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道央ぐるっと晩冬の道東編(2003/4/19〜20)

 

 ミュージアムといっても、私の好きな郷土資料館とかいった類のものではなく、「椅子博物館」だそうです。個人の趣味で集めた椅子を毎回テーマを変えて展示しているそうです。今回は20世紀の中期の椅子の展示が行われていたのですが、本当にいろんなデザインの椅子があるもんだと驚きでした。館内に、撮影禁止の表示が無かったので、ISO感度を上げて、絞りをできるだけ開いて、フラッシュを使わないで撮影してみました。全部で30〜40点ばかりの椅子が展示されているのですが、本当に個性的な椅子が多く展示されています。
 ちなみに、これらの展示品に腰をかけない様に呼びかけていました。確かに、いまや製造が終了した椅子ばかりですから、壊れてしまっては大変です。ましてや、入場無料という椀飯振舞ですから、なかなか難しいところだと思います。勿論、綺麗なまま保存されているわけでは無い様で、使った後もあったので、デザイン的な見地のみならず、きちんと機能したものが展示されているということに好感が持てました。こういう生活用品は、使ってこそ価値があるわけで、それの遺産は使ったもので無いといけないと思うわけです。

 中に2脚だけ座っても構わない椅子が展示されていました。この2脚は現在も生産されているそうなんですが、これまたなかなかなデザイン。こういう椅子が似合う部屋っていったいどんな部屋なんだろうって思うわけですが、座っても良いと気づいたのは、富良野へ向かう列車の中。残念でした。
 でも、あまり考えたことが無かったのですが、椅子のデザイン的な価値って結構なもんですよね。ワイヤーで作られた椅子や、竹籠で作られた椅子などが展示されており、それぞれに説明が書かれているので、全く知識の無い私でも楽しめました。時間があれば、もう少しじっくりと見たかったわけですが、30分程度で次のギャラリーに移動しました。

 ギャラリーでは、ポスター展が行われていました。主題が北海道とPEACEとのこと。時期が時期なだけにこういう題材になったのだろうと思います。美術館などは苦手なんですが、ポスターの訴求力にたまに見せられることがあります。最初に見たのが、PEACEに関してのポスター。私の感性には響かないものから、ものすごくグッとくるもの色々なものがあります。これらのポスターにも説明が書かれてあるので、じっくりと見たいと思ったのですが、作品に関していろいろと考えている、一枚一枚の時間がかかりすぎるので、列車に間に合わなくなってしまいます。特に、後半の北海道に関するポスターは大変興味があったのですが、時間が無くなってしまい、じっくりどころか、ほとんど触り程度しか見られない状況になってしまいました。

 このギャラリーで気になったのが、全ての作品が「EPSON PM9300」で出力されたこ展。かなりびっくりしました。私はCANON派なんですが、この説明文を読むまでプリント出力したものとは気づきませんでした。文字を見て、綺麗にレタリングしているなぁと思った程度ですからね。いや、本当に驚きました。

 こちらでの見学時間は10分程度。作品に大して、失礼な時間だと思ったのですが、急ぐ旅の為、いたしかたない感じです。旭川駅かの列車に乗って、座席に座って落ち着くと、数分後に出発してしまいました。

 富良野線に乗車すると、あたりの景色は一変し、かなり白い風景が続きます。富良野までは何度か乗車したことがあるので、何となく見覚えのある風景が続きます。これから長いローカル線の旅になるわけですから、車窓を眺めながら、ぼーっとします。これが、なんとも至福のひととき。北海道の広い大地を眺めながら、時間をつぶす。最高の贅沢じゃないかと思います。
 パソコンを取り出して、忘れないうちに、旅行記のメモを取ったり、写真データの保存をしたりしつつ、富良野駅を目指します。列車は淡々と進んでいきますが、この時期に観光客はかなり少ない様で、ほとんどが地元の方の様です。部活帰りの学生さんが多い様です。
 学生さんの会話を聞いていると、ところどころで違うなぁと思うことがあるのですが、一番最たるものが、「列車」に関するところ。彼女たちは「汽車」って呼ぶんですよね。これ、他の地方でもそうなんですが、だいたい汽車と聞くことがあるんですが、どうも汽車と聞くと、蒸気機関車を思い出してしまうんです。私の地元では、電化されているので、「電車」という呼び方が一般的なので、このサイトでは、電化されているものは「電車」、ディーゼルカーや蒸気機関車の場合は、「列車」と表現しています。
 美瑛駅で多くの学生さんが下車されると、途端に車内は静けさを取り戻します。2両編成の車内は、空き席が目立つ程になりました。
 十勝岳が見えはじめると、終点の富良野が近くなってきた感じがします。夏の間に大勢の観光客を呼ぶ富田ファームは、まだ茶色の土が見えている状態で、雪こそ無くなりましたが、まだまだ冬景色です。

