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ぶらっと雨の鹿児島編2(2002年5月4日)

 こちらのターミナルはどちらかというと、さびれた雰囲気で、照明も少なく、薄暗い雰囲気。これまた、鹿児島港のそれと比べると、陰と陽といった感じですが、良く考えると、鹿児島港の方も照明が少なかった感じですが、新しい上に、天井が高く、採光が良く考えられていたために、そんなに薄暗い感じがしなかっただけかもしれません。

 構内にはJAの売店とお土産物屋さんが2店ほど店を開けていましたが、さほど利用客がいる様子はありません。フェリー到着直後ということもあり、観光案内所は大忙し。私も、マグマ温泉の情報を得ようとチラシなどを探したものの、それらしきものは見つかりません。古里温泉のホテルの広告がターミナルに張ってあり、こちらだと、2500円から昼食付きで入浴できる旨がありました。これだと、ターミナルの1階から送迎バスがでているとのことで、これはもしかしたら、いいかも知れないと思ったのですが、時計を見ると、どうやらバスが2分ほど前に出発した様子でした。
 案内所横のチラシ入れに何か地図は無いものかと探していると、手書きの印刷物で「桜島港周辺マップ」なるものがありました。原紙がどうもかなり古いらしく、かなり水来のですが、一応、見れなくは無いと思い、それを手に取ると、観光案内所のお姉さんが、桜島のドライブマップを下さいました。観光案内となっているのですが、歩いて行くにはあまり役に立たない地図・・・と思ったものの、こういう地図ものは結構好きなので、ありがたく頂戴いたしました。

 目をひいたのは、桜島国際火山砂防センター。なんだか、火山づいている気がしますが、雨が降っている時に、こういう施設というのは、ちょうどいいんですよね。いろんな意味で火山関係の資料館というのは好きでして、今回は火山のための砂防の資料館というわけで、一昨年に訪れた(あれ?昨年だったかな?)山形県の砂防資料館とどの陽に違うのか気になるところです。
 港からバスに乗車して、桜島病院前というところで下車するといいらしいというのは、港にあったパンフレットで分かったのはいいのですが、問題はバス。どのバスに乗ればいいのか、はたまた、どれぐらいバスを待ったらいいのかという点。とりあえず、バスターミナルの方におりていくと、古里温泉ホテルの送迎バスがちょうど出発して今まさにターミナルを出ようとしたところでした。ちょっと残念。とりあえず、バスの時間を確認すると、30分ほどまたなければいけない様でしたのでこれまた断念。たまたま、周辺マップで見つけた、道の駅に向かうことにしました。ここにいくと、マグマ温泉のことについて何かわかるかもしれないと思った次第です。

 雨は結構な本降り。歩くたびに濡れるといった感じです。あまり歩くことを想定していない様で、歩道はあまり整備されていません。一応、歩道はついていますが、車主体といった感じです。港の前には、レンタサイクル、レンタバイク、レンタカーの取次店がありました。この雨だと、これらを利用してもいいのだけどと思ったものの、桜島にそんなに長いこといるとは思えないので、歩いて、道の駅を目指します。地図の縮尺がいったいどれぐらいのものなのか、道の駅まで遠いのか近いのかが全くわかりません。歩いてすぐのところに、ユースホテルがあります。ここに「マグマ温泉」と書いてあるではないですか。え?これ?と思ったのですが、どうも先程見た写真とは外観が違う様子なので、このあたりの温泉のことをマグマ温泉と呼ぶのだろうと思うことにし、そのまま道の駅へ。道の駅までは、歩いて5分程度のところでして、到着する頃に雨は小振りになってきておりました。火の島めぐみ館という名前らしく、資料館が併設か?と期待したのですが、お土産物屋さんと、レストランといった構成。お金を崩す意味も込めて、ここで昼食をとろうかと思ったのですが、行列ができていたため、断念。めぼしいお土産を一応、確認したものの、雨の中、持ち歩くのもいま一つなので、ざっと見て回っただけにしました。気になったのは、溶岩を鉢変わりにした花だったのですが、溶岩を持ち歩くのを考えるとちょっとねぇ・・・。カーネーションがついており、母の日のプレゼントにはいいかなぁと思ったのですが、やはり溶岩を持ち歩くのは・・・。

