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島根県右往左往 その1(2002年7月6日〜7日)

 

 約1カ月の間隔で、島根県にまたまた降り立ったひゃくはちじゅうです。
 旅行先となると、どうも島根県になりがちなんですけど、距離的にも値段的にもちょうどいいんですよね。勿論、その風土も好きですから、足を運ぶのですが・・・。今回は、金銭的に少し苦しいので、往路が高速バス、復路が飛行機となりました。復路を飛行機とした理由は、「マイル」ってことになります。ちなみに出雲行きに限って言えば、高速バスの値段は格安で、飛行機の約半分の値段になります。過去に一度往復利用したことがあるのですが、夜行バスの往復はさすがにしんどかったこともあり、しばらく敬遠しておりました。それに、高速バスの乗車券の購入が、旅行社に行かなければならず、それも場所によっては、手数料取られたりでややこしくて、なかなか利用する気に鳴らなかったのです。
 今回は、インターネットで予約して、コンビニでチケット発行というパターンで予約を完了しました。どういうわけか、コンビニでは金銭収受は行ってくれるのですが、バスの予約は出来ないシステムだったのは、ちょっと奇異に感じました。このコンビニの金銭収受に関しては、2002年6月末頃の日記でちらっと触れておりますので、ぞちらを参照してください。

 さて、今回は旅の目的を、おろちループにしようと当初考えておりました。というのも、トロッコ列車(観光用の車両といった方がいいのですが)の出雲おろち号に乗車して、木次線で備後落合まで往復してみたいと思っていたのです。島根県と広島県の県境の3段式スイッチバックが有名で、以前、普通列車に乗車した時の風光明媚さには驚いた記憶が残っていたのです。あれから、5年ほどたっていますから、久しぶりに乗車してみたいと思い、出来れば観光用臨時列車で行ってみたいと思ったわけです。
 ところが、6月後半にNIFTYのFTRAINが発行しているメールマガジンを読むと、「山陰線開通100周年記念乗車券発売」の文字が目に入りました。これで、いきなり、心がゆらぎ、色々と検討した結果、おろち号は次回へまわして、山陰本線を西へ行き、益田の方まで向かうことにしました。

 金曜日の22時50分発の夜行バスくにびき号で、松江へ向かいます。阪急バス・一畑バス・中国JRバスの3社共同運行で、発車は大阪梅田三番街バスターミナルです。22時35分に梅田駅に到着し、まず、アップロードし忘れていた、日記を公衆電話からアップし、バスターミナルへ向かいます。定刻の発車で、かなり盛況らしく、ほぼ満席というか、本来乗務員扱いの座席まで販売(一番前の中央の座席は乗務員扱いらしいです)されてしまっていたらしく、発券側と少しもめていました。
 三番街バスターミナルを出発した後は、新大阪駅ターミナル(阪急バス用のバス乗場です)を経由し、そこから、千里(桃山台)、宝塚、西宮名塩、西宮北ICを停車してから、松江へ向かいます。しかし、新大阪の時点で満席の為、千里以後は乗車はありませんし、下車扱いは松江からとなっています。その旨の案内が新大阪出発時にあり、宝塚で消灯するとのこと。23時30分頃に消灯となりました。
 ちなみに、今回の私の座席は一番前の列の運転手寄り。ここ、足元が大変狭いんですよね。どうもバスの乗車券を購入するのが遅いのかして、通路のすぐ後ろだったりで、いつも足元の狭い座席があたってしまいます。まぁ、こればっかりは運ですからね。いつかは足元の広い座席が当たることを願っているのですのです。

 大山PAで運転手の仮眠休憩が取られます。その為、運転手は一人のみの乗車となっています。乗車客を拾えるわけは無いのですが、律儀にきちんとバス停に立ち寄って出発します。バス停ではいったん停車して出発しているのは、時間合わせなのか?と思ったりしたのですが、実際のところはどうかわかりません。渋滞も無く、翌朝目が覚めたのは、大山SA出発時の乗務員用の目覚まし音のお蔭です。
 少し寝不足気味と思いながら、松江に到着したのは、定刻より30分以上早い6時15分。もしかして、これだったら、予定より一本速いスーパーおき1号に間に合うかも?と思って、駅に急ぎます。乗車券は、米子支社管内のみどりの窓口でしか販売されていない、山陰本線電化20周年、高速化1周年記念の山陰鉄道一日乗り放題切符ですから、みどりの窓口に立ち寄ります。改札口の発着案内をみると、スーパーおき1号は6時20分となっており、駅の時計は6時18分をさしています。すぐに乗車券を購入すると間に合うかもしれないギリギリのところだったのですが、残念なことにみどりの窓口に行列が出来ており、私が窓口できっぷの購入を告げた時には、列車が発車していく音が聞こえました。

