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2002年夏の道南!大沼・登別編

 

 もともと、この旅行のきっかけは、「バースデイ割得」です。誕生日の方のみの得点、全国どこでも1万円を使って、どこかに行きたいとなると、どうも行先が割引率の高くなる北の方へ向きます。今回は、Y氏とともに、道南の旅に出かけることになりました。というか、旅の目的の大きな一つが、「どらえもん列車」でしたので、道南を回るのが、適当であると判断したわけです。

 当日は、ドラえもん列車に乗車するため、午前8時45分の青森行JASに搭乗しました。MD−87とそれほど大きく無い飛行機にそこそこの乗客を乗せて、飛行機は青森空港に向かいます。ほぼ定刻通りに青森空港に飛行機は到着、手荷物を受け取ってバス乗り場に行くと、10時30分発のバスがやってきていました。
到着時間がいま一つ覚えていなかったのですが、たしかバスを降りて次のドラえもん列車までの時間が確か3分程度しか無いことがわかっていたため、少しでも早くバスが到着しないかと願いながらバスから青森市街を眺めていました。青森市街地らしいところまでやってきたのが、10時48分頃。ドラえもん列車は、恐らく10時58分に発車だったと(勝手に)思っていたため、これだったら間に合う可能性もあると考えながら時計と車窓をにらみ合っていました。ところが、バスは市街地を大回りする様な形で、駅に到着。到着時刻は10時58分。こりゃ間に合わないということで、とりあえず駅で次の列車の予約をするため、駅舎に向かいました。すると、駅構内で、「海峡**号は、*番線より発車です。ご乗車のお客様は〜」といったアナウンスが耳に入りました。

 え!?というわけで、あわてて電光掲示板を見ると、11時8分発だった様で、私の時計で11時4分。まだ、間に合うということで、Y氏を促して、改札を通り抜け、6番線ホームに走りました。青函連絡船があった頃の名残もあって、かなり大きな駅がもどかしく、快速海峡が停車しているホームにたどりつくと、今度はよくが出るもので、出来ることならば、海底駅も見学したいと思い、海底駅見学用車両に乗車すると、車内で発券してもらえるかもしれないと思い、見学専用車両に急ぎました。確か、以前利用した時は、通り抜けが出来ない様になっていたため、その車両で無いといけないと思っていたのですが、これがまた長い列車でして、客車を10両もつないでいるという豪華仕様。1号車が一般指定席、2号車がカーペットカー、3号車がドラえもんカーで、4号車・5号車が海峡用見学指定車、6号車〜10号車が自由席といった豪華内容でした。2号車のカーペットカーは船でいう桟敷席の様になっており、これまた自由席になっていたのは驚きでして、こちらはかなりのお客さんが乗車されていた様子です。
 ドラえもんカーは、夏休み時期ということもあって、大人気といった感があり、以前の様な閑散とした雰囲気ではありませんでした。長年やっていると、効果もあったのかと思う次第でした。

 

 結局、6号車でいったん腰を落ち着け、車掌がくるのを待つことにします。もともと予約制の見学だったので、突然そういうことが出来るのか疑問だったので、だめもとで聞くことにしたわけです。だめなら函館で食事するというのもいいもんです(青森駅で間に合わなかった場合は、青森で食事するつもりでした)。
 車掌を探して、見学したい旨を伝えると、車内販売は予約に空きがあればOKとのこと。ただし、見学については函館の車掌が管理しているため、自分では発券が出来ないとのことでした。次の停車駅である蟹田で乗務員が交代するので、蟹田出発後に最後部まできていただければ発券できる可能性はあるという旨のことを教えていただきました。

 ということで、まだ本州なのですが、北海道の序章の様な風景を見ながら、次の蟹田到着を待つことにしました。とすると、突如として車内に「巨人」とも思えるのび太君が登場!この着ぐるみサービスはちょっと驚きました。慎重は2m以上はあるのでは無いかと思えるのび太君と恥ずかしいながらも記念撮影。その写真はさすがに公開するのはやめておきましょう(^^ゞ こんなところからも、ドラえもん列車としてのムードを盛り上げてくれているのだなと思っておりました。

