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桜・神社・JALS初めての松山編(2003/4/5〜6)

 

 結局、西堀端の電停で下車したのは失敗だったと気づいたのは、競輪場を超えて、県庁前にでた時でした。これだったら、県庁前電停で下車した方が良かったと思ったわけですが、まぁ、そういうこともあるもんです。二の丸庭園の石垣が工事しているということもあって、ぐるりと迂回する様な形で、石垣の下を歩いていると、太鼓の音が聞こえてきます。獅子舞の音であることは、なんとなくわかり、早くいかないと、終わってしまうかも?などと思い、気が焦ります。

 二の丸公園の入口で料金を支払い、獅子舞の会場・・・って、入口のすぐ横で獅子舞が、いません。太鼓を叩いている人がいるだけで、主人公である獅子舞が、いないんです。いったいどうなっているんだろう?って思いつつ、他の観客の邪魔にならないところで見学することにしました。
 どうやら、一つ目の演舞が終わった後だった様で、太鼓の演奏をする時間だった様です。意外にも太鼓を叩いている人が若いなぁなんて思いながら見ていると、演奏が終了。次の演舞の為に獅子舞が登場となったのですが、獅子舞を操る二人が、どうやら高校生ぐらいの若い男の子で驚きでした。本当にえ!?って感じです。
 実際に演技が始まると、その動きの機敏なことに驚き、さらに後ろ足の動きが見事なんですよね。獅子舞をみて、本当に獅子が舞っているのではないかと思えるぐらい上手で、驚きでした。残念なことに頭とは逆の位置でみていたので、どうも写真が後ろ姿ばかりになったんでけどね。
 本当に上手だなぁって思っていると、他のお客さんも同じように思っていた様子で、演舞終了後に「おひねり」を飛ばす方がいらっしゃいました。いや、本当に称賛に値すると思いました。いいものを見せていただいたと思い、次の演舞を楽しみにしたのですが、残念ながら彼らの演舞はこれで終わり、次は13時から別の団体がやられるとのことなので、それまで約30分弱をちょっとした触りの見学をして、いい場所を取ろうと、入口近くで待っておりました。

 入口すぐのところに建物があり、その中にちょっとした展示スペースがあるのですが、まず驚くのは二の丸の復元模型。なんだか、とんでもない数の部屋があった様子が分かり、圧倒されてしまいます。数える気すらなくなるぐらいの部屋数で、これだけの部屋のある家に住んだら・・・さすがに嫌だろうなぁなんて思っておりました。
 次に興味をひいたのが、昔の松山の写真。明治・大正・昭和の写真があるのですが、こういう写真は、貴重ですよね。現在のその場所がわかっているとなおさら面白いと思うのですが、わからなくても、当時の写真を見ることで、その文化や生活が伝わってくるので、好きなんです。その横には、和紙で作られた精巧な紙人形。この展示スペースだけでも、なかなか充実していると思って感心しておりました。
 そうこうしていると、期待の次の獅子舞が始まる時間となりました。今度は、打って変わって、高齢の方が中心の獅子舞。平均年齢が65歳だったか70歳とのことで、先程の獅子舞とは年齢差が激しくて、驚く一方です。さすがに、若さ故の動きはありませんが、60を超えてこの動きが出来るかと考えると、すごいものだと思います。特に後ろ足は中腰で続けるわけですから、大変ですよね。今回の演舞は20分近く続けて行われ、ストーリー性のある獅子舞で面白く感じました。色香に惑わされる獅子舞といった内容だったのですが、結構凝っているんですよね。

 愛媛県では、こうやって獅子舞保存会というものが、何カ所かある様で、郷土芸能としての獅子舞を保存していこうという動きがあるそうです。今回見せていただいのは、「中野町獅子舞保存会」と「一区市ノ井手獅子舞保存会」。こういう郷土芸能を後世に残すということは、いいもんだと感動しました。いいものを見せてもらいました。

 二の丸庭園は、その名の通り、二の丸跡を庭園として整備したもので、当時の間取りに水を張った庭園なんですが、残念ながら、数年来の水不足の為、残念ながらその優美な姿を見ることはできませんでした。数日前からの雨の影響で、少しだけ水が残っているといったぐらいです。そういえば、道後温泉の蛇口には「節水」と書いたプレートが付けられていましたから、かなり深刻な水不足なのかもしれません。
 また、庭園の石垣は地震の影響で崩壊の危険性があるとかで、現在大きな工事を実施していますから、本来の姿の6割〜7割程度しか見ることができなかったのかもしれません。しかし、最初の獅子舞と、昔の写真だけでも十分楽しめ、水こそありませんが、あちこちに咲き乱れる色とりどりの花などをみているだけでも、200円の価値はあると思います。獅子舞は別にしても200円でという値段は妥当な雰囲気、小一時間ならのんびりと過ごせるといった感じでした。