 中途半端に早く着いたなぁと思ったのですが、以前も夜行高速バスで出雲にやってきた時は、出雲市着が30分ほど早かった様に思います。一本早い列車に乗れたら、早く着いて良かったと言えるのですが、乗り遅れてしまうと、貴重な睡眠時間が妨げられたと思ったりします。
 しょうがないので、次の快速を待つのですが、1時間待ちというのはちょっと中途半端で、特に松江の場合、駅周辺で早朝に1時間というのは私には、難しいんですよね。2時間とかであれば、松江城の方のお掘を歩いたりして時間はつぶせるのですが、1時間というのは、もしかしたら、間に合わなくなってしまう危険性を秘めているのでなかなか、移動する気になりません。
 じゃどうするかと、時刻表を見たところ、快速列車は米子発。その列車が米子を発車するのが、7時すぎですから、その列車に乗るために米子側に移動するという方法を検討します。6時55分発の新見行きの列車が、米子側に3駅移動した荒島駅で快速列車と交換することがわかり、ホーム移動などを考えて、米子側に2駅移動した揖屋駅に向かうことにしました。車窓を眺めていると、もったいないと思う30分が有意義に思えてくるのは、やはり車窓好きなんだなぁと思ったりします。
 揖屋駅に降り立ち10分ほどで、快速列車に乗り込みます。これで、一路益田に向かうことができます。一年前に登場した新型気動車を使用した、快速列車のアクアライナーには初めて乗車します。以前の快速石見ライナーと比べて、スマートになった印象を受けますが、かなり合理化された列車の様です。このあたりはJR九州とは違うなぁと感じさせられるのですが、何にしろ軽快気動車では無い、新型気動車であるというところが、何となくうれしく思います。

 大田市まではいつのまにやら居眠りをし、車窓を見逃したのですが、今回の車窓の見どころは、初めて乗車する浜田〜益田ですから、ここらあたりの居眠りはよしとしましょう。温泉津・江津・都野津と停車し、波子駅に停車。あまり聞き慣れない駅だなぁと思って、外を眺めていると、どうやらアクアスの最寄り駅だった様です。最寄り駅とは言え、結構距離がありそうなのですが、何組かの家族連れが下車したのを見かけましたので、それなりに最寄り駅として機能しているのだろうと思いました。
 浜田を出発すると各駅に停車します。西浜田で学生さんが大量に下車した為、2両編成の気動車はガラガラ?と思ったのですが、こまめに乗客を集め、益田では、ボックスシートが8割程度埋まる状態になっていました。
 北側の座席にいたのですが、綺麗な日本海が望めているかと思えば、日本家屋の田園風景になったりで変化に富んですばらしい車窓の一言につきます。私の好みの車窓とは、こういうものだ!と言える典型的な車窓でした。期待していただけのことはありました。

 益田駅に到着し、駅を出てすぐのところにある観光案内所で益田市内の地図をもらいました。これが用意されているのとされていないのとでは、私の旅の楽しみが大分かわってきます。今回は運良くいただけました。ここ益田駅は、萩・津和野の中継地になっている為か、観光産業が盛んの様です。益田自信は、雪舟庭園と柿本人麻呂で観光を盛り立てようとしている様でした。今回の滞在時間は4時間程度しかありませんでしたので、両方とも見ることは無理と判断、雪舟庭園の方は次回に回して、今回は柿本人麻呂を祭った神社、柿本神社とその裏に出来ている県立万葉公園に向かうことにしました。
 松江では今にも泣き出しそうだった天気は、ここ益田では綺麗に晴れており、こちらにやってきた甲斐があったと思いました。日差しが暑いのですが、台風の影響で風が強く、それが幾分気を紛らわせてくれます。