 すぐに道の駅を後にし、道を戻って曲がり角のところにあった建物を目指すことにしました。なんだか、とても広い駐車場があり、その奥に、建物が二棟あり、どうもこれがそのマグマ温泉では無いかと思ったのでした。ただ、大きな看板などは無く、遠くからしか見れていないので、確信は持てなかったので、確認の意味も込めて、向かいました。ここの駐車場を経由した形で、車がフェリーに乗船できる様になっているのですが、おびただしい数の乗船待ちの車が行列を作っています。車についても、旅客と一緒で、桜島港側でのみ清算できるというシステムを持っています。ここまで徹底していると、合理的だなぁと思います。また、これだけ行列ができても、頻繁にフェリーがやってきては、出発しますから(ちょうど、車が下船、乗船し終わると出発といった感じです)、都会の渋滞に比べると、気にならないのかもしれません。

 近くまで行ってようやくわかりました。国民宿舎「レインボー桜島」という施設だそうで、日帰り温泉桜島マグマ温泉となっています。なるほど、なるほどということで、入浴することにしました。気になったのはお金の方だったのですが、ここの自動券売機は高額紙幣OKということでしたので、問題ありませんでした。同時にお金も崩すことができてよかったです。入浴料は300円。1日入浴券というのが、700円で、どちらにしようかと悩んだのですが、もしも2回入ろうと思うことがあっても、1回券×2の方が安いので、普通の入浴券としました。ちなみに、1日入浴券の場合は、湯上がり時に畳みの休憩所が利用できるという特典がありましたが、まぁ、それは省いても大きな問題にはならないでしょう。

 脱衣場はロッカータイプではなく、カゴになっており、貴重品は貴重品ボックスというのが、少しだけありました。あまり利用している人はいなかった様ですが、一応、心配なので、貴重品ボックスの方に財布とカード入れだけ入れておきました。ひっきりなしにお客さんが入ってくるので、そんなことをする人もいないだろうと思いますが、やはり念を入れておくことに越したことはありません。ちなみに、鍵付きのロッカーもあるのですが、こちらは100円と有料でしたので、やめておきました。お金は返ってきませんとありました。本当は財布よりも、荷物の方が高額なのですが・・・。

 お風呂は、マグマ風呂、木炭風呂、ジェット風呂、低周波風呂、打たせ湯、サウナと一通り揃っております。露天風呂は無いですが、値段を考えると、十分でしょう。低周波風呂は大阪では電気風呂と呼ばれているものですね。これ、東京の方に行くと無いという噂を耳にしたことがあるのですが、本当でしょうか?まぁ、私は、入れないなのですが・・・。
 マグマ風呂は、鉄分を含んでいるので、赤茶色のお湯でした。ちょっと熱いお湯です。有馬温泉のものよりは、茶色いと感じました。目茶苦茶熱いというわけでは無いのですが、あまり長時間入っていると逆上せてしまいそうな感じでしたので、木炭風呂の方に入りました。こちらは、逆にぬるいという感じですが、なかなか気持ちよい感じです。窓が開いており、そこから風が入ってくるのですが、これがまたなんとも気持ちよい感じです。ちなみに、木炭風呂の方はジェット風呂にもなっているので、本当の意味でもリラックスできます。

 お風呂でさっぱりした後、あの汗と雨にまみれた服を着るのかと思うと抵抗があったのですが、裸で歩き回るわけにも行きません。それに、西鹿児島駅前には天然の温泉を使っている銭湯が多いという情報を事前に鹿児島市のホームページで得ていますから、その時までに、Tシャツと靴下を駅前のダイエーででも購入しておいて、着替えるというのがいいだろうと算段を立てました。
 嫌な感じはするものの、着てしまえば、どうってことは無いといえば、無いわけです。もともと、その格好が動き回ってましたからね。それでも、靴下が濡れているのが一番嫌なんですが。

 お風呂に入っている時に、雨が小休止した様なので、温泉施設からでて、海が見渡せる庭というか公園を歩くことにしました。良く見ると、溶岩が固まった様子の黒い岩がそこかしこにあり、奇岩を形成していました。なかなかすごい風景だと思っていたのですが、どうも波打ち際あたりの海水が赤く見えます。そうやってみると、そのあたりの岩には、ゴミがたくさん付着しており、どうやら赤潮が発生していた様でした。琵琶湖で体験した赤潮は、すごい匂いがあったのですが、こちらはあまり嫌な匂いがしませんでした。しかし、赤潮であることには間違い様で、それに善し悪しがあるというよりも、赤潮が発生する環境になっていることを真摯に受け止めなければいけないと感じました。もしかすると、赤潮とは別のものなのかもしれませんが、周辺のゴミらしきものを見ると、そう連想してもおかしくは無いと思います。

