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無料入湯券に釣られて湯村温泉編 |
宮崎から帰ってきて、タクシー・ニュートラム・地下鉄と乗り継ぎ、JR大阪駅桜橋口に到着したのが、9時43分。掲示の時刻表をあわてて見てみると、浜坂行きの特急はタッチの差で出発した後だった様です。次に何か方法が無いものかと、後ろのJR高速バス乗り場を見たものの、湯村温泉方面へ向かうバスは発車していない様子。あれは、三番街バスターミナルからだったのかということで、とりあえず、そっちに向かうことにしました。
途中、中央コンコースのみどりの窓口で、大型の時刻表が置いてあったので、とりあえずそれを参照します。大型の時刻表の場合は、後ろの方に中・長距離バスが載っています。それで湯村温泉行の時刻を見てみると、三番街バスターミナル出発が10時とのこと。手元の時計を見ると、9時50分。こりゃ、いかんということで、三番街バスターミナルに急ぐことにしました。JR大阪駅中央口から三番街バスターミナルまでは約5分程度の距離ですが、予約もしていない為、発車直前で乗車券を販売してもらうことができるのか、不安になりつつ三番街バスターミナルへ向かいました。
三番街バスターミナルの出発案内を見ると、一番上に「湯村温泉」と書いてあります。急いで窓口で、「湯村温泉まで大人一枚、購入できますか?」と聞いたところ、「大丈夫ですよ〜」と窓口のおじさんは発見作業をしてくれました。横を見ると、ペルソナカードが使える旨の表示があったので、カードで購入できるものはカードで購入しようということで、カードを提示すると、「あ〜、全但バスなので、カードは使えないんですよ。」とのこと。何かよく分からないのですが、阪急バスが運行している線だけ、クレジットカードが使えるそうです。まぁ、現金は持ち合わせてましたから、全然構わなかったのですが、どの乗車券でも利用できないというのは、ちょっと不親切だなぁって思いました。
ここで、宮崎旅行をともにやここさんとはお別れ・・・といっても、湯村温泉から帰ってきた足でそのままやここさんのおうちへ向かったんですが・・・。バスに乗り込むと3分程で出発。3時間程で到着するのかなぁと思っていたのですが、実は、3時間40分の行程だったんですね。お値段4300円というのは、宮崎旅行の半額以上!往復すると、宮崎に行って帰って、お釣りがきます(^_^;
バスの乗客は約半分以下のガラガラの状態。その半分ぐらいが温泉客で、残り半分は所要で帰る様な雰囲気。バスは、新大阪−千里ニュータウン(桃山台)−宝塚ICにとまり後は、中国自動車道−播但道−国道9号を通って、湯村温泉に向かいます。10時に出発のバスが、湯村温泉に到着するのは、13時40分で、途中、社パーキングエリアと朝来パーキングエリアで休憩します。
私の後ろの席に座られていたご年配の女性客は、温泉気分で、かなり盛り上がっている様子。それも、かなりの旅行好きの様で、「この間バンコクに行ってきて」とか「ニューヨークの事故でカナダ旅行をキャンセルして」、「みんなでどこどこ温泉に行った時ねぇ」といった感じで、次から次へといろんな地名が出てきている様子でした。いやぁ、すごいなぁとただただ、感心するばかり。
バスが社パーキングエリアでトイレ休憩。トイレ休憩といっても、バスにトイレは着いていますので、実際は喫煙者へのサービスが主なのかもしれません。時間も5分程度で出発するとのこと。故にサービスエリアではなくパーキングエリアとのことなんですね。すると、旅慣れたご年配の女性方は、「朝来パーキングエリアは大きいからあそこだったら・・・」と話しています。いやぁ、本当に良く知ってるなぁと思いました。一般道に併設の道の駅の様なものですが(今は道の駅になっているかもしれません)、十数年前に一般道であの規模のサービスエリアがあったのは画期的なことだったかもしれません。
