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蛍・あじさい・三瓶山梅雨の島根中央編(2003/6/14〜15)

 

 しかし、本当に広い施設だと思い本館の2階へ向かいます。バードウォッチングコーナーなるものがあり、ちょっと一休みということで、椅子に座りながら、双眼鏡を覗いてみることにしました。実は、あまりバードウォッチングには興味がなかったんですが、小鳥が水辺にやってくるとなると、話は別なんですよね。こうやって、きちんと野鳥を見たことがなかったのですが、水辺で水浴びをする姿がなんとも、かわいいんですよね。思わずじーっと見てしまいました。結構、立て続けに小鳥が入れ代わりやってくるので、飽きることなく双眼鏡を覗いておりました。その時、ふとカメラのズームを使ったらどうなるか?ということを思いつき、カメラをセット。ところが、セットしてみると、小鳥は来ないもので、3分たっても5分たってもやってきません。時間もあまりありませんから、ここらで諦めて、本館2階の展示を見て回ることにしました。

 2階の展示は、子ども向けに作られており、床材にも凝ったとのことで、靴を脱いで見るスペースになっていました。まず、大音響と大きなスクリーンで三瓶山の成り立ちの説明があります。こちらは腰を下ろして見ることができるのですが、そこが、岩の様な形になっており、思い思いに岩に腰をかけるといった感じになっているのが、珍しかったです。

 クイズコーナーや森に関する展示などがあり、最後は人間の自然に対する心構えに関する警告で締めくくっていました。「増え続ける人口」「減り続ける森林」「広がる砂漠」といった3つの電光掲示が、1秒ごとにカウントアップされていると、今、こうやって生活していても構わないのかと考えてしまいます。人口に関しては、日本の場合少子化の問題がある為、なんとも言えませんが、森林や砂漠については、かなり大きな問題である様に思います。この電光掲示の下には、開館当初の値が書かれてあり、森林の場合、『42億0199万8958ha』だったものが、私が見た辞典で、『33億4584万1114ha』になっていました。その後も毎秒、減り続けており、この減り続けている速度というのが、どの様な算出なのかはわかりませんが、気になってしょうがありません。開館してから9億haの森林が無くなり、7000万haの砂漠が増えている。その間、動植物の生活できる場は、狭まっているわけで、さらに人口が増えつづけているとなると、やはり生態系に異常を来してあたり前と感じるのが、普通かと思います。いや、真剣に考えてしまいました。

 

 そして、1階は島根の自然に関する展示で、ジオラマと鳥類の剥製、そしてビジュアルドームがあり、三瓶自然館の展示は終了です。鳥類の剥製は、『伊達鳥類コレクション』と呼ばれる、国内湧水の鳥類標本のコレクションらしく、なんというか、その数は圧巻です。展示物の保護の為に、通常はライトが消されており、ボタンを押すと一斉に標本が見られる仕掛けなんですが、その数には、驚きというか、怖さすら感じてしまいます。島根に関する資料の中には、熊の生息に関する資料があり、熊の目撃情報などから、2万5000分の1の地図に生息情報が記されていました。これは、かなり興味深かったのですが、時間がなく、結果的にパラパラとめくったぐらいで終了。ビジュアルドームの映像は、省略して自然館を後にしました。
 結局滞在は3時間程度だったわけですが、たった3時間では全く見ることができません。年間パスポートなるものが、1400円で販売されており、このパスポートで埋没林公園の方にも入館できるとのことでしたので、真剣に考えてしまいます。個人的には、かなり面白く、興味深いことばかりの博物館だったと思いました。


 ところで、結局、本館の入口からでましたので、完全に順路に逆行した形になってしまいました。本館の前には大きな駐車場があり、どう考えてもこちらが表玄関。向かい側には、ロッジ風のレストハウスがあり、北の原キャンプ場の拠点となっている様でした。ところで、埋没林公園の方は、入館料300円ですが、サヒメルとの共通券が販売されており、これだと埋没林公園の観覧料が半額になる様です。しっかりと見ようと思ったら、やはり丸一日を三瓶山で過ごす覚悟でないと駄目な様な気がします。私は、今度はビジュアルドームと埋没林公園、そしてバードウォッチングを目的としてまた訪れようと思います。

