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なんとなく湯郷 その1 |
今回は、どこに行きたいといったことから旅行を計画したのではなく、このホームページの名前の通り、ぶらっと湯郷温泉に行ってきました。起床したのが、一応9時。前日の天気予報では晴天であるとの情報を得ていたので、いつもの休日よりは早めに起きることにしました。一応、外を確認すると間違いなく晴れ。いつも曇天〜雨天といったことになるので、今回はそうはならないであろうと確信して、出かける準備をしました。
この時点ではまだどこに行くかは決めていません。あんまりお値段がはらなくて、温泉があって、日帰りできて、山の中といったぼんやりとした希望はあったのですが、それがどこになるかは全くわかりませんでした。浮上した候補としては、鳥取、米子、岐阜、湯原、三次、徳島、阿南、岐阜、松本といったところでした。いずれも、安価に高速バスで行けるというのが、その利点でした。
結局、決まらないまま10時15分の阪急の特急で梅田に向かいました。車内で、時刻表とにらめっこしていると、どうやら10時30分以後は高速バスの時間があまり良く無いらしく、出発まで時間があり、かつ到着時刻が16時を過ぎるとなると、どうも足が赴きません。色々と検討したのですが、やはり時間的都合を考えると、さほど遠出が出来るわけでは無いので、米子・三次・松本は脱落、山が良いということで、徳島・阿南も脱落、いい時間にバスが無いという理由で、鳥取・湯原・岐阜が脱落ということで、当初考えていた行き先は全て、駄目になってしまいました。
で、ふと思い出したのが、昨夏、立ち寄った湯郷温泉。あの時は、下調べ無しで立ち寄ったので、かんぽの宿の日帰り湯を利用したのですが、どうやら日帰り専門でやっている鷺の湯の方が設備としては整っているというのを、その後インターネットで知ったのを思いだしました。時間を調べると、11時の大阪発の新快速を利用すると、姫路での乗り換えもタイミングが良く、問題の佐用から先の列車にも乗り継げるということがわかり、かつ到着時刻も14時過ぎというので、ここにすることにしました。運賃も3000円ぐらいのはずです。高速バスで行くという手もあったのですが、電車があるのならば、そちらにするわけでして、大阪駅のみどりの窓口で湯郷温泉までの乗車券を購入することにしました・・・が、湯郷温泉の最寄り駅っていったい何駅だったっけ?ということになりまして・・・。確か林田駅だと思うのですが・・・。駅の観光案内の機械を使って調べようと思ったものの、湯郷温泉に関するデータがば言っていない様でして・・・。しょうがないので、中国地方への旅行パンフレットに載っていないか調べることにして、なんとか判った次第です。間違いなく林田駅でした。
乗車券を購入できて、ホームにあがろうと時計を見ると、10時43分を指していましたので、これは一本前の新快速に乗れることに気づき、あわててホームに上がったところ、タイミング良く電車が入線してきました。さらにタイミング良く、座席も確保でき、ゆうゆうと姫路まで向かいます。いつもは浜側の座席にするのですが、南中の時間にあたりますので、山側の座席としました。空を見ると、綺麗に晴れ渡っていまして、今日はさすがに、雲があらわれることは無いだろうと確信しながら電車にゆられていました。
姫路駅に11時40分過ぎに到着。朝食をまだ食べていなかったので、いったん途中下車をして、姫路駅周辺で朝昼食兼用の食事を探しました。姫路というと、駅弁の「あなごめし」を思い出したのですが、駅弁にすると、高くつきますから、安価におさえる為、今回はロッテリアのハンバーガーにしました。
あまりロッテリアには行かないのですが、アイスコーヒーがシロップが別であったのがうれしかったです。マクドは、アイスコーヒーは甘いんですよね。
ぎりぎり列車に間に合った形で、乗り込みますと、意外と混んでいました。第2土曜のこの列車は区間運休をする旨が時刻表に書かれていたので、たいそう少ないのだろうと思っていたのですが、それはただの思い違いだったというわけです。しかし、毎月1回とはいえ、日中の列車を運休して保線工事をするというのは、ちょっと納得がいかないのですが・・・。せめて代替バスぐらい出してもいいのになぁと思うのですが、それすら無いんですよね。使いたい時に無いわけですから、余計に利用者離れを助長しそうな気がするのですが・・・。
余部(よべ)・本竜野・播磨新宮でまとまった下車客があり、播磨新宮をすぎると車内は大分余裕が出来ます。2〜3人で1ボックスといった感じで、少なくもなく多くも無いといった感じです。ただし、車両は1両ですから、絶対数は少ないとは思います。