見事なまでに高速道路はすいており、快調に飛ばします。播但道に入って、朝来パーキングエリアに到着しようとしたのですが、時間は12時のお昼時であったことからか、駐車スペースが無かった為、次のパーキングエリアに向かう旨の案内放送がありました。その時、乗客の一人が、『私、ここで降ります』と申し出ました。ほとんどの乗客は、「?」といった感じで、運転手もよく意味が把握できなかった様です。また、パーキングエリアから本線に入る道に入った時に申し出られたものだから、運転手も困った様子。なんでも、次のバス停では遠いので、いつも停車する朝来パーキングエリアで途中下車し、車で迎えに来てもらうそうです。なんだか、変わったことをするんだなぁと思って、やりとりを聞いていたのですが、運転手も突然の申し出にあまりいい気分では無かった様子で、心なしか言葉荒らげに対応していました。結局、戻ることは出来ないので、本線へ入る側道で下ろしてもらうことになったのですが、必ず、早めに申し出てくださいと付け加えられていました。ということは、こういう途中下車は絶対駄目ということではなく、事前に申し出てくれれば安全な場所で停車したということを意味している様でした。こういう扱いも特例ではあるものの、きちんとしてくれるんだなぁと驚いておりました。
バスは、結局、朝来の次のパーキングエリアに停車したのですが・・・いやぁ、本当に何も無くて・・・。トイレと駐車スペースだけあるといったパーキングエリアでした。ちなみに、朝来のパーキングエリアは、一般道ではなく、播但道が伸びたみたいで、その有料道路上に造られた新しいパーキングエリアでしたので、さほど何かあるわけではない様子でした(確か、一般道の道の駅とは連絡橋で結ばれていた様な記憶がありますが定かではありません)。
一般道の入り、和田山を経由(駅前では無く役場前を過ぎてからは国道9号を走ります。養父まではJRと沿って、八鹿からはJRと分かれ山の中に入っていきます。で、この時、高校生の頃にこの高速バスに乗車したことがあることを思い出しました。家族旅行でハチ高原にスキーに行った時、私だけ延泊したんです。帰りは民宿のおじさんが大阪行きのバスを手配してくれており、関宮のバス停まで送ってくれたんです。10年以上前のことですが、何かつながった様な気がして、嬉しくなってきました。確かバス停付近に、ラーメン屋さんがあって、塩ラーメンを食べたといった様なことまで思い出しました。あの時に乗車したバス路線というのはこれだったんだと、感慨深くなります。あの時は、復路しか利用しませんでしたが、朝来のパーキングエリアに停車した時は、確か一般道の方だったので、まだ播但道が和田山まで伸びていなかったんですね。後、思い出したのは、近畿大学付属高校の方が横に座っていたので、年齢が近いこともあり、楽しく帰路につけたということです。話が横道にそれてしまいましたが、何年も忘れていたことを思い出すというのは、いいもんです。
関宮でハチ北方向に向かうこのバスは、国道9号の大ループ橋を超えていきます。いつもハチ高原へスキーに行く時は、この手前で左に入らねばならないのですが、いつもこのあたりで迷ってしまうので、ループ橋だけが妙に印象に乗っています。
関宮や村岡のバス停あたりでは、ハチ高原・ハチ北高原などの説明が入るのですが、内容が全く同じなのはいかがなものかと考えつつ、湯村温泉まで後どれくらいかと考えておりました。和田山までは2時間弱程で到着するんですが、そこから先が長くて長くて・・・。一般道なのでしょうが無いといえばしょうがないのですが、高速バスってあんまり動き回ることができないので、昼行の長時間運行のバスというのは、さすがにちょっとしんどくなってきます。
そうこうしていると、『温泉町』の文字が見えました。バスは、ほぼ定時の13時40分に湯村温泉バス停に到着。バス停には旅館の出迎えの方が何人も見えられており、あ〜、温泉街だなぁと思いました。ちなみに、帰りの高速バスは、翌日の13時発の様で、今日はもう無いそうです。まぁ、宿泊客を考えれば当たり前の結果ですね。帰りは、浜坂から電車のルートを使うことにしました。
今年の1月の雪深い湯村温泉しかしらなかったので、木々の青々とした湯村温泉はすごく新鮮でした。前回来た時は、日帰り温泉施設と神社ぐらいしか見てなかったので、今年は、源泉のある河原(ここが一応温泉街の中心地だそうです)の方を目指しました。連休の最終日ということもあって、結構人がいます。恐らく、最終日だからこれぐらいの人なのでしょうが、昨日、一昨日はもっと沢山の人出があったのでは無いかと推察できます。
