受付でこの様な話しをされるものだから、中に入るとガラガラ・・・というか、私だけしかいないという状態で、まずはスクリーンで映像を見てもらうと言われ、受付の学芸員の方が誘導してくれました。中央の大きな空間に、50人ばかりは座れるであろう椅子とスクリーンがあり、まずはその上映。学芸員の方が、寒いですからといって、石油ストーブを持ってきてくださいました。確かに底冷えする寒さですから、この石油ストーブは助かりました。
映像は、吉田村と鉄の関わり、鉄に関わる世界の都市といった趣旨で、鉄は現代には無くてはならないものといった内容でとりまとめられていました。イギリスの世界最初の鉄橋、アイアンブリッジの映像があったのですが、これはさすがに驚きでした。産業革命の記念碑たるものだろうと思いました。
15分程度の映像が終わると、たたらの釜の原寸大模型を見ながら、学芸員の方が、説明してくださいました。なんともすごいサービスだと驚いていたのですが、たたらの釜の説明に関しては、横田町の「たたらと刀剣ミュージアム」の方が詳しかった様に思いました。
その後、順路の説明を受けて、ゆっくりと見学させていただきました。こちらの施設はたたらでは無く、西洋製鉄に関しての内容が主で、故に吉田村に来られたならば、この施設では無く、他の施設を先にご覧くださいと案内されていた様です。資料内容は、近代製鉄以前のものから始まり、初期の西洋製鉄の釜の原寸大模型、日本初の西洋製鉄の原寸大模型、そして最新の製鉄法、未来の製鉄法について説明されていました。
興味深かったのは、それぞれの釜の模型で、原材料を入れる箇所に西洋と日本の大きな差があるなぁなんて思いました。西洋方の場合、効率良く原材料を投入できる様になっている様ですが、足を滑らして、人間も釜に落ちる可能性がある様に思え、日本のものは、入り口が狭く効率が悪い様ですが、滑って落ちる様な雰囲気はありませんでした。この当たりは、産業革命あたりの考え方の違いなのかなぁなんて思ってみておりました。写真は、その釜の投入風景の写真です。
見学ルートの後半に、たたら製鉄法による刀剣製作に関するビデオがありました。このビデオは、鹿島市がワールドカップの記念事業として、2002年に作成した大刀剣の製作過程を納めたもので、市民が砂鉄を集め(1100Kgだそうです)、住友金属がたたら製鉄の協力をし、最終的に大刀剣にして、公開するまでを20分程度にまとめて説明されています。
一種のメモリアルビデオ的な感じなのですが、見ていると、どんどんと引き込まれていき、最後まで見てしまいました。
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