 万葉公園は石見空港のすぐ東となりに出来た広大な公園で、敷地だけでみると、空港とそれほどかわらないぐらいの大きさがある様です。とりあえず、高津川にかかる橋を渡って、柿本神社に向かうのですが、この高津川、水がとても綺麗なので、驚きました。江の川ほどの水量では無いにしても、水の綺麗な川というのは見ていてうれしく、そこで何枚も写真を撮影しました。山と川はやっぱり好きなんですね。
 橋を渡り、高津川沿いに歩くと、上流の方にちょっと変わった形の橋を発見。あれは、いったい何?と思いつつも、先に万葉公園に立ち寄り、その帰りに立ち寄ってみることにしました。
 柿本神社に到着すると、マイクロバスが停車していました。観光客の様で、有名な神社なのだと納得して、階段を上がって境内に向かいます。ふと、階段の途中で、手すりに目をやると、唱歌などの歌詞が掲示されていました。柿本人麻呂と何か関係があるのだろうかと考えながら、昇ります。日差しが強く汗が滝の様に流れる中、ふと振り返ると、益田の町並みが綺麗に見えます。一種の展望台みたいな雰囲気です。

 神社そのものはこじんまりとしているのですが、建物の作りが凝っている様に思いました。いつものことですが、旅の安全を祈り少しだけお賽銭をいれることにしました。いつもならば、ここで御神籤になるんですけど、この神社の御神籤は自動販売機だったので、遠慮しました。これだと、24時間いつでも御神籤がひけるんですけど、いま一つ風情が無いんですよね。
 後ろを振り返ると、「和風野外音楽堂」と書かれた建物があります。野外音楽堂と書かれてあるので、何かのイベントが行われるのだろうと思っていたのですが、その前のスペースがあまり大きくないので、ちょっとアンバランスな雰囲気と感じました。後で、万葉公園の案内を見てみると、神楽などが行われるときことで、どちらかというと、野外音楽堂というよりも神事に使われる建物の様に思います。まぁ、普通のコンサートなどをやっても、普通では無い空間(右斜め前すぐの位置に神社の本殿があったりしますから)なので、ちょっと面白いかもしれません。

 高台にある柿本神社からは高津川が良く見え、益田市内を見ることができます。不思議と同じ様な風景を見たことがあるなぁと思っていたら、気がつきました。新宮城址から見た風景と頭の中でバッティングしたのでした。新宮と比べると、幾分川も小さく水量も少なめですが、なんとなく、似ているそんな気がしました。

 柿本神社から万葉公園へ続く山道があり、万葉公園へ向かうことにしました。坂道をのぼって行くと、案内所の様な棚物があり、「和風休憩所」とありました。わざわざ「和風」と断らなくてもいいのにと思いながら、野外音楽堂とともに、「和風」であることにこだわっているのかもと思い、中に入りました。
和風休憩所とだけいうだけあり、中には和室の部屋があり、そこに「和風休憩室」とありました。一般に開放している休憩所にしては綺麗だな?と思ったところ、どうやら有料休憩所だった様です。和風休憩室の横には、万葉集の資料室になっており、柿本人麻呂を中心に万葉集についての説明がありました。休憩室の中はこれといって空調はされては無く、温度も特に暑いということは無いのですが、炎天下の中坂道を登ってきた私は、汗が止めどなく流れるといった状態で、展示物も満足に見れない状態でした。外は、台風の影響が風がつよく、建物の中にいるよりも、外にいた方が涼しいというぐらいです。展示内容でこれといって、私が特に興味を示すようなものは無かったのですが、万葉の植物の絵はがきが展示されていました。この絵はがきの写真が綺麗で、あ〜いいなぁと、万葉集の詩とは直接関係の無いところで、関心を持っていました。

