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島根県右往左往 その2(2002年7月6日〜7日)

 

 さて、公園を後にして、南口から出ると、高津川の支流、白上川沿いに出ます。そこから土手沿いを歩いていると、自転車に乗った女子高生に挨拶をされました。あまりに唐突だったので、驚いてしまってとっさに受け答えができなかったのですが、なんだか気分が良く、やはり「挨拶」の重要性を考えてしまいました。最近は、他人を信用するなといった風潮が強くなってきていますが、こういうところからモラルの向上、強いては昔の日本並に犯罪率が低下していくのかもしれないと思ったりしました。

 橋をわたり、高津川との合流地点へ向かいました。そのちょっと上流に高津川にかかる橋があったのですが、これが往路の高角橋から見えたちょっと気になる橋だとすぐにわかりました。近づくと、段々と橋のぜんぼうがわかってきたのですが、吊り橋だったんですね。コンクリート支柱に鉄板敷きなので、十津川村の橋と比べると、安心感が違いますが、紛れもない吊り橋でした。吊り橋の下の橋脚部分では中学生ぐらいの3〜4人のグループが川遊びをしていました。水量も多く、綺麗ですから、風の強い海よりは安全なのかな?
 その吊り橋を渡ると、下がのぞけます。車が一台通れる程度の橋で、橋の入り口には、「前方の車が渡り切った後に進入してください」と立て札がありました。横に歩道が併設されているわけでもなく、その車道を歩いていくのですが、安心感があるとは言え、高さが谷瀬の吊り橋より低いとは言え、途中まで行くと、急に怖くなってしまい、早く渡り切りたいという衝動に駆られました。本当に怖がりなんですよね。そんな時に限って、車がやって来るので、端によけて、車を通さねばなりません。鉄板といっても、ほとんど金網なので、下が見えるんですよね。ものすごく嫌でした。ほんの1〜2分の話なんですけど、5分ぐらいかかってあるいてきた気分でして、目茶苦茶疲れました。肩に力が入っていたのは、いうまでもありません(^_^;


 駅に戻ると、発車まで約30分ほど時間があります。お昼ご飯に駅弁でも購入しようかと売店に行くと、「お弁当」コーナーはあるのですが、駅弁はありません。どうやら益田駅では駅弁の販売が行われ以内様で、普通のお弁当が販売されているだけの様です。といっても、さして目ぼしいものがあるわけでは無かったので、購入を見送ることにしました。乗車する予定の特急おき4号は小倉発なので、車内販売でお弁当があるだろうと踏んだわけです。
 ホームの売店では、駅そばがあったのですが、乗車する列車が自由席なので、それをあきらめて、並ぶことにしました。とっきても気になったのは、このそば屋さんにソフトクリームの看板があったことなんですが・・・。駅ホームでソフトクリーム売っているのって初めて見たんじゃないかと思いました。

 定刻通り、山口線から特急おき4号が到着。新型気動車の特急で、2両編成、1両自由席の1両指定席といった形で、座席は全席禁煙。自由席車両のデッキに喫煙スペースが設けてあるという形になっていました。益田出発時は、8割程度の乗客だったのですが、浜田を出発した時点で、立ち客が出る状態、江津出発後は、満員といった形になっていました。どうやら「山陰鉄道一日乗り放題切符」を利用している方が多いようで、乗客数の増加に寄与している様でした。
 この新型気動車は、さすがに特急車両で、快速のそれに比べると、ずいぶん車内設備が立派になっています。ただ、コスト削減を狙ってか、細かいところで簡素化されている苦労の後が見えたりします。このあたりは、快速列車もしかりなのですが、ローカル線での改善というのは、なみならぬ努力が必要なのだろうと思います。そうやって考えると、JR九州の豪華な列車群というのは、いったいどうなっているのか・・・と思ったりするのですが、JR九州の特急列車は4両以上の編成が主体で、こちらの山陰線は2両編成が基本になっているので、乗客キャパそのものが違うことによる影響と考えるのが妥当なのかもしれません。
 それでも、乗車していると、以前の特急おきなどとは比べ物にならないぐらいの速さを実感します。結局、益田〜出雲まで乗車したのですが、1時間半強で到着するという駿足ぶりでした。益田ってこんなに近かったかな?と驚きでした。


