龍郷町の役所近くの三叉路を右に曲がって北上します。道路は比較的綺麗で、湾に沿って道路は延びています。ちょうど、龍郷町の役所近くからは、火力発電所らしき建物が目につきます。この発電所で、奄美大島の電力を全て賄っているのだろうか?と話をしながら、車を勧めます。
 右手に広がる龍郷湾の青さは、特筆すべきものでものすごく綺麗に見えます。水の透明度とは違うのかもしれませんが、これだけエメラルドグリーンいや、セロリアンブルーに輝く海が日本にあるのか!?と思うぐらい見事な綺麗さです。奄美クレーターの海も見事な色だと思いましたが、龍郷湾は奄美クレーターよりも色が深い様に感じます。ビーチが少ない様に思うので、少し深いのかもしれません。

 途中、西郷南州謫居跡(さいごうなんしゅうたっきょあと)の看板があります。西郷隆盛って奄美大島に住んでたことがあるんだなぁなんて思いつつ、蘇鉄群生地を目指します。(その後、知ったのですが、西郷隆盛は奄美大島に住んでいたのではなく、流刑で奄美に追いやられたということらしいです。ちなみに、「謫居」とは、流刑を受けていることだそうです。知らないことってまだまだありそうです。)
 円の集落が見えて来ると、何となく蘇鉄が増えてきた様な気がします。一体どこに蘇鉄の群生地があるのかなぁって思うのですが、明確に、「蘇鉄の群生地」と書いている箇所はありません。いつのまにか、右手の海は「東シナ海」になっていました。
青色が濃い東シナ海 蘇鉄の群生地付近の道路
 東シナ海はこれまた、湾とは違って、更に海の色が濃い気がします。日本海や太平洋とは違った色をしている気がします。と、もんたさんが、「もしかして、このあたりが蘇鉄の群生地じゃないかな」と声を掛けてくれました。先程から、左手に山があるのですが、その山が全て蘇鉄が植わっている。道路沿いの街路樹が蘇鉄になってるってことが、決め手となり、駐車スペースを探します。いい具合に、道路脇に駐車スペースがあり、車を停車させます。
 カメラを持って、外に出ます。写真撮影をする間に、水着でも干そうかななんて考えて、車のボンネットに水着、バックに泳ぐ時に来ていたTシャツを置くことにしました。日差しがきついので、意外と早く渇くかもと淡い期待を寄せます。

 駐車スペース脇には、水が流れ落ちており、途中、パイプを伝って、その水を汲める様になっています。特に、湧水といった表記が無いので、これが飲める水なのかどうかはわかりませんが、一応、一口、口に含みます。うーん、何て事ない水だと思うんだけど・・・。といった感じで、ちょっとよく分かりません。飲み水なのか、海から上がった人が、塩気を流す為に、確保されている水なのかは今一つわかりません。
 蘇鉄に関しては、山の上までまるまる蘇鉄。何でも、食料に困った時に、蘇鉄により飢えをしのいだことから、飢饉があった時の為の対策として、人為的に蘇鉄を植えたのが、始まりだそうです。ちなみに、蘇鉄の身はそのまま食べると、毒があるそうで危険です。蘇鉄地獄と言われる言葉もあるぐらいです。ちなみに、しっかりと毒抜きをすれば、蘇鉄澱粉は栄養価が高いらしく、かなり重宝するそうです。ということで、奄美大島では蘇鉄味噌(こちらは微生物による解毒作用を利用して作っているそうです)などに加工され、食用になっている様です。
蘇鉄と東シナ海 蘇鉄群生地
 でも、蘇鉄なんかが植わっていると、南国だなぁと思います。蘇鉄と海がまた合うんですよね。東シナ海は、一見穏やかな様ですが、防波堤にあたる波しぶきが結構すごいんですよね。これが、滅多に見られない東シナ海なんだなとちょっと感慨深いものがあります(といっても、九州や沖縄に旅行してますから、何度か見てるはずなんですが・・・)。
 ちなみに、蘇鉄の群生地は、本当は山の上から見るのがいいそうですが、事前に調べておかないとわからない感じです。観光地図には載っているものの、あまり積極的に案内していない様ですし・・・。なんでも、奄美自然観察の森というところから見るのが、最適とのこと。行き当たりばったりでは、なかなか判らないですね。

 さて、ひとしきり、海や蘇鉄の写真を撮って、車に戻ります。ほんの20分弱のじかんだったんですが、干しておいた水着やTシャツは・・・、もうほとんど渇いています。ほんの少し、生乾きなところがあるかなぁって感じで、その日差しの強さには驚きです。私は、本当に長袖が手放せませんねぇ。やはり顔や首回りは日焼けしている感じがします。
 どこに行くことも無く、そのまま半島を一周と思って、車を勧めると集落があり、道路脇にかなり沢山の車が駐車しています。どうやら、お祭りをやっている様で、行くあてが無かったので、お祭りを見学することにしました。

  

ホームページに戻る 各地方TOP編に戻る その7に戻る その9に進む

このページは、スタイルシート(CSS)を利用して構成しています。