容赦ない太陽が照りつけ、瞬きするぐらい周囲が明るく感じます。温泉街らしい階段で、写真を撮るものの、あまりに晴れている為、露出が難しく、どうも飛んでしまっている様な気がします。しかし、本当に日差しがきついです。夏のうだる様な暑さとは違う、感じです。あまり長時間この日に当たっていると、またもや日焼けして大変なことになりそうな予感がしました。少なからずとも、この太陽が、昨日宮崎であったらなぁと悔やんでおりました。
階段を降りると、右手にお土産もの屋さんがありました。その向かいに公衆浴場と書いてあります。こんなところにもあったんだなぁと思ったのですが、今日は、こちらは遠慮しました。しかし、今考えれば、ここは河原に近いことだし、源泉だったのかもしれません。お湯としてはこちらの方が良かったかもしれません。まぁ、それは置いておいておいて、お土産物屋の横から河原に降りる階段を見ると、すぐしたにもくもくと湯気を発している井戸というか、囲いがあります。どうやら、これが源泉の様で、その先には、洗い場の様な感じで、お湯を溜めている石の棚(?)があります。お土産物屋さんには、「生玉子」が販売されており、どうやらこの温泉を使って、『温泉玉子』を作れということらしいです。なんでも、説明によると、95度の熱泉だそうで、十分に火傷の可能性があるそうです。
河原には、椅子とお湯が流れる溝があり、そこで足を温泉につける足湯というものをやっていました。効能を色々と書いてありましたが、全然覚えていません(^_^;
写真を撮ろうとするもきの、日差しがきつすぎて、白い建物などが色飛びを起こしてしまいます。初心者写真ファンの私にとって、そういう状況でどの様にしたらいいのかわからず、とりあえず露出をすこしずつ変更しながら何枚も撮ってみましたが・・・結局いま一つの出来でした。
ところで、デジカメの場合、基本的に画面で見るのが中心になるのですが(私の場合は、カラープリンタを持っていません)、これディスプレイがCRTの場合と、液晶の場合で、大分見え方が変わるんですね。故に、CRTでは結構出来ばえのする写真が、液晶で見ると、いま一つで、反対に液晶で見栄えがするものが、CRTではいま一つということが何度もありました。概して、CRTの方が暗く(色が深い?)映るので、液晶ては飛びすぎで、いつも持ち歩いているFIVAなどではいま一つの印象でした。
河原をあっちいったり、こっちいったり。足湯のある河原から少し南に下がった部分では、鯉が放流されており、優雅な雰囲気を醸しだしておりました。河原から見ると、温泉街の雰囲気はなんとなく、いい雰囲気です。でも、やっぱり日差しが・・・(^_^;
河原で足湯の見学を終え、温泉へ向かいます。今日の目的は、このリフレッシュパークゆむらだったんです。今年の1月に、湯村温泉にやってきた時、ひょうたん祭りなるものの一環で、ひょうたんの大きさを当てるというイベントがあったので、ついでだったので応募しておいたんです。すると、2カ月程して、近似値だったとのことで、リフレッシュパークゆむらの無料入場券が送られてきたんです。入場料は1100円で、高めの印象を受けるのですが、温水プールや野外混浴風呂(水着着用)、室内風呂などがあって、設備はそこそこ充実しています。その点から考えると、1100円という入場券は妥当といえそうです。
とりあえず、前に来た時は、平日だったか祝日だったかいま一つ思い出せないのですが、ものすごく人が少なかったことから考えて、平日だったのかも知れません。今回は、休日ということもあり、かなり沢山の客が来られていました。後からやここさんに話を聞いたところ、NHKのニュースで湯村温泉のことをやっていたとのことで、でかいかぼちゃを使ったかぼちゃ祭りをやっていたとのこと。確かに、リフレパーク湯村の玄関には所狭しと、かぼちゃが置いてありました。恐らく、かぼちゃ祭りの後、そのお客さんがそのまま来られたのでしょう。