 富良野駅で10分の乗り継ぎで根室本線のローカル列車に乗車します。今度は1両編成の列車で、ボックスが全て埋まる程度の乗車率。旅行客とおぼしきお客さんが約半数、地元のお客さんが約半数といった感じです。こういう場合、旅行客がだいたいボックス席を利用して、地元のお客さんはロングシートの座席を利用することが多い様ですが、今回もまさにそんな感じでした。
 富良野からの列車に乗車して、南下を始めると、日が傾きはじめ、薄暗くなりはじめました。更に、富良野線では一部晴れ間が見えた空が、だんだんと厚い雲に覆われ始めた感じがします。この根室本線の新得−富良野間は、初めて北海道に訪れた時以来、ですから、かれこれ7〜8年ぶりの乗車で、前の時は、21時頃の列車でしたから、この路線の車窓を見るのは初めてです。進行方向向かって右側の座席に座ったのですが、これは、ちょっと失敗でした。進行方向向かって左側の方が景色は楽しい様です。特に、金山湖を見る事ができる、金山〜幾寅間や、眼下に新得の待ちが見える落合−新得間は左側の座席がお勧めです。そんなわけで、幾寅駅を過ぎてから左側の座席が空いたので、そちらに移りました。
 特に、幾寅駅を過ぎると、山を駆け降りるので、絶好の風景です。また、厚い雲に切れ間が見え、青空が見えはじめたのも、いい演出といったところでしょうか。大地は、まだまだ白く、冷たそうな雰囲気が漂っています。

 ところで、幾寅駅というと、映画「鉄道員(ぽっぽや)」のモデルとなった駅。駅舎には、大きくその事が掲げられており、「ほろまい」の駅名板が掲げられていました。何年か前には「鉄道員」で使われたディーゼルカーを使った、「鉄道員号」が運転されており、この駅が注目を浴びたわけですが、今もそれをきっかけに訪れる方がいるんでしょうね。

 新狩勝トンネルを過ぎて、先述の絶景なポイントを下ります。トンネル内で石勝線と合流して下っていくわけですが、何故この景色を今まで見逃していたのだろうかと思ってしまいます。なんども、列車で通っているはずなんですけどねぇ。うーむ、不思議です。この1駅はかなり長く、20分程度の時間がかかりますが、その間は、景色に釘付けといった感じです。

 

 新得に到着すると、次の列車との待ち合わせってことになるわけですが、選択肢が二つあります。一つは、そのまま乗り継ぎの普通列車で帯広へ向かう方法、もう一つは、特急を待ってそれで帯広へ向かう方法です。乗車券は特急電車の自由席も乗り放題ってわけですから、それをわざわざ普通列車だけで向かうというのも味気ないので、特急に乗車する方を選択しました。
 ダイヤ的には、普通列車が18時30分発、特急列車が19時18分発で約48分の差。列車が到着したのが、18時10分頃でしたから、丸々1時間の空き時間があることになります。1時間というと、旭川の時と同じわけですから、何かできるだろうと思ったわけです。
 ちなみに、帯広に到着する時間は、普通列車が5分早いといった程度で、特急に乗る事で1時間弱は楽に稼げることになります。

 新得駅を出て、駅前の看板を見ようと思ったのですが、これが鳥瞰図になっており、あまり案内としては役に立たないんですよね。その周りには、「歓迎、スポーツ合宿」と書かれてあったのが、物珍しい感じでしたが、どうやらサホロスキー場が近い故のことなのかもしれません。
 夏場は涼しいので、良さそうですが、今日はまだまだ寒い感じです。駅前からまっすぐに通る道を北上します。まだ、暗いわけでは無いですが、歩いているうちにだんだんと手持ちで撮影するのは困難な状況になってきました。オレンジ色の街灯がなんともいい雰囲気を出しています。駅前には、何件かの食堂があるぐらいで、他にお店は見当たりませんでした。後で気づいたのですが、線路に沿った方向の方が商店街になっている様で、カメラ屋さんや雑貨屋さんなどが並んでいました。東側にはスーパーらしきものも見当たりました。

 

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