そういえば、余部駅は駅員配置駅らしく、運賃・きっぷは改札口でと案内されていたのですが、列車の中から改札を見たところ、改札窓が閉まっており、駅員がいない様でした。なんだか、ちょっと中途半端だなぁと思っていたのですが・・・。特に、無人駅から乗車して余部で下車しようとしたら、運賃を支払う場所が無いということになってしまうなぁなどと考えておりました。
姫新線は田園風景と山地が交互にあり、気持ちが落ち着きます。列車が2両編成であれば、1ボックスを占領できるので、気楽なんですけど、保線の都合などを考えると、ごくたまにしか乗らない乗客が文句を言うべきではありません。着席できているだけでも感謝しないといけません。
三日月駅をすぎると、ひまわりの看板が目に入ります。そう、南光町に入った様です。ことしも、7月に一面のひまわり畑を見に行こうと思っているので、なんとなく気になります。播磨徳久を出ると、先頭部で前面展望を見ていたのですが、線路に夏草がはびこっているのが気になりました。こんなに夏草が生えているの?と思うぐらい列車の行く手、敷石部分から草が生えていました。列車本数が少ないのが原因なのか、保線の関係なのかはわかりませんが、それこそ廃線の雰囲気すら漂います。
佐用に到着してさて乗り換えとなったのですが、まだ列車が到着していない様でしたので、とたあえず写真でも何枚か撮影。これが今回の最初の写真となりました。
空を見上げると、雲が出てきた様子ですが、まだまだ晴天です。すこしぐらい雲がないと、皮膚の弱い私にとっては、大変です。ほどなく軽快気動車のキハ120系が到着しました。一番最後に乗車したのですが、幸運なことに4つしかないボックス席を占領することができました。久しぶりの姫新線の県境区間になるので、少しうれしい感じです。
次の上月をすぎるといよいよ県境にはいります。風景は山奥といった感じになり、坂の上り、トンネルを潜ります。軽快気動車だけあって、エンジンはうなるものの、先程まで乗車していたキハ40に比べて、力強く登っていきます。トンネルを超えると・・・あれ?曇り?日が出てない!!ということで、どうもタイミングが悪い様です。あとは、湯郷温泉に到着する時にこの雲がどこかにいっていることを願うばかりです。
美作土井駅に到着すると、いよいよ岡山県の中国山地にはいったなぁと実感します。県境ほどの山奥といった感じはありませんが、それでもなかなかな山間です。これこれ。これを見たかったのだ!と思いながら車窓に釘付けです。
14時6分に林田駅に到着。温泉目当てなのか、意外に下車客が多く、10名程度下車しました。1面1線のホームなのですが、駅舎は妙に立派な日本家屋風。無用に長いホームが、往年の急行があった時代を感じさせます。また、ホームから駅舎までの空間が広く、そこには黄色の花(マーガレットかな?)が群生していて、目に新鮮でした。
さて、駅に到着して、どうしようかと思ったので、いつものことながら、案内図でも・・・と思ったら、そんなものはこの駅には無いようで・・・。改札口は乗車券の委託販売の会社が入っているのですが、主に旅行業を中心としている様で、旅行パンフレットは多いのですが、周辺の案内図なるものはありません。う〜む、本当に列車で来る客のことを考えていないなぁと、改めて実感した次第です。
中国地方全図が駅前に貼ってあり、何の役にもたたないなぁと思いながらも、一応、見てみると、林田駅のところに「道の駅」の表示があるのを見つけました。いったいこれはと思って、見回すと、駅の逆側にそれらしき建物があるのを発見。電車できることをあまり考えていないのならば、道の駅に行けば何かあるだろうと検討をつけ、そこに向かうことにしたのですが、線路を渡る道がどこにあるのかわからない状態。最近、ここまで案内の無い町も珍しいと思いながら、なんとかそれらしき道を見つけ、道の駅に向かいました。
今回の道の駅は、道の駅というよりも、農協の即売所の様な感じで、道路案内などの専用スペースなどは全くありません。建物の中に入ると、物産の販売コーナーと簡易の食堂があるだけで、一体・・・と戸惑います。トイレは別の建物にあるので、余計にここは何?と感じずにはいられません。どうも町全体で観光アピールするのではなく、湯郷温泉だけで十分と考えている様に思いました。それでも、何か情報が無いことには、湯郷温泉まで歩いていけない上に、温泉入ってさぁ終わりとなってしまいますから、それこそ、高い金かけて何してるんだか・・・と思います。なんとか曇り空の合間から日差しが出ており、それなりに天気の良い日といった感じです。