それでも、脱衣場がいっぱいだとか、ロッカーが足らないといったことはありませんし、お風呂の大きさに対して人が多すぎるといったこともありません。全体的にちょうどいいぐらいの人の入りです。とりあえず、水着に着替えて、前回入れなかった、混浴露天風呂へ向かいました(前回は水着を持っていませんでした)。小高い山の上に露天風呂を作っている関係で、かなり長い階段を歩かされます。とはいえ、さほどしんどいわけではありませんが・・・。ただ、冬場は寒いかもしれません。湯冷めの心配もあります。
まず最初に入ったのが、『蒸気風呂』。こんな名前が着いてますが、なんてことない、ただのサウナです。水着でサウナに入るのは初めてだったんですが、入ってからしまったという感じで・・・。というのも、体が乾いた状態で、入ったものですから、熱いんです。汗がでてくるまで、大変でした。二度と、お風呂に入る前にサウナに入るのは止めようと誓ったのでした。あれ、下手すると、火傷するかもしれませんね。皮膚に突き刺さる様な熱さでした。
続いて、滝風呂。滝つぼが温泉になっている様で、ダイナミックといえばダイナミック。水しぶきがすごすぎて、あんまりゆっくりとつかる気分ではありませんでした。その横の洞窟に入ると、展望洞窟風呂。湯村温泉が一望できます。展望風呂と違って、洞窟の中から展望できるってことらしいです。ここはのんびりできるんですけど、展望部分に人が集まり、それ意外の部分は薄暗いこともあって、あまり長居できそうな雰囲気ではありませんでした。
酒樽風呂は、湯船が巨大な酒樽になっています。こちらからもなかなか景色が綺麗です。とはいえ、まぁ、普通といえば普通なんですが・・・。そして最後は、四季の風情を堪能できる四季風呂と言うことなのですが、これは別に四季の風情を堪能した覚えは無く、ただの石で作られた湯船のお風呂って感じでした。それ故に、一番人が少なかったんですが・・・。ちなみに、一番人気は豪快な滝風呂でした。
一通り入浴すると、のぼせてきた感じがします。とりあえず、混浴露天風呂(そうそう、混浴ですけど、ほとんど若者はほとんどカップルでした^^;)を出て、階段を下ります。ふと、せっかく水着だし、温水プールで泳いでみようかなと思いました。サイパンでは、確かにプールや海に入ったのですが、泳いだという程泳いだわけでは無く、ただ、プールに浮かんでいたという感じでしたから、どれくらい泳ぐことができるものなのか、試してみたいというのが、本音でした。
結果・・・いやぁ、とことん泳げなくなっております。25mプールだったので、クロールで25m泳ぐと、息が上がって息が上がって・・・。もう、大変でした。結局、25mを2往復の計100m泳いでリタイア。学生の頃の様にはいきません。というか、まともに泳いだのって、高校の水泳の授業以来だと思いますから、実に10年ぶり!?
いやぁ、疲れました。本当に疲れました。
この後は、のんびり普通の温泉に使って疲れをほぐすということにしました。いやぁ、息があがっているのか、よくわかります。とはいえ、先程温泉に入ってましたから、これまた、のぼせてしまう可能性がありますので、あんまり長湯はできませんでした。ちなみに中には、露天風呂をばじめ、寝湯やサウナなど8種類のお風呂があります。確かに多いけれども、一挙に全部入るのは無理があるなぁなどと考えておりました。ちなみに寝湯は、水温が低いので、本当に寝てまいそうな感じだったんですが・・・。しかし、お風呂に入っている時も、まだ先程のプールの苦しさが残っておりました。本当に水泳って全身運動なんだなぁと改めて認識しました。
余談ですが、髭を剃りたかったので、ひげそりをフロントで購入したら50円でした。ありゃ、大丈夫かいな?と思ったんですが、50円の使い捨てのわりに切れ味が良かったのが妙に印象的でした。
16時20分頃のバスに乗ってJR浜坂駅に向かう為、16時過ぎにリフレッシュパークゆむらを後にしました。そうそう、リフレッシュパークゆむらでもお土産物を売っているのですが、いま一つ『これ!』といったものがありませんでした。ただ、りんごチョコレートを発見しました。以前、山形に行った時に購入したりんごチョコレートと同じぐらいの大きさで、絵は違うもののコンセプトが同じなので、思わず買ってしまいました。もしかすると、他にもあるのかもしれないとちょっと気になりました。