 奇岩がつらなる海岸を歩いていくと、赤潮らしきものが発生しているのは、ごく一部分だけで、どうやら海水が入れ代わりにくい窪地になっている様でした。ゆえに、そこにゴミがあつまり、赤潮らしきものが発生したと推察されます。まぁ、何にしろ見ていて、あまりいいものではありません。
 この奇岩の上に芝生を敷いて、公園の形としており、遊歩道が整備され溶岩が独特の景観を生み出してくれています。カメラを向けるところは沢山あるのですが、これまた、雨が降り出してきて、再度傘をささねばいけません。どうも、タイミングが良くない。本当に晴れていたらと悔やまれます。もう一度、雨が降らない時にやってきたいと思うものの、良く考えると、鹿児島県というのは、台風被害や豪雨被害の多いところですから、もしかしたら、晴天率が低いのか?と思ったりもしますが、まだ、やってきて一回目ですから、その時の印象だけで話をするのは、良くないでしょう。次にやってきて雨だったりすると、う〜む、考えてしまいますねぇ。

 これまた雨が止みそうに無いので、桜島港へ引き返すことにしました。雨が降っていなければ、そのまま遊歩道を歩いて、ビジターセンターの方に向かい、資料等も見たのでしょうが、雨=早く帰りたいという感じになってしまい、港へ急ぎました。ビジターセンターに資料が展示しているということに気づいたのは、帰って来てからだったわけで、そちらに足を向けていれば、有意義な雨宿りができたのにと悔やんでおりますが、これもまた、次回への布石ということにします。

 復路の船は往路ものとは違い、あきらに大きい新しい船でした。第十六櫻島丸だったと思います。往路が第五櫻島丸でしたから、その間11世代もあるわけですが、16隻も櫻島丸があったのか?と思うと、不思議でした。後から調べると、現在就航しているのは、6隻だそうです。それも、どういうわけか、櫻島丸、第十三櫻島丸、第五櫻島丸、第八櫻島丸、第十五櫻島丸、第十六櫻島丸とバラバラ。就航年も、第八櫻島丸→櫻島丸→第五櫻島丸→第十三櫻島丸→第十五櫻島丸→第十六櫻島丸とバラバラ。いったいどうなっているんでしょう?
 ちなみに、復路に乗船した第十六櫻島丸は車両甲板が二層構造になっており、往路に乗船したものと比べる、あきらかに収容力が違う感じがしました。それでも、車の行列は一向に解消される気配はされませんでしたが・・・。

 で、結果的に桜島では何も食べずに鹿児島市街地に向かうことになりましたので(桜島の西半分が桜島町で、東半分が鹿児島市になっています。桜島町をぐるっと鹿児島市が囲う様な形になっています)、結局、船のうどん屋さんを利用することにしました。色々と悩んだ挙げ句に、かけうどんとおにぎりにしました。合わせて500円。天ぷらうどん500円と比べると値頃感はありますが、それでも少し高い感じがします。でも、かけうどんが出てきて驚きました、さつま揚げが乗っていたんです。関西弁でいうと、それこそ『天ぷらうどん』となってしまいます(^_^; 【注:関西ではさつま揚げのことを天ぷらと呼ぶんです。ただし、天ぷらうどんは普通の天ぷらうどんがでてきますよ!】
 ちょっと豪華と思いながら、食べてみると、なかなかおいしいではありませんか。期待していなかった分余計においしく感じられたのかもしれません。

 さて、鹿児島市の桜島桟橋に到着した後、さてさて、どうしようかと考えていたところ、とりあえず時間潰しも兼ねて、かごしま水族館に立ち寄ることにしました。入場料1500円というのは、ちょっと考えてしまいましたが、アクアスと同じ値段と考えると、まぁ悪くない値段設定かと思います。それにどうやら新しい雰囲気ですから、ちょっと期待できそうです。入場料は1500円なのですが、年間パスというものが設定されていまして、こちらは3000円。や・・・安い。2回くれば元が取れる計算になります。さすがは市立ということなのかもしれません。年間パスの安さは特筆ものだと思います。さらに家族で同時に購入すると、1割引となるという設定には、驚き以外になにものでもありません。