結局、何度かうろうろとしていて、物産コーナーの本当の隅の方に、この道の駅の案内チラシと、鷺の湯のチラシを発見。それ以外は広域図しか無い為、とりあえず道の駅の案内チラシを手にとってみると、美作町のイラストマップがあったので、それを頼りにすることにしました。ただ・・・、やはり観光するものがあまり無い様で・・・。どうも、サッカー・ラグビーに力を入れるている様で、ラグビーサッカー場を一押ししていましたが、あまり興味が無いので却下。とりあえず、一番近い位置にある三星城後に向かいました。
線路を超え、川を渡ると、右手に小高い山がありました。どうもそれが三星城だそうです。ただ、鬱蒼と繁った木々に鳥居があるのがなんとも不気味で、なんだか本当に大丈夫なのかと考えてしまいます。鳥居の近くには、三星城の説明があるのですが、三星城がどういうものなのか知っていないと判りづらい説明になっている様で、私には全くよく分かりませんでした。
それでも、鬱蒼と繁っている木々の中に伸びる、コンクリートで固められた急な坂道を昇ります。実際に登ってみると、さほどたいした距離では無いのですが、本当に斜度がきついので、ものの100m程度で息切れがし、大変。鬱蒼としげった木々が、不気味さを増長し、ふと以前テレビでやっていた、マムシなどに対する注意を思い出し・・・う〜む、どうしようかと悩む始末でした。
しかし、本当に対した距離では無く、すぐに本丸後らしき広場に出ました。実際に三星城があったのは、大分昔(400年ほど前の話らしいです)ですから、この広場があること自体、かなり疑問ではありますが、周りは木々に阻まれており、苦労して登ったものの、景色が見えるわけではなく、忠魂碑と簡単な三星城の説明書きがあるだけでした。
ちなみにこの時点で汗だく状態。着替えを持ってくるべきだったと、悔やんでおりました。すると、急速に大きな雲が太陽にかかり、涼しくなったのはいいのですが、カメラを構えた私としてはかなり不本意。小さな野草のマクロ撮影に挑戦しながら晴れるのを待ちました。
40分程度そこにいたと思いますが、晴れそうに無いので湯郷温泉に向かうことにきめました。急な坂道を下ると、途中に、小さな鳥居があることを発見しました。入り口の鳥居に比べると、かなり小さく、さらに鬱蒼と茂った木々の中に埋もれているという雰囲気です。とりあえず、そちらに向かうと今までの道に比べると、かなり狭く、さらに整備されていない様で、余計に怖い雰囲気が漂っています。しかし、それも数百メートルで本殿に到着。お稲荷さんだった様です。鳥居も赤かったですしね。
しかしまぁ、本当に木々が生い茂っているという言葉がぴったりの小高い山です。なんか、歩いていても、怖いとしか感じられません。とりあえず、参拝をして湯郷温泉に向かいます。ところが、本丸へ向かう道への分岐部にやってくると日が指してきたのを見逃しませんでした。これは!ということで、またもや急な坂道を登って、本丸へ向かいました。
とりあえず、急いで、カメラを取り出し、またもや草木を撮影しようと、急ぎます。ところが、雲の動きが早く、なんだかやばい雰囲気。とりあえず、一枚撮影すると・・・もう雲が太陽を覆い、元に戻ってしまいました。5分ほど待ったものの、今度の雲はかなり厚い様で、かつ風上方向に向け広範囲に広がっている様に思い、三星城を後にしました。
イラストマップに沿って、湯郷温泉へのメインの道を歩いていたのですが、ふと目に入ったのが、「頑張れスロベニア」の上り。朝日新聞のマークが入っていたので、朝日新聞がFIFAワールドカップのために、立てたものだと思います。なんで、スロベニアなのかなぁと率直に思いながら、道を歩いていきます。横を流れる梶並川は、茶色く濁っているのが気になり、これは、少し違うんだよなぁと思いつつ、イラストマップを見ながら歩いていきます。
左手の川向かいには、町役場がある旨が書いてあり、目をそちらに向けると、『ヨーロッパ代表スロベニア ようこそ美作町へ』と書かれた横断幕がかかった町役場がありました。どうやら、美作町はスロベニアチームのキャンプ場になっていたみたいです。確かに、ラグビーサッカー競技場を売りとした町ですから、FIFAワールドカップのキャンプ地に指定されるというのは、納得できます。ただ、その割りには、あまり盛り上がっている様には感じなかったのですが、それはラグビーサッカー競技場に足を向けていないということが原因なのかもしれません。ちなみに、ラグビーサッカー競技場へは、4Km程とのことなので、40〜50分程度歩けばいけないことは無いのですが、さほどサッカーに興味が無いのと、時間が無いということで、今回は、向かいませんでした。
でも、いま考えれば、ワールドカップが日本で開催されるということ自体珍しいことですから、野次馬根性を出してもよかったかなぁと少しだけ悔やんでおります。
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