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今度こそ桜か!?春の道東縦断編(2003/5/17〜18)

 

 結局、朝起きられるかどうかが心配だった様で、午後3時過ぎに目が覚めた後、1時間ごとに目が覚める始末。午前4時に目が覚めた時は、夜が白んでいたのですが、どうやら曇り空。朝には晴れてくれることを願っていたのですが、結局、午前6時に起床した時も曇り空には変わりありませんでした。というか、雨雲らしきものも見受けられるので、これってもしかしたら、やばいんじゃないか?って思った次第です。
 とりあえず、朝風呂ということにしました。約40分程度ゆっくりと浸かってさっぱりした後、朝食会場へ出かけたわけですが、朝食会場はバイキングになっていました。品数はさほど多いわけでは無く、和食のみになっているのですが、なかなか満足のいく内容でした。というのも、イカがおいしいんですよね。北海道らしくジャガイモがあったので、テレビで紹介されている通り、北海道風(というよりも函館風?)に塩辛と一緒にいただいたわけですが、このイカの塩辛が肉厚でとてもおいしいんですよね。後、イカと大根の煮つけもあったのですがこれもまたイカがおいしいのです。
 といっても、イカばかり食べているわけにもいきませんので、なかなかいい具合にお腹が満たされました。で、時間はちょうど8時前。予定通りと言えば、予定通りなんですが、この曇り空。霧の摩周湖とはいいますが、もしバスにじょうしゃじて行っても、なんだか今一つでは無いかと思い、急遽摩周湖行きを断念。これは、またの機会があるだろうということにしました。代わりに昨日途中までしか歩けなかった硫黄山までの遊歩道を利用することにし、とりあえず摩周から乗車する予定だった列車に間に合う様な形にすることにしました。

 そうなると、時間に少し余裕が出来たので、これぞいい機会と、最後にひとッ風呂浴びてからの出発としました。午前8時を過ぎると入浴客は皆無で、のびのびと大きなお風呂を独り占めできます。といっても、数時間前に入ったばかりですから、少し湯船に浸かるだけといった感じです。午前9時過ぎにチェックアウトをし、まずは足湯に立ち寄りました。まだ温泉に浸かるのか?と言われそうですが、足湯は見学だけにとどめたのですが、ここで昨日の老夫婦と偶然出会いました。向こうの御夫婦も覚えていられた様で、少し話をしたところ、9時15分のバスに乗って、硫黄山に行くつもりだったのだが、グズグズしていてバスに乗り遅れたとのこと。となると、次のバスはえらく先になるのだが・・・と思っていたら、歩いていくつもりとのこと。一緒にどうかと誘われたのですが、行程の問題でエコミュージアムを見てからで無いと列車に間に合わなくなってしまうので、丁重にお断りしました。しかし、おじいちゃんの方は元気で健脚の様ですが、おばあさんの方は杖を付いて歩いておられるので、大丈夫かとちょっと心配しました。一緒に付いて行ってあげた方が良かったかもしれないと少しばかり後ろ髪を引かれました。
 