 で、中に入ってみると、すぐにエスカレーターで2階にあがります。まず目に飛び込んできたのが、大きな水槽+ジンベエザメ。驚きでした。ジンベエサメが海遊館以外にもいたんですね。ちょっと小振りな感じはしますが、まさしくジンベエザメです。名前はユウユウというそうで、これまた、あれれ?海遊館のジンベエザメと同じ様な名前(ちなみに、海遊館のジンベエザメはユウちゃんだったと思います。カイくんが無くなったのが、ニュースになりましたよね)。かなり大きな水槽なんですけれど、海遊館、アクアスの大水槽に比べると、少し小さい感じがします。それでも、市立水族館でこれだけのものがあるというのは、驚きです。アクアスよりも先に出来ていることを考えると、アクアスがこちらを参考にしたのかもしれません。これから先を見ていると、色んな意味でアクアスと比べてしまうところが多々あります。
 ちなみに、ここのジンベエザメ(和名は、甚兵衛鮫と書くそうです)は、近くの海の定置網にかかったそうで、それをこちらで展示することにしたそうです。フラッシュはやはり禁止されており、長時間露光で撮影する以外に方法はありませんが、魚のスピードが早いので、長時間露光にもかなり無理があります。入り口横にロッカーがあったので、カメラバック以外をロッカーにしまっており、その中にミニ三脚を入れていたということもあい待ったなんともはや・・・タイミングが悪いと思いました。

 水族館はあくまでも水族館でして、色々な魚を見せてくれます。その中でも一番面白かったのは、飼育員の方が直接説明してくれる、伊勢海老講座。伊勢海老はどうして伊勢海老と呼ぶのか。日本では伊勢以外に採れないのかといったところを説明してくれ、さらに成長についても教えてくださいました。ちなみに、伊勢海老は茨城県から鹿児島県屋久島、韓国・台湾といった範囲で取れるそうで、伊勢海老の名前がついたのは、伊勢から京の都に献上された海老というところからついたという説と、磯海老が鈍ったという説があるそうです。だから、屋久島で捕れた伊勢海老も伊勢海老だそうです(う〜む、説明が難しい)。ザリガニと伊勢海老の決定的な差は、ハサミがあるかないかということだそうで、ハサミがある海老を伊勢海老とは呼ばないということも面白おかしく話してくれました。ちなみに、オマール海老は、伊勢海老というよりも、ザリガニに近い仲間だそうです。ということは、ザリガニも食べれるのかなぁなどと思いながら、聞いておりました。
 後、伊勢海老は回遊するそうで、日本近海で育ったのち、黒潮に乗って、南の海へ旅立ち、大きくなった頃に日本近海に戻ってきてくれるそうです。日本人にはなんとも都合のいい海老ですね。その成り立ちからもなかなか養殖が難しいらしく、伊勢海老を育てて大きくなるまで実験された水産研究所の職員の方が言うには、手間がかかりすぎて(餌を一匹一匹、口元まで持っていかないと食べないそうです)、コストが高く、養殖として広めるにはまだまだ手間がかかりすぎるそうです。

 にしても、イカ、エビ、カニが並んでいる鹿児島の海のフロアはちょっと・・・食材に見えてしょうがないですが、色々と趣向が凝らされており、楽しめます。たとえば、カニの水槽は、照度が4段階に変えることができる様になっており、5m、10m、50m、200mの海の明るさに設定できる様になっていました(デフォルトは50m)。タコやイカについての説明は、アクアスの方が詳しいですが、あれに興味を示す人の数を考えると、かごしま水族館ぐらいで十分といえば十分でしょう(^_^;
 それをすぎると、一段高いところに、展望台を兼ねた休憩コーナーがあります。6時を過ぎた頃だというのに、外はまだまだ明るく、港と桜島が一望できます。もちろん桜島の半分は雲に隠れており、本来の姿の半分しか見れません。休憩コーナーでは飲み物の自動販売機とアイスクリームの自動販売機がありました。何かないものかと思ったところ、どうやらアイスクリームはかごしま水族館限定ものらしいということがわかり、それを一つ購入することにしました。値段はブルーハワイが150円、抹茶と紫芋が200円でした。どういうわけか、定番のバニラなどがなく、これら3種類だけというのも妙な感じです。味は、おいしいと思います。ただ、特別目茶苦茶おいしいと感じたわけではなく、普通に食べることができるアイスクリームといった感じです。200円という値段についても、高いとは感じませんでしたから、それなりにおいしいアイスクリームだと思います。ただ、バニラが無いというのは、ちょっといただけませんが・・・。ところで、このパッケージに目をやると、なんとも面白い感じです。紫芋と書いてある上には、くらげの絵が・・・。う〜む、水族館をイメージしたパッケージなんでしょうが・・・。