 出雲市駅で、下車し一畑電鉄に乗り換え松江に向かうことにしました。一畑電鉄はかれこれ7〜8年、もしかすると10年ほど前に一度乗車したきりで、それ以来乗車する機会が無かったので、久しぶりに乗車してみたく思っていました。松江のトヨタレンタカーの予約時間と電車の到着時間を考えると、2時間ばかりの時間に余裕が出来ていましたので、ちょうどいい機会と乗車することにしました。
 一畑電鉄の駅は、JRの高架工事に合わせて高架化された駅舎になっていました。以前は、小さな一畑百貨店「に」併設された様な小さなローカル駅立ったのですが、今は、改札こそ小さいですが、都会的で綺麗な高架駅になっています。一畑百貨店は、綺麗なビルに建て替えられ、一畑ツインリーブスホテル出雲というホテルになっていました。
 改札は、列車発車の5分前に行われホームにあがると、どこかで見たような2両編成の列車が停車していました。ちなみにホームまでは階段のみでしたので、高齢の方にとっては高架化されて辛くなったのでは無いかと推察しました。列車には、「南海車両工業」の銘板がありましたから、南海電車で以前活躍していたものの様です。確かに昔、南海高野線でこの様な形の電車に乗車したことがある様に思いました。ワンマン運転になっている為、運賃収受機が運転室の後ろに備えつけられているのですが、扉の位置と運転室の間に2m程度の間隔がある為、定期客などは、扉の位置からチラっと定期を見せる程度で、どうもいま一つきちんと運賃収受が出来ているのか考えさせられました。モラルの問題ですから、きちんとしてもらっているという前提の元に成り立つ配置だなぁと思いました。


 電車が発車して2駅、大津町駅に停車すると、駅員がやってきて運転手と何やら話をしている様です。前方の信号を見ると赤を現示しており、あららと思っていたら、駅員がタブレットを持ってきました。あれ?一畑電鉄ってタブレット閉塞だったのかなぁと思っていたのですが、電車が発車する様子がありません。すると、駅員が線路脇を走って100m程先から、本来の信号機は赤を現示していましたが、駅員は緑色の手旗信号をこちらに向かって振りはじめました。それを受けて、電車の運転手が列車を走らせるのですが、運転台は危険信号の音なのか、ベルの音が鳴り響いた状態で運転していました。一瞬、京福越前や信楽高原鐵道の事故を思い出したのですが、今回は、タブレットを持っているわけですから、信号無視とかそういうわけではありません(でも、信楽の事故の場合は、JR西日本の列車は青信号で進行していての事故でしたが・・・)。
 結局、1駅行った武士駅まで、警告ベルが鳴り響いた状態で運転。武士駅に到着すると、警告ベルも無くなり、前方の信号は青を現示していました。どうやら、この一駅だけ信号機が故障している様子で、ここから先は問題が無い様子。ただし、武士駅は無人駅の為か、タブレットをそのまま列車に乗せたまま、次の川跡駅へ発車しました。

 川跡駅は、大社線との分岐駅の為、2面4線を有する一畑電鉄ではかなり大きな構内を持つ駅です。その到着前あたりから作業員の方が目に付き、駅ホームには駅員が何人もいましたから、やはり何らかの故障があったものと思われます。ホームに電車到着後、運転士が駅員までタブレットを私に行くのが目に入りました。
 大社線の列車は踏み切りを渡った向かい側ホームに停車しており、私が乗っている列車は一番南側のホームに停車していました。その間のホームに北松江線の出雲市行きの列車が到着した為、北松江線から大社線への乗り継ぎは、必ず踏み切りを渡らなければなりません。これを、出雲市行と大社線の列車が同一ホームで乗り換えられる様にとか、松江行と大社線が同一ホームに到着できる様に工夫していると、利用客の移動も最小限にすみ利便性も向上するだろうと思ったのですが、配線などの問題があるのかもしれません。

 細々と駅に停車していきますが、ほとんどの駅で乗降があまり無く、扉も一応、開くけれども、数秒ですぐに閉まるといった状態になります。まとまった乗降があったのは、平田市駅でした。ここから、次の布崎駅までは駅間がある様で、いままでに無いぐらいのスピードを出します。路盤があまり良くないためか、縦揺れ横揺れが激しく、なかなかスリル満点。前方を見ると、線路の路盤に夏草が生えてきているのが確認できますから、かなり長い間路盤改修はされていないのだろうと思います。それでも、そのスピード、その揺れに驚いているのは、私ぐらいのもので、他の乗客はいたって普通。私は、脱線しないだろうかと祈る気持ちだったのですが、一畑電鉄ではこれぐらいの揺れが普通なのでしょう。
 布崎の次は湖遊館新駅。どうやら、宍道湖湖遊館ゴビウスの最寄り駅として新たに造ったらしく、妙に駅間が詰まっています。次の園を過ぎると、一畑口です。この駅は、会社名にもなっているからか、有人のお洒落な雰囲気の駅です。ワンマンカーのアナウンスが「この駅で、スイッチバックします」と告げます。線路はこの先もある様なのですが、廃線になっている様な雰囲気(というか、廃線らしいですが)で、運転士は駅に停車するなり、走って後ろの車両へ移動していきました。

 今度は私が乗っていた先頭車両が後方車両になるわけですが、ふとこの時に思いました。「一番前に乗っていて、一番後ろに到着するというのは、乗車距離が一番短くて損をしているのでは無いか?」ということなんですが・・・。実際は、一畑口でのスイッチバック分があるので、乗車距離は変わらないのですが、最初の駅と最後の駅でそれぞれ先頭まで歩いていかねばならないのは、非効率と思ったりします(^_^;