 

 本館からでたものの今度は、駐車場への帰り道がわからなかったりします。案内板をみつつ、山を登ると、先程のフィールドセンターが目に入りました。とりあえず、これで良かったんだと胸をなで下ろしつつ、芝生の先にある姫逃池の方に向かいました。姫逃池は、湧水による溜池だそうで、水深は1m程度と看板に書かれてありました。先程、バードウォッチングの場所で触れられていたのですが、三瓶山は水が地下に浸透する性質らしく、あまり水がたまらないそうです。そういう意味では、この姫逃池はかなり珍しい場所ということになります。個人的には水のある風景というのは、かなり心が落ち着くので、それほど大きくない池の周りを歩きます。周りは、中年の御夫婦が池の向こう側を散歩しているのが見える以外に誰もいない状態です。
 普通に来た道を戻るのは面白くないので、姫逃池に近いところからある道を歩いて、駐車場の方に向かうことにしました。あまり人が通らないのか、道には、雑草が結構生えています。しかし、道ではないとわからなくなるほどではありませんから、森林浴気分で歩くことができます。大きな芝生の広場にでると、自然館へ向かう時にいたご家族が、まだ遊んでおられました。野外で元気に遊んでいるなぁと感心する次第です。

 

 なかなか、面白かったと三瓶山を後にして、一路出雲空港を目指すことにしたのが、午後5時すぎ。三瓶山をおり、頓原町の国道184号線と交わるところにでると、突然目の前に見事なポピー畑が目に飛び込みました。一瞬なんだ!?と思ったのですが、あまりに見事な群生に立ち寄らずにはいられない感じになりまして、大きな広場があったので、車を駐車。そこには、『東三瓶フラワーバレー』と書かれた看板がありました。どうやら、地域活性の為に育てているようです。ポピーが5月中旬〜6月中旬、コスモスが9月中旬〜10月中旬とありましたので、ポピーが終わると、今度はコスモスを植える様です。ポピーとコスモスというと、万博記念公園の自然文化園がなじみが深いのですが、確かポピーは4月の中旬に見た記憶があるのですが・・・。ちょっと、時期が遅いのかな?それとも、大阪が早いのかな?
 河原に近いところでは、簡易ベンチと傘が置いてあり、お弁当ぐらいならポピーを見ながら食べられそうな雰囲気です。駐車場と道路の間や、道路付け替えに伴う遊休地などにもかなり植えられています。河原の方へ向かうと、同じようにポピー畑の写真をとっている方がいらっしゃって、その方と少し話をさせてもらったら、今年のポピーはいま一つであると酷評されていました。なんでも、お祭りも行われていたそうですが、その時よりも今の方がいい方らしく、それでも去年よりは見劣りするとのこと。私には、なかなか素晴らしい様に映っていたのですが、毎年見られている方にとっては、残念だったんでしょうね。

 その方にとっては、いま一つだったのかもしれませんが、旅人である私にとっては、偶然見られた素晴らしいものと思えてしょうがありません。なんだか、最後にいいものを見せてもらえた上に、結局、雨も最初の午前中だけで住んで、なんとも充実した旅行だったと思いながら、出雲空港へ向けて車を運転しました。
 ところで、余談なんですが・・・、カーナビが示してくれる順路って時としておかしい時がありますよね。国道184号線を走っていたので、てっきりそのまま出雲まで案内してくれると思っていたら、どこでどうなったのか、突然、佐田町で湖陵町へ向かう県道39号を示します。一体何故?と思いながら、そのまま走ったのですが、途中で妙に不安になってくるんですよね。この道でいいのかな?って・・・。まぁ、たまたま、以前に走ったことがある道なので、ところどころで風景を覚えていたので、良かったんですが、これで本当に出雲空港に行けるの?って不安になってしまいますね。おそらく、少しだけ距離が短いんでしょうけど・・・運転のしやすさなどから言っても、国道184号の方が良かった様に思うんですが・・・。確か、その前は県道162号を案内されて、泣きそうだったこともあるし・・・うーむ(^^ゞ

 

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