 特設展もあり、ヒトデ展をやっておりました。面白いと感じたのは、ヒトデの着ぐるみが置いてあり、それを着て写真を取ることができるというもの。一人だったのでやりませんでしたが、何人か一緒だったら、私も順番を待って、着ぐるみを着てみたかもしれません。子供が元気にはしゃぎ回れるコーナーとして独立しており、水槽に飽きた子供達の絶好の遊び場だと思います。

 意外と広いなぁと思いつつ、レストランコーナーがありました。どうやらバイキング形式(食べ放題じゃありません)に選んでいく方法に近い様で、見た目は綺麗な雰囲気でした。時計を見ると、19時前を指していましたから、ここで食事してもいいかなぁと思い、ショーウィンドウを見ていると、隣にいた年配の女性が「お母さん、ここはあまり良く無いから、外で食べましょう」という会話が・・・。確かに、専門店と比べると、その通りで別に、さほど急いで食べたいというほどではなかったので、ここでの食事は諦めました。というか、本当に食べたいものは、郷土料理だったわけで、カレーとかスパゲティが中心のメニューにあまり魅力を感じていませんでした。
 結局、立ち止まった程度で、そのまま1階へ戻り世界最大の淡水魚であるピラクルーとかいう魚のコーナーにあります。説明文を読んでいると、現地の方が食用として捕獲していることと、環境破壊によって、その数が減ってきているということを強調している様でした。水族館故に絶滅危惧種の保護という意味が込められているのだろうと思うのですが、どうしても食用であることを強調している点だけは納得がいきませんでした。食用による乱獲についての知識がいま一つ無いのですが、現地の方の食卓事情についても説明があれば、よりリアルになるのになぁと思っていました。ちなみに、鹿児島水族館の売りの一つがこのピラクルらしく、世界初ピラクルーの繁殖に成功した水族館だそうです。見た目は、お世辞にもかわいいとは思いませんでしたが・・・。体調4.5mですからねぇ。

 さて、これで終わりかぁと思っていたところ、よくよく考えると、水族館につきもの(と勝手に思っているんですが)の、アシカやイルカのプールがなかったことに気づきました。あれれ?と思っていると、出口近くに別棟があるということがわかり、そちらへ向かいました。まず、ラッコの水槽があり、ラッコが思い思いに泳いでいる姿が見れます。ラッコさんの愛嬌のある表情が好きなんで、水槽の近くまでよってじ〜っと見ておりました。確か、10年ほど前はラッコが水族館で見られるというのは、かなり貴重だった気がするのですが、最近はほとんどの水族館で見ることができますよね。爆発的に飼育された海の生物じゃないかなぁとふと思いました。ところで、ラッコって千島列島からアラスカにかけてが主な棲息地だったんですね。説明文を読みながら、妙に関心しておりました。

 つづいて、エレベーターで地下2階におりると、、イルカ水槽の底を見ることができます。ショーは17時から後はやっていない様で、思い思いにイルカさんが泳いでいます。つづいて、地下1階に行くと、イルカショーのスペースがあり、観客席は開放されていました。結構というか、水槽ギリギリまで近寄れます。水槽のところどころに、『イルカに噛まれることがありますので、手は出さないでください』と貼り紙がしてありました。

 イルカ館から外の風景を見ると、桜島フェリーがイルミネーションを付けて入港してきているのが見えました。時間は19時20分ころを指していましたが、外は真っ暗というわけではなく、西に来たなぁと実感してしまいます。逆に釧路などに行くと夕暮れが早いのに驚き、東に来たなぁと思ったりするんですよね。