 車窓は、宍道湖が見えるのですが、「あれ?宍道湖ってこんなに汚かった?」と思いました。なんだか、水が茶色いんですよね。夕日が綺麗と言われる宍道湖なんですが、どういうわけか水自体はそれほど綺麗では無かった様です。でも、北側から見る宍道湖とというのも、ちょっと新鮮でいいもんです。
 津乃森駅で対抗列車の遅れで5分停車。車内を見渡すと、2両編成では少し手持ち無沙汰な乗客数ですが、乗客は確実にいると思いました。これをバスに転換するには、乗客が多すぎるといった感じだと思います。
 高の宮、松江フォーゲルパーク駅と停車。松江フォーゲルパークは野鳥園の様な施設で、今年の最初にオウム病が発生したことで、新聞を賑わせました。そのフォーゲルパークの最寄り駅なんですが、他の一畑電鉄の駅とは違い、観光駅として整備され、一畑電鉄や松江市がフォーゲルパークへの力の入れようが伺えます。

 秋鹿町、長江、朝日ヶ丘と停車し、「ルイス・C・ティファニー庭園美術館前」という、なんとも長い駅名の駅に到着。こちらも新駅かなと思ったのですが、駅を見ていると、フォーゲルパークの様に力を入れているわけでは無い様に思えます。朝日ヶ丘からの駅の距離も短いわけではなく、松江しんじ湖温泉駅にへは、かなりの距離があるので、もともとあった駅名をルイス・C・ティファニー庭園美術館が出来た時に改名したのでは無いかなと推察しました。本当のところは、調べていないので、わかりませんが・・・。

 北側を見てみると、田園風景が広がり、空の青さと雲の白、田畑の緑が映え、なんとも心地よい景観を見せてくれます。田園が無くなり、ホテルが増えると、松江温泉で、終点松江しんじ湖温泉駅に到着となりました。1時間ほどのローカル線の旅を堪能して降り立った駅は、最近新築されたのか、近代的な駅でした。駅にはかなり沢山のお客さんがおり、ターミナルらしい雰囲気でした。JRの松江駅から2Kmほどの距離がありますので、中心から離れたところに・・・と思っていたのですが、本当の市街地はどうもこちらだった様で、市役所や県庁、警察署などの官公庁から近く、かつ温泉街の入り口に駅があるのですから、乗客の需要は充分に望める様に思います。温泉と大社という二大観光地を結ぶと考えると、地の利というのはあるなあと思いました。
 しかし、定期客への需要喚起の為か、一畑電鉄ではパークアンドライドを大々的に宣伝しており、沿線の駅前駐車場を無料で利用できる様にする措置などがある様です。


 レンタカーの契約時間まで1時間半ほどの時間がありましたので、市役所前から堀川沿いを歩いて、松江の景観を楽しんでいました。堀川巡りの舟が夕日に照らされて、なんとも風流です。落ち着いた気持ちになり、1時間程度有意義に過ごして、トヨタレンタカーへ向かいました。トヨタレンタカーはJR松江駅からさらに5分程度南に下ったところにあり、私のいる一畑電鉄の駅からは、結構遠くにだったりします。バスに乗車しようかと思ったのですが、見事に乗り遅れ、結局、歩いて向かうことになり、遅れることは必死です。
 そんな中でも、宍道湖大橋を渡っていると、宍道湖の夕日がとても綺麗で、カメラを構えてしまいます。電話をしようにも、電話番号を書いた紙を駅のロッカーの中に入れていたと『思い込んでいた』ので、電話することが出来なかったんです(実は、カメラバッグに入っていたので、持ち歩いていたのですが、気づかなかったんです)。結局、そんなこんなで、20分ほど遅れてトヨタレンタカーに到着となってしまいました。

 松江南営業所で受け付けを済ませて、トヨタレンタカーを出発したのが、19時ちょうど。とりあえず、目的地は、仮眠場所の予定のおろちループにしました。それより前に、夕食と温泉に入りたいと思っていたので、日帰り温泉施設をあたろうと思い、432号線を下って、道の駅「広瀬富田城」に進路をとることにしました。今回は、カーナビが着いていない状態でしたので、駅などでもらったパンフレットと記憶、道路標識を頼りに向かいます。非常用にパソコンの中に電子地図を入れていますが、電池の関係で、あまり長くは持たなさそうな雰囲気です。
 そういえば、デジカメの電池も無くなってしまい(充電をしわすれていた)心もとないので、電気屋に行って電池を購入しようと考えました。で、電気屋にいくと、車から100V電源をとることができる機械があることに気づきました。お値段も1万円前後であるならば、これを購入すると、パソコンの充電も出来て、一石二鳥かもと思い、それを探すことにしました。
 パソコンの中にインストールしてあるプロアトラスで電気屋を探し、数件回ってみると、ベスト電器松江本店で、発見しました。種類が各種あって、安いものでは2000円ぐらいからあります。安いものだと出力電力が心もとない為、パソコンの充電で必要な45W以上のものにすることにしました。結局、東京NEEDSが出している売価8000円の物が、135W以下まで対応で2口プラグなので、パソコンの充電とデジカメの充電池の充電も同時にできる為、少し高いけれどもこれにしました。

 

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