前回乗ったバスはこの後の16時47分発だった様な気がします。今回のバスは七釜温泉経由の少し迂回していくバス。といったところで、時間的には3分程度しかかわりません。川の対岸を通るか通らないかの差だけの様です。七釜温泉は浜坂駅近郊の温泉だそうです。私は行ったことはありません。
前に通ったことのある道をずんずん下っていきます。川をわたると、大きく『歓迎 七釜温泉』とあります。その看板を見ると、大きな温泉なんだと思うのですが、バスの車窓には、少し古い感じのする民家ぐらいしか見えません。七釜温泉バス停近くに、『公衆浴場はこちら』と書いた看板を発見しましたが、それが唯一温泉らしい感じです。後、旅館が何件かあった様ですが、やはり湯村温泉と比べると、見劣りしてしまいます。これぐらいの規模の方がいろんな面で面白いのかもしれませんが。
こちら経由のバスの目的は、七釜温泉では無く、病院だった様です。病院で何名か乗車ののち、浜坂駅に到着しました。以前来た時に比べて、大分雰囲気が違うと思ったのですが、記憶違いかもしれません。16時45分過ぎに到着で、乗車する予定の電車が17時16分。30分近く時間があります。
とりあえず、時刻表を見て、帰りのコースを確認します。ちょうど、この列車に乗ると、城崎で特急北近畿に、福知山で特急はしだてに乗り継げることがわかりました。これで行くと茨木到着が21時頃。片道約4時間です。高速バスとさほど時間的に変わらず、値段はこちらの方が高いということになります。それでも、なんとなく電車の方が、線でつながっている気がして、旅行気分を楽しめます。
乗車券を購入しようと思ったものの、窓口のおじさんは妙に忙しくしていて、窓口を閉じています。もしかすると、17時で営業終了するのかなぁと思いつつ、窓口が開くのを待つことにしました。窓口だと、カードで購入することが可能なので、現金が少ない時に便利なんです。今回、現金は持ち合わせていましたので、別に問題は無いのですが、出来たら現金をあまり使いたくないので、カードで購入できる場合はカードで購入したかった為、窓口が開くのを待っていました。
しかし、駅員さんは奥の事務室にひっこんでしまった為、いったん駅前のコンビニ兼スーパーに立ち寄ることにしました。そこには、『復活 浜坂名物かに駅弁』と書いてあります。浜坂を通る特急が激減した今となっては、駅弁そのものの運営が難しくなってしまい、営業をとりやめたのだと思いますが、それを惜しむ人が多かったのか、往時のかに駅弁を復活させたのでしょう。駅構内での営業はもうしていない様で、そのお店だけでの販売らしいので、駅弁とはもう呼べないのでしょうが。正しくはカニ弁当かな?
この看板を見ていると、浜坂のカニ駅弁を一度だけ購入した時のことを思い出します。あの時は、確か島根県からの帰りだったと思うのですが、普通列車の乗り継ぎで、浜坂駅で乗り換えたことがあります。3番線に鳥取からの列車が到着。2番線から豊岡方面行きの普通列車が出発するというパターンでたしかお昼を少し過ぎた、13時か14時頃だったと思います。豊岡方面行きの列車に乗り込んだところ、車両の一番奥で、おばあさんが立っていました。「あ、もうお客さんがいるんだ」と思っていたところ、そのおばあさん、駅弁の売り子さんだったんですね。車内に乗り継ぎ客が入ってきたことを確認して、着席したお客さん一人一人に駅弁を売り歩き始めたんです。時間的にもちょうどよく、普通列車でもこういうサービスがあるのは、いいなぁと思ったんですが、今考えると、こういうことをしないと、売り上げにならなかったのかもしれません。昔は大阪から鳥取へ向かう時のメインルートでしたが、今は、智頭急行にメインルートの地位を譲り渡し、ごくわずかな特急がやってくるだけになっています。
17時を過ぎると、改札が始まったものの、駅員さんは改札口に立つわけでもなく、遠目に乗車券を見ている様な感じ。列車到着時の検察はさすがにきちんと行っていました。駅ホームに入ると、国鉄時代を彷彿とさせるしっかりとした作りの駅に驚きます。温泉への観光客を歓迎する看板などがあるものの、人が少ない分それが帰って悲しく見えてしまいます。