 さて、鹿児島水族館をあとにし、外に出て、外観を撮影。雨は降っているか降っていないかよくわからないといった具合の細かいものがパラパラといった感じでです。鹿児島水族館の独特の外観を何枚か撮影し、バス停へ向かいます。バス停へは安全のためか、必ずフェリーターミナルに上がってからで無いといけない様になっています。結構歩き疲れており、うっとうしく感じたのですが、まぁ、しょうがないということで、案内の指示に従い、フェリーターミナルに。昼間は明るかったのですが、やはり晩になると、かなり暗い雰囲気になっています。ターミナル内で泊まるということを禁止するといった旨の掲示を見たのですが、よく考えると、24時間営業のフェリーですから、その可能性は十分にあるんですよね。
 バス停の手前でバスが時間待ちをしている様で、バスの発車時刻を見たところ10分後ぐらいということがわかりました。ただし、どうやら西駅には行かない様なので、途中の天文館あたりで市電に乗り換える算段でバスに乗車することにしました。お客さんは3人ぐらいがバス停で待っていますが、なかなかバスはバス停のところまでやってきてくれません。どうせ時間待ちするんだったら、バス停で待ってくれてもいいのにと思いながら、手前で停車しているバスを恨めしく思いながら見ておりました。
 そうこうしていると、あたりは真っ暗にってきて、夜の鹿児島という雰囲気になってきます。桜島桟橋周辺の該当が綺麗に整備されており、かなり良い雰囲気を醸しだしています。雨上がりという点も景色を綺麗にしてくれている気がこころなしかします。

 バスに乗り、天文館バス停で降りてみると、市電の天文館通りから数百メートル離れた位置だったのには驚きました。てっきり近いと思って下りたのですが、手前のいづろバス停の方が、乗り換えるには良かった様です。鹿児島の繁華街らしく、沢山の人が行き交い、その中を天文館通り電停へ向かいました。ふと、左を見ると、ハンバーガーショップが目に入りました。フレッシュネスバーガーというお店。フレッシュネスバーガーというと、うちの職場で生産している照明器具の特注品が使われていることで、うちの職場では有名でした。で、店内をのぞいてみると、ありましたありました。ただ、特注品ではなく、一般品が付けられていたのが、ちょっと不思議だったのですが、まぁ、インテリアの関係とかでそうなったのでしょうね。

 電停はかなりの人が待っており、安全地帯に立っているのが、やっとといった感じです。やはり手前のいづろだったら、その心配はなかったのですが、なかなかうまいこと行かない様です。乗り換え客を分散させるという意味で、バス停と電停を離しているのかもしれません。市電沿線の場合、バスに乗車するよりも、市電の方が安いですから、その分利用客も多いのでしょう。
 とりあえず、これで4回市電とバスに乗車しましたので、なんとか一日乗車券の元をとった計算になります。ここまで安いと果たして元がとれたのかどうかと思ったりするんですが・・・なかなか一日乗車券というのは、使い方が難しい感じですね。

 西駅に戻り、まずはコインロッカーに大きな荷物を預け、ダイエーへ向かいました。というのも、替えのTシャツと靴下を購入するのが目的です。何にしろ、雨に降られたのと、蒸し暑いという2点で雨や汗やらで気持ち悪かったのです。とりあえず、それを購入してから食事をして、西鹿児島駅周辺にあると聞いている銭湯に向かおうと思っていたのでした。
 食事は、結局駅構内にある米米麦麦(こめこめばくばくだったと思います)というお店にしました。注文したものは、薩摩定食だったと思うのですが、どうも記憶が曖昧でして、西郷定食だったかもしれません。どうやら、鹿児島をベースにしている会社のレストランの様で、鹿児島空港を始め、他に何点かある様です。居酒屋兼レストランといった感じなのですが、でてきた料理はなかなかおいしかったです。鹿児島の名産を中心構成されており、メインは豚の角煮でした。店内にある説明などを見ていると、黒豚にかなりこだわりがあることがうかがえました。ただ、店員のお兄さんの愛想はさほど良くなかったですが・・・。閉店近くに食事だけだったからかなぁと思いながら、味・量ともに満足げにお店を後にしました。

