという証拠です。
ところで、あんぱんまんが生まれたのは、私が生まれた年とほぼ変わらず30年近く前に絵本として生まれたうです。でも、当初は評論家に駄作だと言われ、編集者には作風が違うので、二度と書かないでくれと言われたそうです。
しかし、評論家に馬鹿にされたものが、幼稚園や保育所で徐々に人気がでてきたそうで、結果として現在の様な状態になったとのこと。最初にあんぱんまんを認めたのは、誰だったのか問うているコメントがありました。それにしても、私が生まれた時には、世に出回っていた様ですが、私はちけうがくせいになるまでこの作品のことを知らなかったんですよね。恐らく、私の後の世代があんぱんまん世代で、少なくとも私はあんぱんまんを認めた人間では無かった様です。
結局、美術館というよりも、やなせたかし資料館の様な感じでかなり楽しみながら見学させていただきました。これは、良かったという感じで、釧路市立美術館を後にしました。
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寒空といっても、本当に寒いんですが、出世坂を下って、空港バス乗り場であるMOOを目指します。釧路のお土産物屋さんなどが並んだ再開発ビルなんですけど、どうもこのビル自信はあまり好きになれず、海産物を購入する時は和商市場、乾物を購入する時は空港って感じになってしまうんですね。幣舞橋という観光名所の袂にあり、MOOにも熱帯植物園が併設されていたりして、色々と工夫はなされているみたいなんですけど、何だか建物の中の雰囲気なども含めて今一つといった印象だったりします。いや、時間が良くなかったのかも知れないのですが、お客さんがまばらなのに合わせるかの様に、店員にも活気が無く、なんとなく今一つだなぁという印象なんですね。
バスの出発まで15分程あったので、バスの中でちょっと何か食べるものでも・・・と思って、店内をうろうろとしたのですが、食べたいものを売っているところに限って店員がいなかったり、店員がいても、テイクアウトが出来なかったりと、私のニーズに合わなかったりします。まぁ、私の為に営業されているわけでは無いので、これはあくまで私の主観によるものなんですけどね。
結局、どんどんと時間が無くなり、バス出発の5分前になってしまい、パンを購入することにしましたが、こちらのお店の店員さんちょっと愛想が悪く、やはりMOOの印象はあまり良くないってことになってしまったんですね。
さて、空港バスは、これまた阿寒バスなんですけど、こちらの運転手さんは、なかなか愛想が良く、心地よく乗せていただきました。この空港バスは釧路空港の発着時刻に合わせた形で運航されるのですが、私が搭乗する大阪便の5分前に千歳便が出発関係で、バスもこの時間だけ5分間隔だったりします。となると、普通、空港バスに乗車するのに5分ぐらい前にはバス停に着いていることが多いですから、予想通りお客さんは少ない状態です。というか、私以外に誰もいません。昔は路線バスを兼ねていたと思うのですが、今回はあくまで空港バスということで、終点以外は下車することは出来ず、空港までは乗車取り扱いのみになっています。故に、バス停にはところどころで停車するものの、案内放送は無く、静かにバスに乗車するといった感じです。5分の差だったら、どちらかに統合すればいいのに・・・と思うのが自然だとは思うのですが、空港ターミナル側と何かあるのかもしれませんね。
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ということで、釧路空港に到着。18時30分のフライトで関西国際空港に向かう事になったのですが、バスとは裏腹に搭乗率は、なかなかのもの。これで朝の便があると利用しやすいのになぁと思うのですが、そこまでの需要は無いのかもしれません(と思っていたら、全日空が夏期特別増便で、伊丹−釧路便を午前便で運行することになりました)。
結局、釧路で桜は見られなかったなぁと思ったわけですが、釧路までの行程を楽しめましたし、やなせさんの作品展も見られて、なかなか充実した旅だったと思います。次回、来る時は阿寒湖ならびに摩周湖に訪れてみたいと思うのですが、さてさて、それの実現はいったいいつになることやら・・・。
ところて、帰りの飛行機では、SARS患者が関西国際空港を利用したというニュースが出ており、妙に不安をあおる様な記事が並んでいました。こんな記事を読んだ後に、関西国際空港を利用する私って・・・思ったりするんですが、それはそれで、しょうがないですし、別にその場にいたわけでは無いので、大きな問題にはならないはず。そういう風に頭ではわかっているものの、関空に到着すると、二つ左にJAAの飛行機が・・・。なんとな〜くいい気持ちにはならないですよね。結局、こういう気持ちが風評被害につながるんだろうなぁなんて思っておりました。
その関西国際空港。国際線が大きく被害を受けている関係で、がら〜んとした印象。晩御飯の変りに何か食べるものと思ったのですが、これも関空価格です。帰りのバスに乗車する前に券売機で飲み物を購入したのですが、このジュースの自動販売機まで関空価格で10円づすつ値上げしているのには驚きでした。
赤字にあえいでいるとは聞きますが、缶ジュースの値段を上げる事で効果があるのかは疑問です。高いので、あきらめて購入しないってことにならないのかなぁと思ったりするんですけど、どうなんでしょう?
私は、関空利用する時は、事前に購入しておこうと思ったりするんですけどね。結構、こういうことにはケチなんですよね! |