気動車が2番線に到着し、発車を待っています。3番線に鳥取からの列車がやってくるらしく、その乗客を待っている様な雰囲気です。キハ40+キハ47の編成は、重厚でありながら地方色を色濃く残しているので、個人的にはかなり好きな編成です。軽快気動車よりも、やはりこの列車に乗ることで、旅気分が高まります。重要なアイテムだと思います。今回の編成はリニューアル工事が行われた後の様で、窓の部分が大分変わっていました。窓は上部しか空けれない様になっており、座りながら風を受けるということは出来なくなっています。一応、空調完備されていますから、これでいいといえばいいのですが・・・。
ほどなく鳥取からの列車が到着。そこそこの乗客が乗っていた様で、その6〜7割程度が乗り継ぎ客の様子。列車本数が少ないので、これくらいになっていたのかもしれませんが、それでも驚きでした。最近は、特に1両の列車が増えてきていますが、鳥取からの列車、豊岡への列車ともに、ワンマンながらも2両編成だから、少しうれしく思います。
17時13分。豊岡行きの列車が発車。重たいぶぉぉぉぉぉおおおおという音がなんとも心地よく感じます。話し声をかき消す様な大音量ですから、普段乗っていると、うるさいと感じるかもしれませんが、非日常である今は、そんなことが全く気になりません。浜坂、久谷、餘部と列車は各駅に停車します。餘部鉄橋の事故で有名になった餘部ですが、駅そのものは、かなり小さなローカルな駅。下を見下ろすととんでもない高さの餘部鉄橋を列車は進み、鎧、香住と列車は進みます。このあたりの日本海を眺める車窓はなんとも表現しずらい良さがあります。1時間程ローカル線の旅を楽しみ、城崎温泉へ到着。
ここで、特急きのさきに乗り換えます。車内放送で、しきりに『車内販売はありませんので、あらかじめご了承ください。』と案内しています。これは、私にとってはかなりつらいものが、何か食べるものを車内販売で調達しようと期待していたのですが、それが全くできないことになります。また、ホームの売店はしまっており、調達できるものは自動販売機の飲み物ぐらい。特急きのさきにも、飲み物の自動販売機は設備されていますが、何か食べるものをと思っている時には、自動販売機ではあまり役に立ちません。とりあえず、福知山まで我慢して福知山から乗り換える特急はしだてに期待することにしました。ちなみに、福知山での乗り換え時間は1分・・・。
三連休の最終日、それも温泉なので、かなりの人が乗車していると思ったのですが、時期が悪いのか時間が悪いのか、私の乗った車両には、2〜3割り程度の乗客でした。
1時間程度で福知山に到着し、向かい側ホームに停車している特急はしだてに乗り換えます。何年か前のダイヤ改正で、大阪・京都〜城崎・天の橋立の列車の接続が大幅改善され、かつ運賃の計算方法も大幅に変更したことによって、かなり便利になりました(JRは1列車ごとに特急券が必要ですが、この乗り継ぎの場合は、通しで特急券を購入することができ、指定券は別に発行してもらえる様になっています)。今回は、はじめてそれを利用したのですが、確かに便利です。向かい側ホームに停車してくれて、すぐに発車というのは、時間的ロスもほとんどありませんから、このサービスはずっと続けて欲しいと感じました。ただ、あまりに停車時間が短いので、ホームでの食料調達もできませんが・・・。期待の車内販売は、きのさきと同じ様に、全くありません。これだけは改善の余地があると思いつつも、車内を見渡すと、車内販売が回ってきても・・・と思う様なぐらいの人数しか乗っていません。このあたりは何か改善して欲しいとせつに感じました。
綾部に到着。橋上駅舎になったのに驚き、山陰線もどんどんと変わっているのだなぁと思いながら、空腹を紛らわす為に、目を閉じ京都まで列車に身を任せました。
しかしまぁ、1100円の無料入場券の為に、往復1万1000円・・・。ちょっと考えものですねぇ(^_^;
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