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蛍・あじさい・三瓶山梅雨の島根中央編(2003/6/14〜15)

 

 大和荘をでて、車を少し走らせると、江の川の水量が急に増えた感じがして、見事な景観が広がります。この先、浜原貯水池になるとのことなので、その関係でこのあたりも水量が多いのだと思います。江の川ほど、水量が多い姿が似合う川は無いだろうとまで、思ってしまいます。ちょうど、車を駐車できるスペースがあったので、車から降りて何枚か撮影していると、ふと民家の垣根に柵あじさいの群生に目を奪われました。見事にアジサイが咲いています。やはりアジサイは、晴れている時よりも、少しどんよりとした方が絵になるなぁなんて思いながら、しきりにシャッターを押しました。


 そこからは、三瓶山に上り、『県立三瓶自然博物館』を目指します。三瓶山がいかなるものなのかは、良く分からないままやってきたというのが、正しいところで、事前に掲示板で、かっこさんから教えていただいた、情報が全てといった感じです。牛がいる様だというところから、関西の六甲山を思い出したり、山で温泉があるのだからとアルプスの方を思い出したりしておりました。確か、以前に通った時は、ただの山の中といったぐらいで、後は新聞で見る『木の化石』ぐらいしか想像できません。

 

 三瓶温泉を過ぎて、西の原へ向かうわけですが、想像通りの木々の多さを目の当たりにしていたかと思うと、突然、目の前の視界が開け、そこは北海道かと思うばかりの大草原が広がりました。一瞬、目を疑いました。いったいなんだこりゃ?というのが、第一印象で、それまでの道の雰囲気とは大きく違い過ぎており、理解するまで時間がかかりました。結局のところ、六甲山というよりも、阿蘇山といった感じなんですよね。見事な裾野に広がる草原と『雄三瓶、女三瓶、子三瓶、孫三瓶』の頂上。そして、草原のところどころで目立つ松の木。松の木があるところが、北海道とは違うところなんでしょう。あまりに驚いたので、すぐに車を停めると、ちょうど、『片腕の松』というバス停だった様です。他には何も無く、ここにバス停があるぐらいですから、この片腕の松というのは、有名な木なのでしょう。その大きな松の枝振りはやはり見事で、私のカメラでは、標準で写すことは困難ということになり、重たい思いをして持ってきた、ワイドコンバージョンレンズが役に立つことになりました。しても、かなり大きな枝振りです。

 

 三瓶山周遊バスは35分間隔で運行され、三瓶山の観光誘致に取り組んでいる様ですが、残念ながら曇模様の梅雨の時期は客の入りはそれほど多くは無いようです。というか、山一つが丸々観光地ですから、いったいどれだけのお客さんが入るのかは全くわかりません。とりあえず、車も人影もまばらといったところでしょうか?西之原のロッジを通りすぎて、右折すると、またもや林の中に入ります。変化に富んだ景色というのは、なんとも面白いものです。ふと、右手をみると、先程の牧草地に牛が放牧されているのが見えました。ちょうど、車が一台分停車できるスペースがあったのですが、先約がいたので、少し先の駐車スペースに車を停めて、歩いて向かいました。
 牧草地からこちらへは微弱電圧のかかった柵がしてあることが明記されてありました。どうも、牛が脱走するのを防ぐ為の措置らしいです。そういえば、道路のところどころで、『牛が歩いている場合があります。ご注意ください。』とかかれた看板を目にしましたので、こんな風に対策をとっても、まだ脱走する牛さんがいるということですね。放牧なので、牛舎や動物園(動物園に、牛っていましたっけ?)で見る時と比べて、かなり遠くであることは間違いありません。しかし、こうやって牛が牧草地を思い思いに歩き回り、草を食む姿はそうそう見られるものではないので、ちょっと物珍しく見学させていただきました。でも、考えれば、北海道や東北地方でも牛は良く見ているはずなんですけど、こうやってゆっくりと見ることってほとんどなかったことに自分でも驚きです。

 

 車をそのまま走らせていると、森が途切れ、急に広い芝生の広場が目につきました。駐車場もあるので、ちょっと立ち寄ることにしたのですが、球場ぐらいある広場に2家族程度しか人がいないことにまず驚きです。なんと、贅沢な遊び場だと思います。こんなところを、ぶらぶらとするのもいいだろう、カメラを持ちながら、芝生を歩くことにしました。と、『三瓶自然館 サヒメル』の看板が芝生に立っているのが目に付きました。矢印が書いてあるのですが、建物は見当たらず、これはいったい・・・と思ったりします。
 芝生の外縁を歩くと、今度は自然歩道の様なところになり、そこにもサヒメルの看板が、ありました。どうやら、この森の奥にある様で、いったいどれぐらいかかるかわからないけれども、一般観光客を相手にしているわけですから、まず問題は、ないだろうと考え、自然歩道を歩くことにしました。

 10分程度自然歩道を歩きます。ところどころに、三瓶の自然に関しての記述看板があります。つい、1カ月ほど前の、川湯温泉のお花畑の遊歩道を思い出します。で、今度は別の広場にでて、サヒメルの建物とフィールドセンターが目につきました。フィールドセンターの2階には、おそば屋さんの『はないかだ』さんがあったので、こちらで昼食ということにしました。メニューは、かなり限られており、この日は、ざる蕎麦ととろろ蕎麦、おにぎりの3種類だけ。ただ、蕎麦はこちらのお店で打っているらしく、シースルーの蕎麦打ちのスペースが設けられていました。時間をはずしていたこともあり、お客さんは少なかったのですが、先客は2組のみ。確かにこの状態だったら、妙にメニューを増やすよりも、限定して本当にお勧めできるものをのみにするのがベストの様な気がします。
 ということで、今回は「ざる蕎麦」と「おにぎり」を注文。おにぎりは、黒米を使用ということを売りにされていました。出雲そばなのに、割子そばじゃないの?と思ったのですが、良く考えると、『三瓶そば』という別のそばになるらしく、割子で無くても構わないってことでしょう。いや、別に出雲そばだから、割子である必要も無いんですが、出雲でそばを食べるとなると、どうしても、割子そばというイメージになるんですよね。味は、申し分無く、大変おいしく感じました。そば湯も用意されていたので、満足していただきました。ちなみに、黒米の入ったおにぎりですが、こちらもちょっとこだわっている様で、見た目は赤飯風のごはんに黒米が混ざっているといった感じでした。赤飯の小豆の部分が、黒米に変わった様な感じです。

 

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