 そうそう、こちらのお手洗いに、「お殿様はあちら」「お姫様はあちら」といった表記がありました。いや、大してことじゃ無いのですが、こういう小技を聞かせたお遊びって、意外に好きなんですよね。なんだか、作っている方も楽しそうで、良さそうじゃないですか?接客を主体にしている様なところは、迎える側に遊び心が無いと訪れる側の楽しく無いんですよね。例え、ちょっと失敗したとしても、こういう遊び心は欲しいと思います。

 本町三丁目の電停を横切り北へ向かって歩いていると、左手に神社が見えました。ちょっとこじんまりとした神社だなぁって思っていたら、「出雲大社松山分詞」でした。ちょっとばかり驚いたのですが、全国展開している出雲大社教ですから、この地に分詞があっても別に不思議なことではありません。ただ、これも何かの縁だろうということで、参拝させていただきます。本当にこじんまりとした感じなので、鳥居を入るとすぐに境内といった感じで、本家の杵築大社とは趣が随分と違います。

 そのまま北へ進路を取り、平和通りに出ると、左手に折れ、伊予鉄道の古町駅を目指します。平和どおりは、大きな目抜き通りなんですが、現在、整備が進行中である旨の看板が掲げられているぐらいで、少し昔の大通りといった雰囲気です。地中にライフラインを埋め込む工事を勧めているそうで、この工事と同時に街路も整備されていくのだろうと思っていると、古町駅に到着。
 思っていたよりも大きなビルが駅舎になっており、車庫も併設されている大きめの駅というのが第一印象だったのですが、改札業務などはコンビニに委託されており、乗車券の回収は、電車到着時にコンビニの店長が回収しておられました。このコンビニも特に店員が多いわけでは無いので、お客さんがレジをしている時に電車が入ってきたらどうするんだろう?なんていうしょうもない疑問が沸いていました。

 古町駅は、西側に鉄道線、東側に路面電車(大手町線・高浜線)が停車する様になっており、路面電車の方についても車両が路面電車であり、専用軌道でホームもきちんと整備されている感じです。面白いのは、大手町駅で東側から西側に入った路面電車がこの古町駅で再度東側に入るといったことで、ここはポイントを渡って、路面電車のホームに入ってきます。ここで疑問が出来たのですが、ポイントの操作なんかはどうなっているんだろう?っていうことです。
 鉄道線である高浜線は、専用鉄道ですから特にトラブルでも無い限り、定時運転されますが、路面電車の方は、交通事情や乗降時間などがダイヤに跳ね返りやすく、バスと同じ様な感じでおおよそのダイヤが決まっている程度です。これで、出会い頭に事故ということが起こらないのか・・・と思ってしまうわけです。ちなみに、大手町のダイヤモンドクロスの場合は、交差するところに踏み切りがあり、鉄道線の列車が通過する場合は、遮断機が降りる仕組みになっています。
 まぁ、特に心配することなく、ポイントの手前に信号機か何かがあり、それで進行がOKかどうかを明示しているんだろうと思いますが、なんとも物珍しいって思った次第です。

 古町駅で電車を待っている時にふと気づいたのですが、市内電車一日乗車券というものを販売しているそうで、その値段がなんと「300円」と格安。1乗車150円の運賃ですから、2乗車で一日乗車券と同額になる計算です。とりあえず、これから乗車しようと思っているわけですが、その後に松山駅に戻る時に乗車するだろうということで、一日乗車券を購入。今の時点で2回乗車しているわけですから、ちょっと損な感じがするのは否めませんが、これを購入することで、この後も気楽に路面電車に乗れるだろうと踏んだわけです。
 販売は、古町駅のコンビニでやっており、乗車日を特定しないタイプの為、何枚か買いだめをしておくことが可能です。乗車する日付のところの銀色の膜を削り取って、運転手さんに見せるという方式です。確か、鹿児島市電と同じ方式だと思います。

 やってきた電車は、2桁のナンバーが付いた古い路面電車。床が板張りであるのが印象的です。こちらも銘板がナニワ工機になっていました。電車は午前中に乗車した時と同じ道をたどります。やはり乗車率はそこそこある様で、基本的に誰か立ち客がいる様な状態です。今回の目的地は道後温泉でしたので、上一万電停で乗り換えます。乗り換えに関して、運転手さんが事細かく説明されていました。観光客相手だと思いますが、こういう公共交通機関の窓口の善し悪しでその街の印象が随分変わる様に思います。
 ちなみに乗り換えを申し出ると、乗り換え用の乗車券をいただけ、乗り換えた列車は無料になるシステムを取っています。

 

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