 さて、早速銭湯に向かったのですが、実は場所が全然わかりません。西駅近くに結構あるという観光パンフレットなどの情報だけで、住所もわからずに、とりあえず、銭湯がありそうな雰囲気を醸しだしている、東出口のすぐ南側にある商店街を歩くことにしました。どうも、そこには無いような雰囲気でしたので、表通りにで、次の電停みやこ通りの手前で右に折れ、JRをまたいで、駅の逆側に。こちらは駅の裏側といった感じで、あまり照明もなく、まだ整備されていない様子。歩いているものの、どうもそれらしきものは見つからず、西鹿児島駅のちょうど西出口あたりに差しかかりました。九州新幹線がいつやってきてもおかしく無い雰囲気を出しており、上にあかりが着くまでにもういちどやってきたいと思いながら、銭湯を探します。道路の左右を見ながら、それらしい看板は無いものかと注意深く見ながら、歩き回ります。昼間に結構歩いた気分でしたので、足が重たいのですが、疲れをいやせるお風呂のためにと歩き回ります。
 駅から300mほど歩いてまたもや、JRをまたいで、東側へ。どうやらこのあたりは西鹿児島駅周辺の繁華街になっている様で、飲み屋さんとかが固まっていました。まぁ、私にはあまり関係の無いところだなぁと思いながら、銭湯・銭湯・・・と思いながら歩きます。

 甲突川を渡らない様に、南東方向に歩きます。ナポレオン通りをまたぐ時に、ふと、その道路の雰囲気がとても良い感じでしたので、思わず、写真を撮ってみることにしました。街路樹が街頭に映し出されて、綺麗に見えます。やはり、雨上がりのみずみずしさというのが、余計に綺麗に見えると再認識しながら、数枚を撮影。
 そのまま、共研公園にさしかかり、左手を見ると、それらしき雰囲気のあかりが目に入りました。ただ、ちょっと遠いよなぁと思い、少し先に行ってから他に無いか確認したものの、ここしか無い様に思え、そちらへ向かうことにしました。歩き回って余計に汗で気持ち悪くなっていました。
 で、その明かりが近くなって、よくよく見てみると、銭湯ではなく、酒屋さんでした。う〜む、どうかしている様です。そのまま東に向かって、大きな通りを右折し、甲南高校の方へ。この時点で、方向感覚はわけがわからなくなっており、もう道に迷っているのと同じ感覚になっていました。

 こりゃ、いかんと思い、なんとなく覚えているダイエーの方向を目指し、またもや右折して、歩きます。もちろん、目は銭湯を探していますが、いっこうにそれらしきものが見つからない。時計は22時を指しており、1時間近く徘徊していることになり、なんで、こんなことに・・・とうらめしく思いながら、歩いていると、路面電車が走っていくのが見えました。これで、なんとなく自分の位置がわかり、ほっと一安心。表通りを右折し、路面電車の河川を確認し、次の角で、一本東側の裏道に入り、銭湯を探すことに再度専念することになりました。が、しかし、見つからず、西本願寺の前を過ぎてから左に折れ、市電通りをわたり、最後に商店街を一周して見落としがなかった確認したものの、見つからず、駅に戻ることになりました。

 結局、歩き回っただけでして、気持ち悪いまま。さっぱりすることもできなかったのですが、とりあえず、この汗くさいTシャツと靴下だけはなんとかしようと、駅のトイレで着替えて、ドリームつばめを待つことにしました。

 驚いたことに22時半近くになっても、キオスクが開いておりました。なぜ、こんな時間までと思っていたのですが、その答えはドリームつばめが入線してくる前の案内放送であきらかになりました。ノートパソコンをひらけ、公衆電話につないで、メールチェック。携帯電話を持っていれば、こんな面倒なことは無いのでしょうが、私には公衆電話は必需品です。もちろん、アナログケーブルも持ち歩きます。久しぶりに外からのメールチェックに右往左往しますが、なんとかチェックを終了。

 23時45分のドリームつばめに乗車するのですが、その列車は23時18分ころに入線する予定と放送がありました。それにつづいて、車内販売が無い旨が告げられ、事前に改札前のキオスクの利用を呼びかけていました。なるほど、供食設備が無いわけですから、それを必要とされる方のために、わざわざこの時間までキオスクを開けていてくれたようです。これは、はっきり言って、すごいサービスではないかと思いました。さすがはJR九州!と思った次第です。
 というわけで、キオスクで、飲み物と、ちょっとしたお土産を購入して、ホームに入りました。乗客はさほど多く無いのですが、7両編成ですから、それもしょうがないことだと思います。ちなみに、この列車のすごいところは、1両丸々が女性専用席になっていた点。確か5両目だったと思いますが、こういう細かい配慮には脱帽ものです。ちなみに、喫煙車両は7両中1両のみで、その車両だけ、自由席と指定席が混在しているという形になっています。愛煙家の方にはちょっと肩身の狭い思いがする感じですが、今年の3月の改正からJR九州内の特急はすべてこの形になったそうです。