 蟹田駅に到着。どういうわけか蟹の看板がおいてある蟹田駅ですが、ここからJR北海道の乗務員に交代されました。蟹田駅出発後、海底駅見学の旨を伝えると、竜飛海底と吉岡海底の2カ所の見学先がある旨を教えていただきました。竜飛海底の方は、青函トンネル記念館の見学がセットになっているため、値段が高いので、おすすめは吉岡海底の方とのことでしたので、今回は吉岡海底駅への見学としました。それに、竜飛海底の方は以前に見学したことがあるので、吉岡海底駅での見学は初めてでしたのてちょうど良い感じです。ちなみに、私が竜飛海底駅を見学した時はまだ青函トンネル記念館はありませんでしたので、こっちを見るというのも良かったかもしれません。

 とりあえず見学切符を購入ができ、後は海底駅への到着を待つだけとなります。到着時は4号車の扉しか開かないといった関係から、海底駅見学の場合は4号車もしくは5号車に事前に移動しておかけなければいけませんので、すぐに5号車へ移動することにしました。本来、海底駅見学用列車は指定席ですが、私は車内発券でしたので、指定席は確保できず、開いている席に座る様に指示されました。4号車は6割程度の乗客、5号車は3〜4割程度の乗客でしたので、楽々、座席は確保できました。
 この移動の際、ドラえもんとのび太君が掛け合いをしながら青函トンネルの説明をしてくれるアナウンスがありました。おぉぉ、ドラえもん列車だ!と思ったのですが、ふとした疑問が出てきました。いや、先程の巨人のび太君。彼は、いったいどこで下車するのでしょう?ず〜っと函館まで乗車なのかと考えると、なかなか大変なお仕事だと思ったしだいです。ただ、途中駅で下車した様子は無かったと思うので、やはり函館まで乗車だったのかもしれません。

 青函トンネルに入ると、風景は一変、車窓が暗闇に変化し、甲高い音が車内に響きます。最後の50系客車も後数カ月で廃止となりますから、これが最後の乗車かと思うと、少し感慨深いものがあります。車端部にある電光掲示がトンネル内の進行状況を示しており、客車列車とはいえ、なかなかすごい速度でトンネルを下っていることがわかります。トンネルを1/4ほどやってきたところで、竜飛海底駅に到着。ここで、竜飛海底駅を見学される方が下車されます。
 すぐに発車すると、列車はそのまま地下をもぐり続け、地底240mの位置までやってくると、今度は上昇に転じます。後から話を聞いたところ、斜度は12パーミル(1000分の12)で作成されているそうで、将来新幹線が通っても、問題にならない様に設計されているそうです。そういや、当初は標準機(新幹線規格)で線路を引き、再度狭軌(在来線規格)に改軌したという話を思い出しました。頭の上がちょうど津軽海峡かと思うと不思議な気分ですが、車窓も無い車内ではさすがに退屈であり、ドラえもんかーなどのフリースペースが無いことには、なかなか難しいだろうと思ったりしました。

 津軽海峡と北海道の分かれ目にある吉岡海底駅で下車すると、子供を含めて20名ばかりの乗客が下車されました。意外に海底駅って人気があるのだなぁと思っていたのですが、実はそうではなく、ほとんどのお客さんがドラえもん広場が目当てだった様です。その証拠に、説明を開始される最初に、ドラえもん広場直行コースの方と、青函トンネルの説明を受けてからのドラえもん広場へ向かうコースに分かれるのですが、2/3程度のお客さんが直行コースを選ばれました。さらに青函トンネル説明コースの方も半分程度途中で離脱されましたので、青函トンネルの説明をきちんと受けられた方というのは、私を含めて5名程度でした。
 以前に竜飛海底駅で説明を受けていたことから、大方は復習といった感じでしたが、いずれも興味深く説明を聞いておりました。ただ、竜飛海底よりも説明が軽い様で、展示に関しても竜飛海底の方が良かったかもしれないと思っておりました。そんなことからも、青函トンネル記念館が竜飛海底駅の方に出来たのかもしれません。確か、記憶では吉岡海底駅が世界で一番低いところにある駅で、竜飛海底駅が世界で二番目に低い駅だったはずですから、こちらの方が低いはずです。

 緊急非難用の防災拠点である吉岡海底駅(もちろん、竜飛海底駅もそうですが)ですが、ことが起きた際は1000人が収容できるスペースが設けられており、500人が座れる椅子や飲料水、トイレなどが設備されているそうです。列車火災が起きた場合についても、非難口から風を送る様にすることで、煙による被害を最小限にくい止める様にされているそうです。
 ただし、避難口については、1000段以上の階段で地上にでるそうで(確か建設時に掘られた斜坑と呼ばれるトンネルを利用しているそうです)、そこから先はバスにより輸送するそうです。ゆえに、あまり長い間非難スペースを利用することはなさそうですが、1000段の階段って・・・果たして一挙に登ることができるのかと不安に思ったりします。まぁ、災害時はそんなこと言ってられないんですけどね・・・。