 この資料室で、万葉公園のパンフレットをもらい万葉公園の地図を見ながら歩くことにしました。この公園、とんでもなく広いようで、横にある石見空港と同じ大きさでは無いかと思うぐらいの公園の様です。まだ、造成中らしく、一般公開しているのは、全体規模の2/3程度であるということがわかりました。この公園の総合案内も兼ねているのが、やすらぎ茶屋らしく、こちらで抹茶がいただけるとパンフレットに記載がありましたので、そちらに向かうことにしました。
 ところが、この地図と道がかならずしも一致していない様で、また、途中の分岐部においても、これといった案内がありません。結局、右往左往、山道を歩き回ることになりました。公園の中なんですけど、充分に迷子になってしまうそんな構造に思えました。どうも地図と道が一致していない様なんですが・・・。
 自然が一杯の公園というか、場所によっては自然そのものと思えてしまう作りで、蛍も飼育しているのか、蛍の鑑賞地の看板もありました。時期的には6月下旬〜7月中旬とありましたので、ちょうど今の時期になるのですが、そんな時間まで滞在できませんので、今回はあきらめました。水辺を歩くと、「あめんぼ」が沢山いるのも驚きでした。何か自然なことなのかもしれませんが、あめんぼが沢山いる水辺を見たのも久しぶりで、感慨深かったです。

 ようやく目的地のやすらぎ茶屋に到着したところ、暑くて暑くてしょうが無かったので、抹茶のことなど頭に無く、目に飛び込んできた「氷」の文字を見て、思わず「かき氷下さい」」と言ってしまいました。暑い時にはこれが一番なんですけど・・・。時間はちょうどお昼時でしたから、昼食を食べても良かったのですが、なにはともあれかき氷ということで、レモンシロップのものを注文しました。お値段は250円でリーズナブル。ガラスの器で出てきましたから、公園の売店としては、かなり意外に感じました。縁側でかき氷をいただくと、少し強めの風がここちよく、粗削りのかき氷で涼を取るには最適であるとしみじみ感じました。ちなみに、粗削りのかき氷、これってなかなか出会えないんですけど、柔らかい雪の様な氷よりも、氷の形が残っている粗削りのかき氷の方が、私は好みなんです。なんだか、「氷」を食べているって感じになりませんか?

 大きな公園なんですけど、人がまばらでしか無い為、閑散としているというよりも、「贅沢」にすら思えてきます。やすらぎ茶屋の裏の急坂を登ると、展望台になっており、その展望台に登ると、見事な絶景が目に飛び込んできました。こんなに絶景なのに他に誰一人していないということに驚きです。
 そこからさらに上がると、子ども向けの遊具施設の整った広場に出るのですが、ここは先程の展望台よりもさらに上でかつ、海側にありここから見た景色は、もう「絶品」の一言でした。この景色は、今までみた絶景箇所の何よりもすばらしいとすら思ったぐらい、感動的でした。ここには3組ほどの家族連れが遊んでおられたのですが、私がそこにたどり着くと時を同じくして、その景色に気づいた様で、みんなが見とれているといった状態でした。ここから見る景色というのは、観光客誘致の効果が充分にあると思えるぐらい、私の一押しの展望スポットです。もし、益田に行くことがあれば、この万葉公園の子供用遊園地から見る日本海は、必ず押さえておいてください!

 これを見ただけで、充分に満足して歩を進めると、中央駐車場に出ました。この中央駐車場の売りは、「ゆったりトイレ」だそうです。中には入らなかったのですが、外から眺めていると、確かに大きな公衆トイレといった感じです。そこに万葉公園全体の看板が掲示されていたのですが、これが、本当に驚く大きさで、造成中と既設部分がきちんと説明されていました。そこから、車道を下り、やすらぎ茶屋の裏手から、石の広場に向かいました。石州とだけいうだけあり、石見地方では、石に対する信仰があったそうで、それをモチーフとした広場とパンフレットに記載されていました。
 ちょっと期待したのですが、閑散としていて、大きな石がゴロゴロと置かれているそんな印象の広場でした。もう少し整備が行き届いていればと思うのですが、あまりに大きな公園ですから、このあたりまで整備に手が回っていないのかもしれません。奥の方まで続いている様だったのですが、途中で『スズメバチの巣がある為、危険。立入禁止』の看板がありました。スズメバチに刺されても嫌なので、その看板付近からはとっとと遠ざかりました。

 公園のスケールが大きいので、全容まで結果的には掴めなかったのですが、今回訪れた遊戯施設や石の広場、蛍の鑑賞地の他、太陽の広場や野鳥の森といったものから、オートキャンプができるキャンプ場まであります。とにかくその広さ大きさには本当に驚きでしたし、遊戯広場から見える日本海の景色には驚きました。

 

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