ホームページへ戻る

九州・沖縄編に戻る

その1へ戻る

その3へ進む

神話の世界!?はじめての熊本その2(2002年9月21日〜23日)

 11時43分にトロッコ列車が発車して、終点の高森まで時速20Km程度でゆっくりと走っていきます。2両編成のトロッコ列車は大盛況なので、最後部にレールバスも連結しての運転となりました。こちらは、空いていた様ですが、普通の列車としても運転されているので、途中駅からの一般客用と考えた方が良いかもしれません。まぁ、途中駅からもトロッコ列車に乗車される客もいらっしゃいましたので、あんまり変わりないでしょうけど。
 立野を出発して、ゆっくりと高森を目指します。思っていたよりも、車両が揺れ、嵐山の観光トロッコと比べると、随分ワイルドな感じがします。建造は南阿蘇鉄道が開業された年だそうで、かれこれ15年近くたっています。当初は、何か面白い列車を走らせて、子供さんに喜んでもらえたらと思って企画したそうですが、大人の方の利用が多く、座席も子供さん向けにしていた為、横3列×2のかなり手狭な状態。大人2名と子供1名だと、まぁ、なんとか座れるかなぁといった様な感じです。
 トンネル超えて、加勢駅までが一番の見どころな様で、絶景が続きます。右も左も、渓谷美が見事で、トロッコ列車が走るだけの意味があると思いました。最初の一駅がこれだったので、後も期待したのですが、この後は、どちらかというと、田園風景が広がり、借景に阿蘇山が眺められるといった様な感じです。このトロッコ列車、一両に一人づつ車掌が乗務しており、案内をかねています。しかし、スピーカーから流れる音は、トロッコ列車の騒音に見事にかき消され、ほとんど聞こえません。そういえば、後ろの車両の車掌を最初に見た時は、高校生?と思ったんですが、恐らく、原因は帽子をかぶってなかったからなんでしょう。いや、しかし、第3セクターで若い人を採用するというのは、経営は苦しいながらもなんとか見通しがあるのかなぁと思ったりしていました。
 約1時間のトロッコ列車の旅は、景色は綺麗、座席はしんどいといった感じなのですが、なかなか楽しむことができました。たまにしか乗らないので、これぐらいの座席だったら我慢が出来るってもんなんですよね。

 

 高森では、大体3時間近くの余裕があり、いろいろと検討した結果、1本早い列車に乗って、温泉にでもつかることにしました。で、高森で何をしようかと考えていると、車内でトンネル公園の説明があり、そういえば、以前にテレビで紹介されていたことを思い出し、そちらに向かうことにしました。
 高森駅は、南阿蘇鉄道唯一の有人駅らしく、ログハウス風の駅舎があり、駅自身が公園の中にあるといった様に思えます。小さな車庫があり、風景も田園が広がっており、のんびりとした雰囲気が感じられます。乗車券は、下車時に車掌が回収するといった形で、駅舎内などには改札口はなく、開放された感じになっています。全ての列車がバスの運賃収受方式をとっているとのことで、後ろ乗り前降りで、2両編成の場合などは、後方の車両にも係員が乗車し、運賃収受を確認する様になっています。これは、レールバスが貫通扉がなく、前の車両と後ろの車両の行き来ができないことに起因している様で、昔の京福電車がこの方式をとっていたなぁと思い出しました。

 トンネル公園は、徒歩20分ということで、ぶらぶらと歩いてトンネル公園に向かいます。正しくは、湧水公園というそうです。道端には、綺麗にコスモスが咲いており、日差しが出ているものの、暑くてしょうがないといった感じではなく、なんとなく過ごしやすく、心地よい感じです。いい、3連休だと思いながら、歩いていると、団地の造成がされていました。といっても、おしゃれな平屋建ての建物で、これが公営住宅とはうらやましいと感じました。木をふんだんに使った建物で、駅舎まで徒歩3分といった好立地。こんな贅沢な公団の建物って、他ではまず作れないだろうなぁと思いました。