 いざ、座席に座ってみると、かもめ号の様に革張りの座席では無いのですが、これがなかなかしっかりとした座席で、足元も広く、いい雰囲気です。JR九州ご自慢の特急の一つであるだけのことはあります。天井に目をやると、未来的な雰囲気を醸しだす細かい直線の筋が目に入ります。メタリックに光っている様に思うのですが、それが強調されるわけではなく、高級感にあふれていると感じました。ただ、夜行列車としての唯一の欠点は、座席のリクライニング角度でしょうか?普段の昼行特急ですから、しょうがないのですが、中途半端な角度までしか倒れないので、どうも寝にくく感じました。ちなみに、耳栓とアイマスクをして完璧に寝る体制に入りました。出水に到着したところまでは覚えているのですが、その後は、どうやら眠ってしまった様です。
 2時過ぎに熊本に到着。前の電光掲示板を見ると、発車時刻が表示されていました。どうやら2時間近く停車する模様。ここで、時間稼ぎをする様です。車内は、約半分の乗客といったところです。少し車内が暑いので、冷たいものでも購入しにホームに降りました。後ろの女性専用車両の方は、他の車両に比べて、幾分すいている様で、顧客を限定するというのもまた難しいものだと思いました。
 列車が動かないですから、音や揺れがなく、ゆっくりと眠ることができるかと思うと、やはり登場するのがいびきなわけです。今まで幾度となくこれに悩まされましたから、今回は耳栓をしっかりとして、眠ります。アイマスクは暑くて、汗をかくので、いらないと思うこともあるのですが、耳栓は本当にありがたく感じました。旅のお供に耳栓。これはいい感じです。

 午前5時20分ころに車内放送が再開。車内を見渡すと、ほぼ満席の大盛況。夜行列車というよりも、早朝の特急列車として利用されている方が多いようで、鳥栖などでまとまったお客さんが乗り込んできました。5時45分の定時に博多に到着。6時発のひかりレールスターに乗車するため、新幹線ホームに急ぎ、改札を通ります。すると駅員さんが『どうやら、つばめが到着したらしい』と会話をしています。まとまったお客さんが乗り換えるのか、私がそういう雰囲気を醸しだしていたのかは謎ですが、その様な会話。新幹線ホームに立ち、外を見ると、どんよりと曇った様子。結局、九州で晴れ間は全く見れずに変えることに博多を後にすることにしました。
 ちなみに、朝食にと博多駅でとりめしという駅弁を購入。レールスターに乗車すると、早朝の一番列車らしくほとんどお客さんが乗車されていません。JR九州の特急にも負けないぐらいのインテリアと座席のレールスター。これで約2時間半の旅というのは、やはりうれしく思います。レールスターの特徴の一つであるサイレンスカーはゴールデンウィーク期間のためか、設定が無いという旨のアナウンス。

 快調な滑り出しで、博多を後にし、あっという間に小倉に到着。関門海峡を超え、本州に上陸。外の風景を見ていても、かなりの速度であるために、見ているという感じにはさせてもらえません。車窓を楽しむためにはかなりの動体視力が必要な様です。早くて、座席が快適なのはいいのですが、その分、音がすごいのがレールスターの特徴では無いでしょうか。さらなる防音設計がなされると、文句の言いようが無い列車となると思うのですが、場所によっては車内放送すらまともに聞こえないぐらいのモーター&風切り音になっています。車内販売で、コーヒーを注文し、それを飲むのですが、よくよくみると、揺れもなかなか。もちろん、特急やくも程では無いにしても、小刻みに揺れています。そんなところからも、速さを実感するといった感じです。
 あっという間に広島駅に到着。ふと、お弁当を食べるのを忘れていたことに気づき、一緒に購入したお茶の葉をお湯に入れたのですが、お湯がずいぶんと冷めてしまったため、ほとんど色がでない状態。なんだか、白湯を飲んでる気分でした(^_^; それとは逆にとりめしには満足。単純なのですが、おいしくいただきました。また、博多に行くことがあれば、これを購入しようと思った次第です。

 広島駅でまとまった乗客があり、ほぼ満席。レールスターの人気を感じます。岡山では、デッキに立つ人の姿も見受けられ、やはりゴールデンウィークであることを意識させられます。本当に、驚きの速度で、新神戸に到着。新大阪駅で、ホームから空を見上げると青空が覗いており、なんとも複雑な気持ちで、鹿児島旅行を終えたのでした。

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