以上で、一通りの見学は終了。時計を見ると、１５時３０分を回っていました。船内とは言え、車両甲板以下は暖房もままならない状態で、随分と冷えきっています。体を温める為に、船内２階のイベントホールでやっていた戦争写真展の見学をすることにしました。沢田京介という写真家のベトナム戦争の写真なんですが、あの有名なベトナムの川を渡る一家の写真を撮られた方だった様です。戦争写真というのは、悲惨さがそのまま伝わってくるので、私は苦手なんですが、あまりに残虐なものは展示されていなかったので、少しほっとしました。しかし、それ故に、ベトナム戦争について考えさせられますし、現在のイラク情勢を考えても、更に考えさせられる感じです。

　１６時前に、船を後にし、先程からずっと気になっていた、向かい側の３両編成の列車に近づいてみます。しかし、誰も歩いた様子が無く、雪がかなり積もっている状態です。休憩所とし使われているそうで、あの中に入れば少しは気が休まるか？と思って、新雪を踏みしめ向かっていくと、「冬季期間閉鎖」の文字。１１月より閉鎖しているそうで、平成１５年度の営業は終了しましたとあります。営業って・・・もしかしたら、喫茶店みたいな感じになっているんでしょうか？
　更に、北よりに歩いていくと、車掌車が展示されています。これについては説明板もなく、何故ここにポツンと置かれているのか、少し不思議に思います。

　雪は強いのですが、空を見上げると青空も除かせています。１６時頃というのに夕焼けの様な感じがするのは、やはり大阪よりも東に位置するという証拠なんでしょう。青森駅のバスターミナル近くでふと青森ベイブリッジを見ると、月が綺麗に見えます。何だか、妙に幻想的な感じに思えます。雪と雲と月。不思議な取り合わせだなぁと思って、眺めました。

　青森駅に到着したのは、１６時１５分。バスまで３０分近くあり、出発が観光物産館とのことでしたので、観光物産館まて歩く事にしました。駅から徒歩８分ということですが、雪は降り始め、風が強いので、大変寒く感じます。商店街から、左に折れて、観光物産館のモダンな建物の前にある温度計を見ると、−１度となっています。先週の北海道は、９度。この時点で、１０度も差があります。網走よりも向かい青森って・・・。ちょうど、気温変化の激しいところだったのかもしれませんが、体感温度もさることながら、数値で表されると、余計に寒さが理解出来る感じです。

　観光物産館前にバスターミナルがあるのですが、青森駅前に比べて閑散としている様子です。どちらかというと、青森駅前は車で溢れているといった感じが無くはありませんが、こちらはこちらで、閑散としすぎていて、逆に寂しい感じがします。中に入ると１階は、基本的にお土産屋さんが何店かありますが、特に集合したといった感じではありません。その中で特に気になったもので、ドロッとしたトマトジュース（だったと思う）です。青森というと、「リンゴジュース」なんですが、こちらの方が気になったので、トマトジュースを購入することにしました。値段は１００円。地域限定の瓶詰めのトマトジュースって結構ありますが、大体相場が１５０円以上。ということは、こちらのトマトジュースはかなり安いということになります。
　飲んでみると、ドロッとしているという通り、本当にドロッとしています。トマトをそのまま潰して瓶詰めしたといった感じです。勿論、食塩は入っていないナチュラルなタイプ。トマトを飲んでるというよりも、トマトを食べているといった感じに近いかもしれません。かなりおいしいと思いました。買って帰ろうかと思ったのですが、重たくなりますし、瓶詰めだと割れ物になってしまいますから、機内持ち込みで無いと駄目になってきます。「１０本入りの箱でもあればいいんだけど」と考えていたのですが、リンゴジュースばかりで、トマトジュースは無く、ここで購入するのを諦めてしまいました。空港であれば、と思ったのですが、空港では、トマトジュースの「ト」の字も見当たりませんでした。あれは、隠れたヒットでは無いかと思います。

　空港バスに乗車したのですが、観光物産館前から乗車したのは私一人。青森駅からは二十人弱の乗車がありましたから、こちらまで延長運転している理由が中々難しい様な気がします。というよりも、観光物産館のてこ入れは重要な課題なのでは無いかと思ったわけですが、良く考えると、この時期、一番観光客が少ない時期ですから、たまたまだったのでしょう。
　青森空港に到着するに連れて、雪が幾分ましになってきた感じで、特に飛行機の遅れといった案内もありません。私が青森空港を利用するのはこれで４回目（３往復半）なんですが、うち２回が天候によるトラブルがありましたので、今回もそうなるのではないかとちょっと不安に思っていたのですが、何事も無く離陸することが出来ました。ただ、航空機の除雪作業とのことで、扉が閉まってから１０分程度動かなかったのは、ちょっと不安に思いましたけど。

　観光に力を入れているという通り、青森はまだまだ見どころが沢山ありそうです。旅行客に嬉しい、無料バスといったものがあり、特に雪の深い期間は助かります。青森に次に来るのは、いつになるかは分かりませんが、また来たいそう思う、青森旅行でした。