 といっても、時間に余裕があるとはいってもさほどあるわけでは無いので、すぐさまエコミュージアムへ。1時間弱で館内を見て回るつもりだったのですが、こういう資料館は妙に時間を喰ってしまうものです。3つの映像作品があったので、それぞれ見ただけで約40分。一番短い10分の映像作品は、「湖面」を意識した円形のスクリーンを見下ろして見る、今までに無い感じでした。これを見て、不思議に思ったのが、カメラやビデオってレンズが円形になっているにもかかわらず、全て四角、それも長方形で再生されますよね。これって、もしかすると、大変勿体ないことなんじゃないかって思ったわけです。レンズが円形なのだから、映像も円形であってしかるべき。これぞ、レンズ性能をフルに使っているのでは無いかと思ったわけです。
 でも、実際に見てみると、天地左右がどちらなのかよく分からなくなり、ちょっとばかり慣れが必要です。作品内容は、屈斜路湖と摩周湖の成り立ちに関してが主体で、それに四季折々の映像が加わるといった状態です。でも、この映像を見ていて気づいたのですが、どうも屈斜路湖と摩周湖は、その生い立ちから考えてもセットで扱われることが多い様です。さらに、一般的には、「摩周湖」の方が有名なんですが、どうも説明が屈斜路湖の方へ傾いている様で、どちらかというと屈斜路湖のおまけといった感じに見えてきます。たまたま、この施設が屈斜路湖に近いことからそうなったのかはわかりませんが、明らかにこのあたりで押しているのは、屈斜路湖の方の様です。
 続いて、100インチぐらいのプロジェクターの映像作品を見たわけですが、こちらは2作品あり、それぞれ18分と16分と結構な長編。長いということで椅子があったのですが、これが大きな丸太を横に寝かした形をしており、エコミュージアムであることを演出している様です。こちらの内容は、先程の湖面を意識した映像の詳細版といったものと、自然探勝路の四季といった内容のものの2作品でした。さすがに、固定はしてあるものの、この丸太の椅子はしんどく、なんだか、休んでいるつもりが、妙に疲れてしまいました。

 そのビデオシアターの横には、クラフト工房があり、誰でも自由にそこにある材料を使って、工作ができる様になっています。学芸員の方に一声かければ、材料や道具などは用意されており、無料で作れるというサービスで、2家族の方が挑戦されていました。一人だったのと、特に時間の問題もあって、今回は挑戦しなかったのですが、これ友人と来ると、絶対に必死になって作るんだろうなぁって想像しておりました。

 2階では、写真展が行われており、その迫力や繊細さのある写真にただ驚くばかり。いや、カメラってこんな写真が撮れるのかと感心してしまいます。私もこんな写真が撮れたらなぁと思うのですが、晴天の日を望む様ではまだまだなんでしょう。色々な条件において、多種多彩な美しさを、撮影できる様でなければならないのだろうと思いました。しかし、アングルにしても、露出にしても、いったいどうしてこんな絶妙な写真か撮れるんだろうかと思います。

 

 ふと、時計を見てみると、思っていたよりも時間が経っており、10時30分。列車が11時32分だったと思うので、急ぎ足で硫黄山へ向かいます。2.5Kmとの約30分。硫黄山から駅まで約30分と考えると、早歩きだったらなんとかなるかなぁという計算です。本当は硫黄山から林道を経由して余計に2キロメートル程消費して駅に向かうつもりだったので、これは省略せねばなりません。ちょっと残念だなぁと思いながら、歩いていきます。沿道には、桜の木が花を付けており、心なしか昨日よりも花が多い様な気がします。
 ふわふわしたアスファルトから、遊歩道を歩きはじめると、何人かの観光客が硫黄山観光を終えて帰って来られました。それほど疲れた様子は無い様ですので、やはりさほど遠くは無いのだろうと思います。ちょうど、低い白樺の林に変わる頃に、先程の老夫婦と出会いました。
 話によると、私と分かれた後、バス停の前を通ると、バスが一台停車してたそうで、お客さんがいない為に時間つぶしをしているとのこと。そこで、運転手さんの好意で、硫黄山までバスを運航してくれたそうです。運賃は勿論正規料金の180円とのこと。硫黄山に到着後は、一時間の待ち合わせてで、バスが川湯温泉まで戻ってくる予定だったそうですが、運転手さんが遊歩道を歩いて帰るのを奨励してくれたそうで、運転手さんの説明通りに歩いて帰ってきたとのことでした。この老夫婦、うれしそうにその話をしてくれるものなので、こちらも顔がほころび、心が温まった気分で、別れを告げ、先に歩を進めました。
 