 

 さて、迷路の様な青函トンネルの先進坑を進むと、どこでもドアなどが目に入ります。どことなくアニメチックの鳥居などを横目に進むと、妙に未来的なトンネルを進むと、いよいよドラえもん広場です。夏休みとはいえ、平日ですからお客さんが少ないかと思っていたら、全然そんなことなく、かなりたくさんのお客さんがいらっしゃいました。どんなものかと思って見ていると、狭いながらもなかなか凝った作りでして、「オォ、ドラえもんの世界が広がっている!」関心しました。ジャイアンとしずかちゃんの街角コンサートや、学校の風景、剛田雑貨店に、ドラえもんの寝床などなど・・・。個人的には剛田雑貨店がお気に入りです。また、疲れた時様にか、ドラえもんの映画を放映しているスペースがあるのですが、これ、どうやっても最後まで見れません・・・。映画でなく、普通のアニメを放映している方が親切かなぁと思ったのですが・・・。
 ドラえもんショップもあり、団扇からプラレールまでなかなかの充実ぶりでした。その店の横に缶ジュースの自動販売機があり、さらにその横で、机があるだけのせまいスペースでオレンジカードの販売がされていました。本職はこれなんでしょうけど、あまり売れていない様子でして・・・。まぁ、副業が儲かるとで本職も潤うと考えることにしましょう。

 

 ここが、海底であるということを忘れそうなのですが、少しだけ海底トンネルのお話を付け加えさせてもらいます。世界で一番長いトンネルである青函トンネルなんですが、世界で一番深いところを通ることからこの長さになったそうです。海底トンネルで大きいものというと、英仏を結ぶトンネル(名前を失念してしまいました。ユーロスターが走ってるドーバー海峡を渡るやつです)がありますが、海底部分だけの長さでは、青函トンネルの方が短くなっています。つまり、世界最長の海底トンネルというと語弊が出てきそうで、ズルをしている様に思えるのですが、じつはそういうわけではなく、地形が関係しているそうです。
 つまり、ドーバー海峡よりも津軽海峡の方が深いらしく、深く掘る必要があるため、取付部である陸地もかなり手前からトンネルにする必要があったそうです。青函トンネルが通っている津軽海峡の深さは140mだそうで、さらにそこから100m下を掘って最深部が240mだそうです。ちなみに、ドーバー海峡は40mで、トンネルの最深部が140mということになるそうです。どちらも100m下を掘っているのは、技術的裏付けがあるのか、それともドーバー海峡の工事技術の提供を日本が行ったからかは定かではありません。でも、長さで世界一である青函トンネルは、深さでも世界一だったんです。

 さて、長い様で短かった青函トンネルを出て、函館に向かいます。実は、朝から何も食べていないので、おなかが空いてしょうがない状態でして、車内販売も飲み物の自動販売機だけですし、長時間停車も無く、さらにはお菓子類なんかももっていないというかなり苦しい状態でした。さらに、睡魔も襲ってくるし・・・。人間の3大欲望である、睡眠欲と食欲が満たされていないということになります。性欲については、触れないでおきましょう(^^ゞ
 もう、我慢ならんということで、飲み物で気を紛らせようと自動販売機に向かいました。函館へ向かうこの列車は臨時列車らしく、青函トンネルの位置を表示する装置はありません。また、ドラえもんカーやカーペットカーといったものもなく、編成も5号車までとずいぶん短いと感じさせます。それでも、ドラえもん列車ということで、先頭の電機機関車にはドラえもんがペイントされていますし、車内もドラえもんシールが貼られています。ただし、車内放送はドラえもんではありませんでしたので、ずいぶん簡素化されたドラえもん列車という気もします。

 空腹を紛らわせるためには、ここは重たい飲み物・・・ということで、「ネクター」としました。たしかに、重たいはず。しかし、ネクターっていったい何年ぶりに飲むんだろうとちょっとこわごわ飲むことにしました。この甘さ、この繊維質具合。なんだかとても懐かしい感じでした。とはいえ、空腹を紛らわせるといったほどではなく、依然お腹が空いた状態。なんとか、早く函館駅に到着しないものかと願いながら、車窓を眺めていました。
 青森を出た時は、青空だったのですが、いつのまにやらどんよりとした雲が北側に広がり、これからの旅を少し不安に感じながら、早くつかないかと祈るばかりです。

 

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