 トンネル公園へは道が整備されている様で、されてなく、後半は砂利道の様なところを通るのですが、突然、大きな堀があり、その堀の下がトンネル公園(高森湧水トンネル公園)になっているそうです。湧水トンネル公園は、国鉄高森線と、国鉄高千穂線をつなぐ為の路線として、工事を開始したそうで、6Kmのトンネルを掘っている時に、高森側から2Kmの時点で、異常出水に会い工事を中断。毎分35tもの水が出てきたそうです。そうこうしている打ちに、国鉄再建法が可決され建設工事そのものが白紙になり、トンネルは放置されたそうです。この異常出水により、周囲の井戸が枯れてしまい、大騒ぎになったとも掲示されていました。その後、せっかく掘ったトンネルをそのまま放置しておくのは勿体ないということで、公園として、高森側から500mだけ開放したそうです。
 当初は無料で開放していたそうですが、その後、整備費ならびに維持管理費がかさむ為、公園の維持協力費として100円の入場料をとる様になっていました。一応、掲示には、一律100円に協力してほしいとありましたが、窓口がきちんと出来ており、払わずして入ることはできない様子。わざわざ、協力うんぬんと閣よりも、入場料として書いた方が良い様に思えたのですが、このあたりは日本人特有の言い回しなんでしょうけか?しかし、トンネル公園ですから、ず〜っと奥まで電灯を付けておかなければいけませんし、清掃も行き届いており、この入場料は妥当かなと思えなくもありません。

 中に入ると、涼しく年間通して17度の気温だそうです。しかし、やはり湿度は高い様で、少し重たい空気を感じました。9月まで竿を建てて飾りつけをしており、500mのトンネルを歩くのも苦にはなりません。広告効果もあるのか、学校や公的機関以外にも、銀行やテレビ局、病院が作ったものもあり、そのいずれもが、手作りの味があり楽しめました。一番、奥の方に、ブラックライトを使った空間があり、不思議なひかり方を楽しんでいる人がひっきりなしにやってきます。観光コースになっているのか、たまに団体さんが十数人ぞろぞろと奥まで歩いていくのを見受けます。
 一番、奥に水が溢れ出てくる岩壁があります。実際は、その奥もトンネルがあるわけですから、トンネルの奥を表現したものとは思いますが、鳥居を設置してあり、それだけでも神域の様に思えます。その手前には、ウォーターパールという噴水?があり、水に特殊な音波を当てて球体にする装置があります。確かにそう言われると、低周波の様な音に合わせて、水玉の大きさがかわったり、さらにライトの明滅効果もあって、落ちていく水が上に上がっている様に見せたりしています。この装置が、湧水トンネル公園の一番の目玉の様です。

 これで、終わりと言えば、終わりなんですけど、ゆっくり見て回ると、1時間弱程遊べるわけでして、なかなか有意義だと思いました。ただ、暇つぶしにはいいのですが、これを目的にして行くと、ちょっと残念な内容かもしれません。受け止め方にもよるかもしれませんが・・・。

 駅に戻ると、2両編成のレールバスが停車しており、前が普通のレールバス、後ろがアンティーク調のレールバスという編成でした。珍しいので、後ろ側の車両に乗車。座席も、オールクロスシートで、木目が美しく、なかなか雰囲気の良い列車です。先程説明した通り、前の車両は運転手が、後方の車両は係員が運賃収受を行います。ちなみにこの車両は貫通扉が着いていますので、もしかすると今後、レールバスを置き換える様なことがあれば、貫通扉付として、JRなどと同じ様な感じで2両編成でも1人の乗務員で運賃収受を行うのかもしれません。
 阿蘇のすそ野の田園地帯をとことこと列車は走っていきます。往路のトロッコ列車と比べて、速度も乗り心地もまったく違います。20分程で阿蘇下田城ふれあい温泉駅に到着。今回は、ここで下車して、温泉に浸かってみることにしました。
 駅舎そのものが、お土産物売り場兼温泉の受け付けとなっており、自動券売機で入湯券を購入します。お値段は村外からのお客さんは大人が400円、子供と65歳以上が200円、村内の場合は、大人が200円で、子供と65歳以上が100円となっています。畳敷きの休憩所もあり、おじいさん、おばあさんの社交場の様な感じになっていました。

 貴重品用のロッカーは中には完備されていない為、コインロッカーに入れる様に促していました。何かあったら、嫌なのでコインロッカーに一応、閉まってから中に入ると、お客さんは誰一人としていませんでした。お風呂そのものは、さほど大きいわけではないのですが、一人で入るにはかなり大きいと思います。本当に、洗い場とお風呂のみといった感じなのですが、天井が高いので解放感があります。窓の外はホームになっており、列車が到着すると、屋根とパンタグラフが見えます。
 お湯は結構垂れ流していましたから、循環湯ではない様でした。ぼ〜っと一人でお風呂に入っていると、お客さんが一人、また一人といった感じで入ってきました。といっても、湯船に3人漬かるぐらいはなんてことない大きさです。天気も良くて心地よいなぁと思いながら、30分ばかりを温泉で過ごしました。

 

ホームページへ戻る

九州・沖縄編に戻る

その1へ戻る

その3へ進む