 視界が開けると、展望台、お花畑と続き、低いハイマツの林にうつると、急に道が歩きにくくなり、少し腰を曲げた状態で、歩きます。急ぐ旅ということなんですが、ハイマツの林の途中に展望台があるとなると、そちらに立ち寄り写真を撮って、酸性が強い為か道が白っぽくなったかと思えば立ち止まったり、火山の影響で枯れてしまったハイマツなどを見ると、物思いにふけってみたりと、意外にゆっくりとした感じで、遊歩道を歩き終えました。
 時刻は11時15分過ぎ。まだ、走れば川湯温泉駅からの列車に間に合いそうだったのですが、そうなると、硫黄山の見学を省略せねばならず、せっかくやってきたんだからと思うと、なかなかそれに踏み切ろうとは思えません。ということで、列車を一本見送り、硫黄山の見学を取る事にしました。本当は、川湯温泉からの列車に乗車した後、適当な駅で下車して温泉にでも向かおうと思っていたのですが、それを断念し、硫黄山の見学をすることにしました。

 硫黄山は観光名所となっており、駐車場は有料になっています。確か、乗用車400円となっていたと思うのですが、これ、北海道の観光地としては、珍しいですよね。川湯温泉の方は無料だったと思うので、川湯の方から歩いて来るというのが、コスト的には安くなると思います。徒歩で往復1時間半程度は必要なので、時間と体力に余裕が無いと駄目ですけどね(^^ゞ
 駐車場の横にレストハウスというか、ロッジというか、ようするに道の駅みたいお土産屋さんがあります。そこから蒸気を上げているところまで約200mは、道というか広場の様なところを歩いていくのですが、ゴツゴツとした岩が多い為、石の少ないところを選んで歩くと、自然と人の流れが出来てくるといった感じです。その、道らしいところの途中で、関所の様に「蒸し玉子」が販売されていました。初めはお昼ご飯変りにちょっと買ってみようかなぁ?と思ったのですが、お値段がなんと5個400円。えらく高いなぁと思った次第です。恐らく普通の玉子でしょうから、原価を考えるとどうしても「観光地価格」では無いと感じずにはいられません。それも、その販売が、環境庁が物品販売の禁止している区域でやっているわけですから、なんとも怪しいと思わずにはいられません。お土産に最適とかで、1週間ぐらいなら持って帰られると説明を受けたのですが、その玉子が一体いつ製造されたものなのかもよく分からない状態ですから、余計に怪しいと思ってしまいます(^^ゞ
 

 その玉子販売は無視して、蒸気吹き出ている岩の近くまで行ったのですが、いやいや、すごい勢いで蒸気が出て行きます。なかなかすさまじい状態で、かなり元気よく吹き出してくれるものですから、当たりは一面真っ白になることがあり、あたり一面が真っ白という状態になり、帰る時は視界を遮られて、足元がおぼつかない状態になってきます。大きい蒸気を上げるところは、立入禁止になっているのですが、開放されているところでも、ところどころで小さな蒸気を上げるところがあり、やはり、その蒸気は熱い様です。ただ、岩そのものは、さほど熱いわけでは無いので表面では無く、奥の方でマグマが活動をしているのかと思います。結局、10分程度、蒸気のあげる様を見ていると、西の空に青空が広がってくるのが見えました。これだったら、摩周湖に行っても良かったかなぁと思ったんですが、良く考えると、この時間まで摩周湖にいるわけが無いので、まぁ、この方法がベストだったのだろうと思います。
 先程の関所がうっとうしいので、蒸気が晴れている間に柵沿いに駐車場まで歩いていきました。やはりゴツゴツとした岩が無数にあって、危険なんですが、その柵の橋に、木製の看板がありました。そこには、「落石による死亡事故が発生した為、危険ですのでこれより先には立ち入らないでください」とあります。確かに、その柵の向こうの山肌は岩山で、下の方の岩がえぐれている状態で、もし不安定に落ちてきたら、無事ではいられない様に思います。普通に「危険です」とあるわけではなく、「死亡事故が発生した」と断りを入れている所が余計に説得力がある様に思ったのですが、これって結局のところ、「起こってみないと分からない」ってことなんですよね。事故を未然に防ぐといっても、、「危険」と言う文字が見慣れたものになってしまい、説得力が無くなっているのかもしれません。といっても、私はかなり怖がりですので、「危険」の文字があると、絶対に立ち入らないんですけどね。

 

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